(仮称)丸の内3-1プロジェクト (国際ビル・帝劇ビル建替計画)は、東京都千代田区丸の内三丁目に建設される地上29階、地下4階、高さ約155mの超高層ビルです。立地は、西側を日比谷通り、北側を丸の内4th St.、東側を丸の内仲通り、南側を丸の内 5th St.に囲まれた場所に位置しています。
既存建築物の「帝劇ビル」は、街区南西側に位置しており、東宝株式会社・公益財団法人出光美術館による所有、帝国劇場が入った地上9階、地下6階、延床面積39,419.80㎡、1966年9月竣工のビルとなっています。また、「国際ビル」は、街区の北西側から北東側、南東側に至るL字形状で建っており、三菱地所株式会社・一般社団法人日本倶楽部による所有の地上9階、地下6階、延床面積76,918.25㎡、1966年9月竣工のビルとなっています。
施設構成は、地下4階にDHCサブプラント、地下3階~地下2階に駐車場、地下1階~地上2階に商業施設、地下1階~地上3階に劇場「帝国劇場」、5階に美術館「出光美術館」、6階~29階にオフィスとなります。
建て替え後に新築されるビルにも帝国劇場や出光美術館が入るほか、低層部には屋上テラスが整備され、西側テラスからは皇居外苑を望みつつ屋内空間と合わせて様々なイベントが開催可能な施設となります。更に、帝国劇場ではバックステージツアーの導入により観光資源化を図り、出光美術館では多様な文化プログラムや子ども向け教育に活用できる機能が強化されます。また、建物内に帰宅困難者用の受け入れ空間を設置し、周辺の歩道拡幅や緑地整備を進め、公共的屋内空間を整備するものとされています。
帝国劇場の再整備では、ロビーホワイエの社交機能を強化し、快適で交流を促進する観劇空間を整備することで、観劇文化の裾野を広げます。また、出光美術館では展示エリアを拡充し、日本や東洋美術の魅力を国内外に発信するとともに、教育普及や文化発信プログラムを通じて美術館の価値を向上させます。
さらに、皇居外苑を望む低層屋上テラスを整備し、一般開放やMICEイベントでの活用を予定しています。都市景観面では、歴史を継承しつつ芸術文化を象徴する新たな景観を創出し、軒線やデザインの調和を図りながら、夜間も品格あるライティング計画を実現します。
新たな帝国劇場は、1911年の開場から続く歴史を受け継ぎながら、2025年2月の現劇場休館後、最新技術と快適性を追求した世界最高峰の劇場として生まれ変わります。設計は著名な建築家で法政大学教授の小堀哲夫氏が手がけ、現在設計が順調に進行中です。「THE VEIL」を建築コンセプトに掲げ、皇居や日比谷の自然を取り込みながら、観客に期待感を高める空間演出を目指します。
劇場は配置を90度回転し、正面性を高めたアプローチが特徴です。観客席は現在と同規模ながら、見やすい視界と快適性を重視した設計となり、すべての観客が楽しめる空間を提供します。また、舞台設備には世界レベルの最先端技術を導入し、演出の自由度を最大化。ロビーやホワイエの機能を強化し、劇場カフェを併設することで、観劇前後の時間も楽しめる場所となります。
アクセシビリティにも配慮し、1階客席への段差のないアクセスや地下鉄からの利便性を向上。すべての人々にとって「ここちよい帝劇」を実現し、日比谷の街と一体化する劇場を目指しています。この新たな帝国劇場は、格式と華やかさを備えた観劇体験を提供し、未来に向けた日本の象徴的な劇場として再生します。
また、6階~29階には高性能オフィスを配置し、低層部には劇場や美術館に加えて食やショッピングを楽しめる施設を設け、エリア全体の業務集積や賑わいを高めます。さらに、有楽町駅や日比谷駅と直結した快適な動線を整備し、駅改札を出た瞬間から街の雰囲気を感じられる空間を提供します。
(仮称)丸の内3-1プロジェクトは、内閣府国家戦略特別区域の都市再生プロジェクトとして、内閣総理大臣による区域計画の認定を目指し、東京都や千代田区の都市計画審議会などの手続きが進められています。大手町・丸の内・有楽町地区の高度な業務集積を強化し、日本の芸術文化を発展させる重要な拠点として、東京の国際競争力向上に寄与する計画です。
建築主は三菱地所株式会社、東宝株式会社、公益財団法人出光美術館、設計は株式会社三菱地所設計です。帝国劇場は2025年2月に休館し、2025年6月に都市計画の決定・告示が行われた後、既存建築物の解体、着工は2025年度、竣工は2030年度となっています。
