末広町一丁目地区第一種市街地再開発事業は、大分県大分市末広町一丁目で建設中の地上27階、地下1階、高さ97.850m、総戸数217戸の「A街区」、地上14階、地下1階、高さ44.940m、総戸数72戸の「B街区」から構成される超高層タワーマンションです。
立地は、JR「大分」駅北側一帯、東側を北口駅前広場、北側を国道10号に面した場所に位置しています。大分駅周辺では、近年の開発により発展が期待されていますが、地区内の土地は細分化され、有効な土地利用がなされていない状況で、古い建物が危険な状態にあります。そこで、市街地再開発事業を通じて土地の高度利用と都市機能の更新を目指しています。
設計方針としては、JR大分駅周辺地域に不足する機能を導入した複合的な施設建築物を計画し、商業施設や交流広場を整備して賑わいを創出します。また、外観計画は周囲の街並みと自然との調和を重視し、「統一感のある大分の街並み」を目指します。防災計画では、「自然災害に強い建物」をコンセプトに、災害後も持続可能な施設を整備し、防災性能や省エネルギー性能の向上も図ります。
施設構成は、「A街区」の地下1階に駐輪場等、地上1階に商業、業務、住宅共用、2階に商業、業務、3階に住宅共用、業務、1階~22階に駐車場、4階~27階に住宅、「B街区」の1階に商業、業務、住宅共用、2階に住宅共用、3階~14階に住宅となります。
A街区の施設建築物は、地下1階に駐輪場や共用機械室を配置し、1~2階には商業・業務フロアを設け、駅前広場との賑わいの連続性を持たせます。3階には住宅のメインエントランスを配置し、4~27階には多世代居住を推進する多様な住戸タイプを計画し、周辺景観を享受できるように住戸配置を考慮しています。
B街区の施設建築物は、1階に商業・業務フロアおよび駐輪場を設け、駅前広場との連携を図ります。2~14階には住宅フロアを配置し、眺望の良い東側に住戸を設け、共用機能を充実させて居住者の快適性とコミュニケーション促進を図ります。また、バリアフリーに配慮した住宅設計を行い、A街区と統一感のある外観を形成します。
防災対策面では、地震に対しては、A街区に制振構造、B街区に耐震構造を採用し、液状化などのリスクにも対応しています。水害対策として、A街区は電気室を3階に配置し、B街区は機械室を2階屋上に移設しています。さらに風害にも配慮し、耐風圧性能を通常基準の1.25倍に設定しています。
災害時にも設備が停止しないよう、A街区には非常用発電機を設置し、給排水機能を保持するため受水槽方式と緊急時用の汚水槽を計画しています。地域防災にも貢献できる仕組みとして、A街区2階には支援拠点として使用できる通路や共用便所が整備され、災害時には帰宅困難者の受け入れが可能です。さらに、A街区には防災倉庫を設置し、災害時に必要な物資を確保します。
建築主は末広町一丁目地区市街地再開発組合、参加組合員は大和ハウス工業株式会社、日鉄興和不動産株式会社、株式会社コスモスイニシア、株式会社ピースリビング、設計は株式会社フジタ、施工は株式会社フジタです。既存建築物解体着手は2023年7月、着工は2024年4月17日、竣工は2027年10月となっています。
出典・引用元
・末広町一丁目地区市街地再開発組合 公式サイト
・大分市 末広町一丁目地区第一種市街地再開発事業について
出典:末広町一丁目地区市街地再開発組合
概要
名称 |
末広町一丁目地区第一種市街地再開発事業 |
計画名 |
末広町一丁目地区第一種市街地再開発事業 |
所在地 |
大分県大分市末広町一丁目2番、4番~10番、11番3、12番~15番、18番、18番1の一部、19番~23番、24番1~2、25番、34番1の一部、41番1の一部、要町1000番1の一部 |
用途 |
共同住宅、店舗、事務所、高齢者住宅、駐車場 等 |
階数 |
A街区:地上27階、地下1階 B街区:地上14階、地下1階 |
高さ |
A街区:97.850m B街区:44.940m |
構造 |
A街区:鉄筋コンクリート造 B街区:鉄筋コンクリート造 |
基礎工法 |
A街区:直接基礎 B街区:杭基礎 |
総戸数 |
A街区:217戸 B街区:72戸 |
敷地面積 |
A街区:約2,930㎡ B街区:約840㎡ |
建築面積 |
A街区:約2,030㎡ B街区:約590㎡ |
延床面積 |
A街区:約31,300㎡ B街区:約5,700㎡ |
着工 |
2024年4月17日 既存建築物解体着手:2023年7月 |
竣工 |
2027年10月 |
建築主 |
末広町一丁目地区市街地再開発組合 参加組合員:大和ハウス工業株式会社、日鉄興和不動産株式会社、株式会社コスモスイニシア、株式会社ピースリビング |
設計 |
A街区:株式会社フジタ B街区:和田組・サンユニオン共同企業体
事業コンサルタント:株式会社都市設計連合
設計コンサルタント:株式会社プランテック |
施工 |
A街区:株式会社フジタ B街区:和田組・サンユニオン共同企業体 |
最寄駅 |
JR日豊本線、久大本線、豊肥本線「大分」駅 |
備考 |
▼施設構成 🔻A街区 地下1階:駐輪場 等 地上1階:商業、業務、住宅共用 2階:商業、業務 3階:住宅共用、業務 1階~22階:駐車場 4階~27階:住宅
🔻B街区 1階:商業、業務、住宅共用 2階:住宅共用 3階~14階:住宅 |
位置図
標識
▼A街区
▼B街区
区域図
出典:大分市
配置図
出典:大分市
断面図
▼A街区
出典:大分市
▼B街区
出典:大分市
施設構成・イメージ
出典:末広町一丁目地区市街地再開発組合
駅前広場から見た「低層部分」の様子です。
出典:末広町一丁目地区市街地再開発組合
「アプローチ広場」の完成予想パースです。
2025年1月建設状況
A街区
北東側から見た建設中の末広町一丁目地区第一種市街地再開発事業 A街区の様子です。
北東側、JR大分駅前広場から見た建設中の末広町一丁目地区第一種市街地再開発事業 A街区の様子です。
仮囲いには、仮囲いアート「いきものの森」が施されています。
南東側から見た建設中の末広町一丁目地区第一種市街地再開発事業 A街区の様子です。
南西側から見た建設中の末広町一丁目地区第一種市街地再開発事業 A街区の様子です。
南西側から見た建設中の末広町一丁目地区第一種市街地再開発事業 A街区の様子です。
B街区
北東側から見た建設中の末広町一丁目地区第一種市街地再開発事業 B街区の様子です。
北側から見た建設中の末広町一丁目地区第一種市街地再開発事業 B街区の様子です。
北西側から見た建設中の末広町一丁目地区第一種市街地再開発事業 B街区の様子です。
大分駅北側に広がるアーケード商店街「セントポルタ中央町」がすぐ北側に位置しています。
周辺から見た様子
アミュプラザおおいたのシティ屋上ひろばから見た建設中の末広町一丁目地区第一種市街地再開発事業の様子です。
最終更新日:2025年1月23日