船堀四丁目地区第一種市街地再開発事業は、東京都江戸川区船堀四丁目に建設される地上21階、高さ約99mの「北棟(江戸川区新庁舎)」と、地上26階、地下1階、高さ約99m、総戸数約400戸の「南棟」から構成される超高層ビル・超高層タワーマンションです。
立地は、都営新宿線「船堀」駅北口、西側を都道308号、北側を都道50号に面した一帯に位置しています。既存建築物には、北棟区域内に「都営船堀四丁目アパート」、「ガスト船堀店」、「ライフアップ船堀」、「オリックスカーシェア船堀4丁目B」などが建ち並んでおり、南棟区域内に「勤労福祉会館」、「マクドナルド 船堀店」、「船堀中央保育園(仮設園舎)」、「モリス船堀駅前」などが建ち並んでいます。
「江戸川区新庁舎」の施設構成は、1階から3階にアトリウム広場が設けられており、1階には駐車場とバイク置場があります。2階から4階までが駐車場となっていて、2階から3階には執務室(窓口)が配置されています。4階には執務室(保健所等)があり、その上の免震層を挟んで、5階から6階には機械設備関連諸室が設けられています。7階から18階までは執務室が広がり、19階から21階には議会のスペースが配置されています。さらに、PH階からPHR階にはヘリポートが設けられています。
北棟(江戸川区新庁舎)は、コミュニティ形成の拠点となる「協働・交流ゾーン」を設けるほか、「来庁不要の区役所」を見据えた可変性に優れたフロアを配置する計画となっています。また、災害泰サック面では、地震や水害に備える中間層免震構造を採用し、浸水した場合に想定される最大の深さ5mよりも高い位置に主要設備や歩行者デッキなどを配置、水害時には一時的に退避可能な施設となります。また、環境性能面では、一次エネルギーの年間消費量を50%以上削減するZEB Readyを実現し、CO2排出量の削減を目指すものとされています。
建築主は船堀四丁目地区市街地再開発組合、事業協力者は日鉄興和不動産株式会社、東京建物株式会社です。着工は北棟が2026年度、竣工は北棟が2031年1月(開庁)となっています。
出典・引用元
・江戸川区 新庁舎建設に向けた検討を進めています
・江戸川区 船堀四丁目地区
・東京都 船堀四丁目地区第一種市街地再開発事業
・日鉄興和不動産株式会社/東京建物株式会社 「船堀四丁目地区第一種市街地再開発事業」都市計画決定について
出典:江戸川区
概要
| 名称 |
船堀四丁目地区第一種市街地再開発事業 庁舎敷地(北棟):江戸川区新庁舎 民間敷地(南棟) |
| 計画名 |
船堀四丁目地区第一種市街地再開発事業 庁舎敷地(北棟) 民間敷地(南棟) |
| 所在地 |
東京都江戸川区船堀四丁目の一部 |
| 用途 |
北棟:庁舎、駐車場 等 南棟:事務所、店鋪、公益施設、保育所、共同住宅 等 |
| 階数 |
北棟:地上21階 南棟:地上26階、地下1階 |
| 高さ |
北棟:約99m 南棟:約99m |
| 構造 |
北棟:ー 免震構造(中間免震層) 南棟:ー |
| 基礎工法 |
北棟:ー 南棟:ー |
| 総戸数 |
約400戸 |
| 敷地面積 |
北棟:約9,600㎡ 南棟:約7,300㎡ |
| 建築面積 |
北棟:約7,500㎡ 南棟:約5,400㎡ |
| 延床面積 |
北棟:約61,330㎡ 南棟:約58,500㎡ |
| 着工 |
北棟:2026年度 南棟:2026年度 |
| 竣工 |
北棟:2030年度 *開庁:2031年1月 南棟:2030年度 |
| 建築主 |
船堀四丁目地区市街地再開発組合 事業協力者:日鉄興和不動産株式会社、東京建物株式会社 |
| 設計 |
北棟:ー 南棟:ー |
| 施工 |
北棟:ー 南棟:ー |
| 最寄駅 |
都営新宿線「船堀」駅 |
| 備考 |
▼施設構成 1階~3階:アトリウム広場 1階:駐車場・バイク置場 2階~4階:駐車場 2階~3階:執務室(窓口) 4階:執務室(保健所等) ー免震層ー 5階~6階:機械設備関連諸室 7階~18階:執務室 19階~21階:議会 PH階~PHR会:ヘリポート
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位置図
区域図
配置図
出典:江戸川区
断面図
出典:江戸川区
イメージパース
出典:東京都
▼当初計画
出典:東京都
施設構成・イメージ
出典:江戸川区
新しい庁舎は、これからの100年にわたり安心して使い続けられる日本一の防災庁舎を目指しています。災害時には迅速で効率的な指令系統を構築し、地震や水害に強い中間層免震構造を採用しています。主要な機能は水害の影響を受けにくい2階以上に配置し、長期間の自立運用を可能にするバックアップ機能も備えています。さらに、屋上には大型ヘリポートを設置し、災害時の物資輸送や救助活動を支援します。こうした対策により、大規模な災害時でも行政機能をしっかりと維持し、区民の安全と安心を守ります。
出典:江戸川区
庁舎は区民やまちとしっかりつながり、新しい交流の場となるコミュニティ広場を設けています。庁舎の顔となる「協働・交流ゾーン」は、公園のように開かれた空間で区民の交流やコミュニティ形成の中心となることを目指しています。さらに、都市の景観と調和するデザインで、これからのまちづくりを牽引する役割も果たします。さまざまな世代や背景の方が気軽に訪れ、交流できる開かれた場として、区民のシビックプライドを高めることに貢献しています。
