最新の都市開発ニュース

愛知県知多市の名鉄常滑線「朝倉」駅周辺に市役所やホテル、図書館などの都市拠点整備を行う「朝倉駅周辺整備基本構想」!!

愛知県知多市に位置する名鉄常滑線「朝倉」駅は、1日あたりの乗降客数が約8,000人と市内で最も利用者が多く、鉄道・バス・タクシーといった複数の交通手段が集結する重要な交通拠点です。この地域は市役所や警察署などの行政機関をはじめ、勤労文化会館や歴史民俗博物館といった文化施設、さらに陸上競技場や体育館などのスポーツ施設も整備されており、まさに「知多市の玄関口」として機能しています。現在、将来的なリニア中央新幹線の名古屋駅~品川駅間開業を視野に入れた駅周辺の再開発が進められています。
この計画では、商業施設、ホテル、マンションに加え、市役所や図書館、子育て支援施設など多岐にわたる施設を新設し、地域の活性化を牽引することが目標です。本構想は、平成30年3月に策定されたもので、朝倉駅周辺の交通環境を最大限に活用し、にぎわいと交流の拠点を形成することを目的としています。

2024年12月18日には、ルートインジャパン株式会社と市有財産(土地)の売買契約が締結され、「ホテルルートイン知多朝倉駅前」の建設が決定しています。

→知多市 朝倉駅周辺整備基本構想

計画の概要

  1. 朝倉駅の役割と位置づけ
    朝倉駅は1日約8,000人が利用する交通拠点であり、市内外からのアクセスが良く、知多市の玄関口として行政、文化、スポーツ施設が集積した重要なエリアです。
  2. 再開発の背景と目的
    リニア中央新幹線の開業を見据え、駅周辺の商業、行政、居住エリアを整備し、にぎわいと交流の拠点を形成することを目的としています。
  3. 対象地域の立地条件
    名古屋市から20km、中部国際空港から18kmという好立地にあり、鉄道や道路網が整備されている利便性の高いエリアです。
  4. 3つの街区構成
    北街区は商業・交流ゾーン、中街区は行政・シビックコアゾーン、南街区は住宅ゾーンとして、それぞれの機能を分担し、地域の活性化を目指します。
  5. 中街区の役割と施設
    中街区には市役所を中心とした行政施設や子育て支援施設、飲食店が整備され、交通の結節点として市民や観光客が集う空間を提供します。
  6. 駅前ロータリーの機能強化
    交通結節機能を強化するとともに、緑豊かな歩行者空間や商業施設、休憩施設を設けることで、快適で魅力的な環境を創出します。
  7. 全体の狙い
    地域住民と訪問者双方にとって利便性が高く魅力的な空間を整備し、知多市全体の発展と交流の促進を図る計画です。

出典:知多市

計画対象地区は、名古屋市から南へ約20km、中部国際空港から北東へ約18kmという交通の便が良い立地に位置しています。地域内には主要道路や鉄道路線が整備されており、名鉄常滑線の主要駅である朝倉駅を中心に、人々が集い、交流する拠点となっています。また、駅周辺には駐車場や自転車駐車場が整備されているほか、行政施設や文化施設が集積し、便利さと多様性を兼ね備えたエリアです。これらの条件を背景に、周辺環境をより一層充実させる取り組みが進められています。

出典:知多市

計画対象地区は北街区、中街区、南街区の3つのエリアに分けられ、それぞれの特徴を活かした施設配置が計画されています。北街区は「商業・交流にぎわいゾーン」として市民の多様なニーズに応える施設が集積され、飲食店や物販店、図書館などが整備される予定です。中街区は「シビックコアゾーン」として市役所や公共施設が立地し、市民サービスの利便性を向上させるとともに、安全で快適な交通環境を提供します。南街区は「住宅ゾーン」として、快適な居住空間を提供し、市外からの新たな転入者を呼び込む拠点となります。このように、それぞれの街区が連携して地域の活性化に寄与します。

出典:知多市

中街区は朝倉駅周辺の中核的なエリアとして、行政機能と商業機能が一体化したゾーンです。市役所の建て替えをはじめ、飲食店や子育て支援施設が配置されることで、市民が集いやすく利便性の高い空間が実現されます。さらに、駅前広場の見直しによって、安全で快適な交通結節環境が整備される予定です。このエリアは地域住民だけでなく、観光客やビジネス利用者も含めた多様な人々が訪れる交流の拠点として重要な役割を担います。

