名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業は、愛知県名古屋市中村区名駅一丁目に建設される地上29階、高さ170mの「南棟」と、地上31階、高さ172mの「北棟」から構成される超高層ビルです。立地は、東側を名駅通、西側を名鉄・JRの線路に挟まれ、中間に太閤通りを挟んだ名鉄名古屋本線「名鉄名古屋」駅直上の南北約400mの区域に位置しています。
再開発区域内には、名鉄百貨店本店本館が入る地上10階、地下2階の「名鉄ビル」、近鉄パッセが入る地上10階、地下1階の「名古屋近鉄ビル」、名鉄百貨店本店メンズ館や名鉄グランドホテルが入る地上18階、地下1階、高さ64.1mの「名鉄バスターミナルビル」、LABI名古屋が入る地上11階、地下1階の「大手町建物名古屋駅前ビル」、太閤通を挟んで南側に建つ地上8階、地下2階の「名鉄レジャックビル」、地上17階、地下1階、高さ75mの「日本生命笹島ビル」、「名駅南地域エネルギーセンター(名鉄バスセンター出入口)」の6棟の既存建築物が建ち並んでいます。
名古屋駅地区再開発計画は、リニア中央新幹線の開業と名古屋市のスーパーターミナル化を好機と捉え、都市の魅力向上と名鉄グループの成長を目的に推進されます。この計画の意義として、エリアの価値向上や賑わいの創出、移動の利便性向上、スーパーモビリティハブ機能の確立、名鉄ブランドの価値向上が挙げられます。また、リニア関連プロジェクトとの整合性を図りながら、名鉄名古屋駅の拡張(4線化)を含む交通拠点の形成や、周辺エリアとの共同開発を進め、都心部全体の活性化を目指すものとされています。
再開発では、まちに開かれた設計を採用し、賑わいを創出しながら人中心のウォーカブルなまちづくりを実現します。また、名古屋駅を起点に都心回遊性を向上させ、再開発エリアだけでなく沿線・地域全体の価値を最大化することで、新たなランドマークの形成を目指す計画です。
施設構成は、「南棟」の地下部分に駅、駐車場等、低層部分にバスターミナル、商業、駐車場等、中層部分にオフィス、高層部分にホテルが配置され、「北棟」の地下部分に駅、商業、駐車場等、低層部分に商業、駐車場等、中層~高層部分にオフィスが配置されます。
名鉄名古屋駅の再整備では、4線化を含む機能強化を図り、鉄道ネットワークの充実と公共交通の利用促進を目指すほか、中部国際空港アクセスの向上や地域交通拠点の形成といった社会的要請にも対応します。主な取り組みとして、4線化による空港アクセスホームの設置や駅空間の整備による利便性向上、リニアなど他の交通機関とのスムーズな乗換環境の整備、バリアフリー化による利便性向上、新たな改札口設置による名駅南地区へのアクセス強化が挙げられます。さらに、ホームドアの導入や駅構内の拡張により、安全性や災害対応力の強化も図られます。
建築主は名古屋鉄道株式会社、名鉄都市開発株式会社、日本生命保険相互会社、近畿日本鉄道株式会社、近鉄不動産株式会社です。名鉄レジャックビルなどの建っていた南側街区の既存建築物解体着手が2023年6月1日、既存建築物解体着手は2026年度、着工は2027年度、竣工は南棟(1期)が2033年度、北棟(2期)が2040年代前半となっています。
出典・引用元
・名古屋鉄道株式会社 名古屋駅地区再開発計画概要について
過去の建設状況
→過去の建設状況
概要
名称 |
名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業 |
計画名 |
名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業 |
所在地 |
愛知県名古屋市中村区名駅一丁目2番他 |
用途 |
商業、オフィス、ホテル、鉄道駅、バスターミナル |
階数 |
南棟:地上29階 北棟:地上31階 |
高さ |
南棟:170m 北棟:172m |
構造 |
ー |
基礎工法 |
ー |
客室数 |
ー |
敷地面積 |
約32,700㎡ |
建築面積 |
ー |
延床面積 |
約520,000㎡ |
着工 |
2027年度 既存建築物解体着手:2026年度 既存建築物解体着手*名鉄レジャックビル:2023年6月1日 |
竣工 |
1期:2033年度 2期:2040年代前半 |
建築主 |
名古屋鉄道株式会社、名鉄都市開発株式会社、日本生命保険相互会社、近畿日本鉄道株式会社、近鉄不動産株式会社 |