周辺のJR「有楽町」駅西側一帯エリアの「丸の内仲通り南周辺地区」は、都市再生特別地区に指定し、規定の用途・容積率制限を適用除外にして新たなまちづくりを進める計画となっています。また、D街区からJR「有楽町」駅直下を東西に貫き、有楽町イトシア・有楽町マリオン方面まで幅員6~12m、延長約120mの地下通路が新設・整備されます。
「丸の内仲通り南周辺地区」の各街区と既存ビルは以下の通りです。
・A街区:帝劇ビル・国際ビル
・B街区:新東京ビル
・C街区:新国際ビル・新日石ビル
・D街区:有楽町ビル・新有楽町ビル
出典・引用元
・内閣府 国家戦略特区 第28回 東京都都市再生分科会 配布資料 資料1 都市再生特別地区(丸の内仲通り南周辺地区)都市計画(素案)の概要
・三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館 (仮称)丸の内3-1プロジェクト(国際ビル・帝劇ビル建替計画)始動
・三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館 「国際ビル」・「帝劇ビル」共同建替計画着手
・東宝株式会社 新・帝国劇場 設計者決定のお知らせ
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
概要
名称 |
(仮称)丸の内3-1プロジェクト (国際ビル・帝劇ビル建替計画) |
計画名 |
(仮称)丸の内3-1プロジェクト (国際ビル・帝劇ビル建替計画)/国際ビル・帝劇ビル共同建替計画(丸の内仲通り南周辺地区 A街区) |
所在地 |
東京都千代田区丸の内三丁目1番地1号 他 |
用途 |
事務所、店舗、劇場、美術館、駐車場、地域冷暖房施設 等 |
階数 |
地上29階、地下4階 |
高さ |
約155m |
構造 |
ー |
基礎工法 |
ー |
敷地面積 |
約9,900㎡ |
建築面積 |
ー |
延床面積 |
約176,000㎡ |
着工 |
2025年度 |
竣工 |
2030年度 |
建築主 |
三菱地所株式会社、東宝株式会社、公益財団法人出光美術館 |
設計 |
株式会社三菱地所設計 低層部外装デザイン:小堀哲夫氏 美術館設計デザイン:株式会社日建設計 |
施工 |
ー |
最寄駅 |
JR、東京メトロ「有楽町」駅、東京メトロ、都営地下鉄「日比谷」駅、JR、東京メトロ「東京」駅 |
備考 |
▼施設構成 *断面図より読み取り 地下4階:DHCサブプラント 地下3階~地下2階:駐車場 地下1階~地上2階:商業施設 地下1階~地上3階:劇場「帝国劇場」 4階:ー 5階:美術館「出光美術館」 6階~29階:オフィス |
位置図
区域図
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
断面図
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
イメージパース
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
施設構成・イメージ
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
「鳥瞰遠景」の完成予想パースです。
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
「低層部分」のイメージパースです。
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
「帝国劇場 正面エントランス」の完成予想パースです。
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
「帝国劇場」の完成予想パースです。
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
「出光美術館」の完成予想パースです。
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
「低層屋上」の完成予想パースです。