出典:江戸川区
共生社会を実現するために、ユニバーサルデザインを取り入れ、どなたでも利用しやすい庁舎としました。さらに、来庁しない利用も見据え、窓口や相談フロアは可変性に優れた設計を採用し、柔軟に対応できる体制を整えています。将来の組織改編や働き方の変化にも対応しやすく、質の高い行政サービスを提供する執務室も整備されています。このように、多様化する社会のニーズに応えながら、誰もが安心して利用できる庁舎を目指しています。
出典:江戸川区
新庁舎の設計にあたっては、『基本構想・基本計画』に基づき、「基本理念3」と設計方針を軸にしています。多様化し続ける社会のニーズを的確に捉え、誰もが安心して利用できる快適な環境を整えることを最重要視しています。新庁舎は単なる行政手続きの場所ではなく、区民の皆さまにとって身近で利用しやすいサービス拠点となることを目指しています。
そのために、全ての来庁者に優しいユニバーサルデザインを採用し、高齢者や障害者、子ども連れの方も快適に過ごせる空間づくりを徹底しています。さらに、この庁舎が地域社会の「共生」を体現し、将来の変化にも柔軟に対応できる施設となるよう、持続可能な設計を行っています。
出典:江戸川区
来庁される方々が安心して移動できるよう、待合スペースや廊下、共用部の幅は「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」や「東京都福祉のまちづくり条例」の基準に基づき十分に確保しています。子ども連れの方への配慮としては、広く利用しやすい相談室やキッズルームの設置に加え、パパ・ママ双方が使いやすいように授乳スペースやおむつ替えスペースを明確に分けたベビーケアルームも設けています。
車椅子利用者や高齢者のためには、窓口カウンターにローカウンターを併設し、ゆったりとしたエレベーターのサイズ設定や、議場の傍聴席に車椅子専用エリアを設置しました。さらに、大きめのチャイルドシート付き電動アシスト自転車にも対応した駐輪スペースも設けており、来庁者の多様な移動手段に配慮した設計となっています。
出典:江戸川区
新庁舎には、多機能で男女共用のバリアフリートイレを各階に設置し、車椅子利用者や異性介助者、オストメイト利用者など誰もが利用しやすい環境を整えています。特に来庁者の多い低層階にはトイレを複数個所設けて混雑を緩和します。さらに、性別に関わらず使える「だれでもトイレ」も各階に配置し、個室は通常より広く設計して防音にも配慮しています。
安全面では廊下からトイレ個室の出入りが見えないようにしつつ、万一長時間施錠状態が続く場合は防災センターに警報が届くシステムも導入しています。また、モニターサインで利用状況が一目で分かるようになっているため、安心して利用できる環境が整っています。男女別の一般トイレには、身だしなみを整えるためのパウダーコーナーも設置しています。
出典:江戸川区
江戸川区では手続きのオンライン化が進む中、将来的には「来庁しない庁舎」を目指しています。そのため、新庁舎は対面手続きとオンライン手続きの両方に対応可能な柔軟な施設構成となっています。低層階の2・3階には、来庁頻度の高い窓口や相談機能を集中させ、短時間での手続きがスムーズに行えるよう工夫しています。
2階は証明書の発行や転入・転出手続きに対応し、3階は福祉や子ども家庭の相談窓口を設置し、プライバシーに配慮した個別相談ブースも充実させています。また、2階と3階の執務室をつなぐ職員専用のコミュニケーション階段を設けることで、部署間の連携や情報共有が活性化し、サービス向上に繋げています。将来的な来庁者の減少や業務内容の変化にも対応できるよう、窓口や執務室のレイアウトは可変性を持たせて設計しています。
出典:江戸川区
庁舎の顔とも言えるエントランスは、地域の主要な歩行者動線であるグリーンロードや歩行者デッキ、コミュニティ広場と直結し、一目でわかる視認性の高い設計としています。1階・2階のエントランスにはデジタルサイネージや音声誘導装置を設置し、多様な来庁者が迷うことなく各窓口へ円滑に誘導される仕組みを整えています。
案内サインは多言語表記に加え、点字やピクトグラムなど言語を超えたビジュアル表示も積極的に導入し、障害のある方や外国語を話さない方も使いやすい配慮をしています。アトリウム広場には総合案内を配置し、誰でも必要な情報を簡単に得られるように工夫しました。このように、庁舎の入り口から館内までをトータルに考えたアクセス計画により、誰もが利用しやすく身近に感じられる庁舎づくりを進めています。
現地状況
北西側から見た船堀四丁目地区第一種市街地再開発事業の建設地の様子です。2024年9月撮影。
南東側から見た船堀四丁目地区第一種市街地再開発事業の建設地の様子です。
南東側から見た船堀四丁目地区第一種市街地再開発事業の建設地の様子です。
北東側から見た船堀四丁目地区第一種市街地再開発事業の建設地の様子です。
区域内には、地上12階、総戸数45戸、2002年2月竣工のマンション「ライフアップ船堀」が建っています。区域図を見ると、こちらも再開発区域内であることが確認できます。
Google Earth
最終更新日:2025年7月19日