設計 |
ー |
施工 |
ー |
最寄駅 |
名鉄「名鉄名古屋」駅、近鉄「近鉄名古屋」駅、JR、名古屋市営地下鉄、あおなみ線「名古屋」駅 |
備考 |
▼施設構成 🔻南棟 地下部分:駅、駐車場等 低層部分:バスターミナル、商業、駐車場等 中層部分:オフィス 高層部分:ホテル
🔻北棟 地下部分:駅、商業、駐車場等 低層部分:商業、駐車場等 中層~高層部分:オフィス
▼既存施設営業終了時期 2026年2月28日:名鉄百貨店本店営業終了 2026年3月22日:名鉄グランドホテル営業終了 2026年3月中:名鉄バスセンター営業終了※名古屋駅周辺で代替機能を確保予定
▼当初計画(2017年3月時点) ・地上30階、高さ約160~180m程度、南北約400mの巨大な壁型超高層ビル(2022年度着工、2027年度竣工予定) ▼当初計画(2023年11月時点) ・高さ約180m、3棟構成、延床面積約500,000㎡ (2030年代前半竣工予定) |
位置図
区域図
出典:名古屋鉄道株式会社
断面図
出典:名古屋鉄道株式会社
イメージパース
出典:名古屋鉄道株式会社
▼当初計画(2017年3月時点)
出典:名古屋鉄道株式会社
▼当初計画(2023年11月時点)
施設構成・イメージ
出典:名古屋鉄道株式会社
「地上部の賑わいイメージ」のイメージパースです。
出典:名古屋鉄道株式会社
「2期リニューアル後(4線化)」のイメージです。
出典:名古屋鉄道株式会社
「空港アクセスホーム」のイメージパースです。
名鉄レジャックビル跡地2025年2月現地状況
北東側から見た解体工事が完了した名鉄レジャックビル跡地の様子です。名鉄レジャックは、1972年11月に開業した名鉄グループのメルサによる地上8階、地下2階の商業施設でしたが、2023年3月31日に閉館し、解体されました。
南東側から見た名鉄レジャックビル跡地の様子です。
北西側から見た名鉄レジャックビル跡地の様子です。
南西側から見た名鉄レジャックビル跡地の様子です。解体が完了し、モード学園スパイラルタワーズ以北の超高層ビル群が見えるようになりました。
南側から見た名鉄レジャックビル跡地の様子です。
現地状況
東側から見た名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業の計画地の様子です。
再開発区域の既存建築物のうち、最も北側に建つ名鉄百貨店本店本館が入る地上10階、地下2階の「名鉄ビル」の様子です。
名鉄ビルの地下には「名鉄名古屋」駅があります。
「名鉄名古屋」駅は、名鉄名古屋本線の駅ですが、名古屋本線のほかにも犬山線や常滑線、空港線、河和線、津島線などに直通する一日800本以上の列車が停車する名鉄のターミナル駅となっています。3面2線、乗降客数22万5,163人/日の駅ですが、線路が上下1本ずつしかないため、再開発を機に上下2本ずつに倍増されます。
「名古屋近鉄ビル」と「名鉄バスターミナルビル」の様子です。
近鉄パッセが入る地上10階、地下1階の「名古屋近鉄ビル」の様子です。
名古屋近鉄ビルの地下には、近鉄名古屋線「近鉄名古屋」駅の近鉄正面口があります。
名鉄百貨店本店メンズ館や名鉄グランドホテルが入る地上18階、地下1階、高さ64.1mの「名鉄バスターミナルビル」の様子です。
名鉄バスターミナルビルは1967年10月竣工で、高さは64.1mあり、高さ60m超の超高層建築物です。
南西側から見た名鉄バスターミナルビルの様子です。
1階の名駅通沿いには待ち合わせスポットにもなっている「ナナちゃん人形」があります。
LABI名古屋が入る地上11階、地下1階の「大手町建物名古屋駅前ビル」の様子です。
太閤通です。再開発区域はこの太閤通の南北に渡って広がり、太閤通直上にはバスターミナルや空中回廊が配置される計画となっています。
地上8階、地下2階の「名鉄レジャックビル」の様子です。
北西側から見た名鉄レジャックビルの様子です。
地上17階、地下1階、高さ75mの超高層ビル「日本生命笹島ビル」の様子です。再開発区域の南側は一旦ここで区切れ、更に南側の駿台予備学校名古屋校は再開発区域外になります。
そして更に南へ進むと名鉄バスセンター出入口がある「名駅南地域エネルギーセンター」が建っており、こちらは再開発区域に含まれます。
ミッドランドスクエア展望台から見た名鉄名古屋駅周辺地区再開発事業の計画地の様子です。
Google Earth
最終更新日:2025年3月25日