出典:知多市
出典:知多市

駅前ロータリーは交通結節機能を強化するだけでなく、緑豊かな環境や歩行者空間を整備することで、訪れる人々にとって快適で魅力的な空間を提供します。また、商業施設や休憩施設が併設され、利便性の向上だけでなく、駅周辺のにぎわい創出に寄与します。具体的には、飲食・物販施設や公共施設のほか、市民や観光客が集える広場やオープンスペースが設けられ、地域全体の魅力向上を図ります。

知多市新庁舎
出典:知多市

知多市新庁舎は、朝倉駅周辺整備基本構想における中街区の一環として、知多市の新たな玄関口にふさわしい施設を目指しています。この庁舎は、「ゲートプレイス」として市民や訪問者を温かく迎え、にぎわいを創出する設計が特徴です。周辺街区との調和を図りながら、未来志向の街づくりを推進します。規模は、鉄骨造地上5階、高さ約26m、延床面積約10,794㎡となります。

環境に優しく、社会の変化に対応する設計が取り入れられています。感染症対策や自治体DXの推進、カーボンニュートラルを意識した設備を整え、安全で働きやすい空間が実現される予定です。また、災害時には迅速な対応が可能な拠点としての役割も果たします。
庁舎内外には、市民が交流を楽しめる空間が数多く設けられています。「ちたもん広場(仮称)」を中心に、市民交流スペースや多目的ホール、テラスなどが配置され、訪れる人々の出会いや交流を促進します。さらに、来庁者と職員の動線を明確に分離し、効率的で快適な施設構成を実現しています。

また、すべての人に優しい設計も大きな特徴です。子育て世代への配慮として、授乳室やキッズスペース、子ども連れでも利用しやすい相談室を設置しています。トイレは各階にバリアフリー仕様を設け、幼児用設備も整備されます。議会機能は独立性を確保しながらも市民に開かれた空間としてデザインされています。最上階に議会を配置し、傍聴ロビーは憩いの場としても活用できるよう工夫されています。また、車椅子利用者や親子連れが快適に過ごせる席を備えています。

庁舎周辺では、地域景観との調和も重視されています。在来種を中心とした植栽計画が採用され、維持管理のコストを抑えつつ、地域の風土に調和した緑豊かな空間が広がります。知多市新庁舎は、市民に寄り添うサービスと未来を見据えた設計が融合した施設であり、地域のシンボルとして新たな価値を提供することを目指しています。

ホテルルートイン知多朝倉駅前
出典:知多市

「ホテルルートイン知多朝倉駅前」は、知多市の朝倉駅前に建設される予定の新しいホテルです。2024年12月18日に、ルートインジャパン株式会社と市有財産(土地)の売買契約が締結され、事業が本格的に進行します。ホテルは、鉄筋コンクリート造の地上8階で、総客室数は217室を予定しており、開業は2027年12月を予定しています。

このプロジェクトは、地域活性化を目的としており、地元食材の活用や地元業者の利用、地元市民の雇用促進などが提案されています。また、災害時には緊急避難場所としての利用や、物資提供の体制構築を目指しています。さらに、朝倉駅周辺を中心に、観光促進や周遊観光の推進を行い、知多市全体の活性化を図ります。

知多市新図書館
出典:知多市

知多市では、新しい図書館の整備が進められています。現在の「中央図書館」は昭和55年に開館し、長年市民の学習支援を行ってきましたが、施設や図書館システムの老朽化、社会的変化に伴い、施設の更新が必要となっています。また、人口減少が予測される中、知多市は「朝倉駅周辺整備基本構想」に基づき、朝倉駅周辺の活性化を図る一環として新図書館を位置づけています。

新図書館は、朝倉駅周辺の北街区に整備される予定で、公共施設の適正化に合わせて、延床面積は現行の図書館より少し小さい約3,000㎡程度を予定しています。施設は図書館機能に加え、周辺の商業施設と連携して賑わいを創出する役割も担います。また、中央図書館の機能を移転し、知多市の図書館ネットワークを形成し、地域図書室や学校図書室と連携を深めます。

施設には、蔵書数を30万冊目標に設定し、一般書、児童書、参考資料、視聴覚資料など多様なスペースが配置される予定です。また、利用者の利便性を高めるため、個人学習スペースやグループ活動室、飲食コーナーなども設けられます。新図書館は、市民の生涯学習を支援し、地域の活性化に貢献する重要な施設として位置づけられています。

最終更新日:2024年12月24日

タイトルとURLをコピーしました