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
「南東角エントランス」の完成予想パースです。
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
「出光美術館(皇居方面を望む)」の完成予想パースです。
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
低層屋上テラスからの「眺望」のイメージパースです。
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
「地下・都営三田線「日比谷」駅改札付近より」の完成予想パースです。
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
「地下(駅まち空間)」の完成予想パースです。
出典:三菱地所株式会社/東宝株式会社/公益財団法人出光美術館
「夜景」の完成予想パースです。
出典:東宝株式会社
「帝国劇場」の外観完成予想パースです。
出典:東宝株式会社
「帝国劇場」の外観の完成予想パースです。
出典:東宝株式会社
「帝国劇場 エントランス」の完成予想パースです。
出典:東宝株式会社
「帝国劇場 エントランス」の完成予想パースです。
出典:東宝株式会社
「帝国劇場 劇場内」の完成予想パースです。
出典:有楽町まちづくりビジョン策定委員会
「地上・地下の空間構成」のイメージです。
出典:有楽町まちづくりビジョン策定委員会
有楽町エリアの「地下歩行者」ネットワークのイメージです。
現地状況
南西側から見た国際ビル・帝劇ビル共同建替計画(仮称)丸の内3-1プロジェクト (国際ビル・帝劇ビル建替計画)の建設地の様子です。
国際ビルと帝劇ビルを拡大した様子です。
南西側から見た(仮称)丸の内3-1プロジェクト (国際ビル・帝劇ビル建替計画)の建設地の様子です。
南西側から見た国際ビルと帝劇ビルを拡大した様子です。
南西側から見た(仮称)丸の内3-1プロジェクト (国際ビル・帝劇ビル建替計画)の建設地の様子です。
既存の帝劇ビルには、建物角部に「帝国劇場」のロゴが取り付けられています。
周辺の建物も含め、軒の高さは100尺で揃えられており、美しい景観が形成されています。
北西側から見た(仮称)丸の内3-1プロジェクト (国際ビル・帝劇ビル建替計画)の建設地の様子です。
南東側から見た(仮称)丸の内3-1プロジェクト (国際ビル・帝劇ビル建替計画)の建設地の様子です。
北東側から見た(仮称)丸の内3-1プロジェクト (国際ビル・帝劇ビル建替計画)の建設地の様子です。
国際ビルヂングの銘板です。
帝国劇場の屋内玄関の様子です。昭和の劇場感漂う入口となっています。
帝国劇場のエントランスです。
国際ビルと帝劇ビルは、外から見ると境目がわかりませんが、屋内から見ると、このように境目があることがはっきり確認できます。詳しくは→丸の内LOVEWalker 都市開発マニアが探索!「丸の内ダンジョン」第6回無くなる前に見に行こう! 地下に隠された昭和大開発時代の遺産
国際ビルと帝劇ビルの境目を地下駐車場で見た様子です。防火シャッターがあり、別々の防火区画となっていることがわかります。
国際ビル・帝劇ビルの階段の様子です。昭和の古めかしい雰囲気が漂います。
帝劇ビルの地下及び低層階のフロア構成・案内です。
有楽町駅東西地下通路整備
「丸の内仲通り南周辺地区としてA街区~D街区のビルの建て替えのみならず、隣接するJR「有楽町」駅の直下にD街区(有楽町ビル・新有楽町ビル)と有楽町イトシア西側の地下通路とを結ぶ延長約120mの地下通路も新設されます。地下通路は写真右奥に接続される予定です。
現地にて撮影
現在の有楽町駅東側、有楽町イトシアや有楽町マリオン周辺の地下通路網の配置図です。
出口Bと記載された辺りに新設される有楽町駅東西地下通路が接続されます。
現地にて撮影
丸の内エリア全体の地下通路図に有楽町駅東西地下通路を加筆した地図です。「丸の内ダンジョン」と呼ばれる大手町から丸の内、有楽町、八重洲や銀座まで至る地下通路網が更に拡大し、複雑化します。
現地にて撮影
有楽町付近を拡大し、「東西地下通路」を黄緑色で加筆した地下通路図です。
有楽町駅東口の地下の様子です。
Google Earth
最終更新日:2025年1月16日