大手町ゲートビルディングは、東京都千代田区内神田一丁目に建つ地上26階、地下3階、高さ128.00mの超高層ビルです。立地は、北側を都道402号、東側を大名小路、南側を日本橋川に囲まれた「コープビル」と「日立鎌倉橋ビル」跡地に位置しています。
再開発区域内では、建物の老朽化や防災性の低下、日本橋川と首都高速道路による神田・大手町エリアの分断、歩行者回遊性の不足などが課題となっていました。これらを踏まえ、日本橋川を横断する人道橋と連続したオープンスペースや歩行者ネットワークを整備し、神田・大手町両エリアをつなぐ水辺の賑わい空間を創出する計画が進められました。土地の高度利用と都市機能の更新を図り、ビジネス・産業支援機能の導入、防災性・環境性能の向上などを通じて、都市再生に貢献することを目的として再開発が進められました。
施設構成は、地下3階~地下1階に駐車場、DHC施設、地上1階~3階に店舗、3階にオフィスロビー、2階~4階に農と食のビジネス・産業支援施設「MINORIWA」、クラフトサケの醸造所「haccoba 内神田醸造所」、5階~25階にオフィス、18階に就業者ラウンジ「GATE LOUNGE」、サービスオフィス「xLINK大手町ゲートビル」、PH1階~PH2階に機械室となります。また、街区西側に交流広場「内神田仲通り広場」が整備され、日本橋川には歩行者専用の人道橋「仲通り散歩橋」と防災船着場「鎌倉河岸船着場」が新設されています。
建築主は三菱地所株式会社、設計は株式会社三菱地所設計、施工は大成建設株式会社です。着工は2022年7月1日、竣工は2026年7月31日となっています。
過去の建設状況
→過去の建設状況
概要
| 名称 |
大手町ゲートビルディング |
| 計画名 |
(仮称)内神田一丁目計画/内神田一丁目地区第一種市街地再開発事業 |
| 所在地 |
地名地番:東京都千代田区内神田1丁目1番31番11、12、13、14、15 住居表示:東京都千代田区内神田一丁目1番16号 |
| 用途 |
事務所、店舗、ビジネス支援施設、駐車場 他 |
| 階数 |
地上26階、地下3階、塔屋2階 |
| 高さ |
128.00m |
| 構造 |
鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造 |
| 基礎工法 |
直接基礎 |
| 敷地面積 |
標識:5,105.70㎡ 竣工時ニュースリリース:5,105.74㎡ |
| 建築面積 |
標識:3,350.00㎡ |
| 延床面積 |
標識:85,400.00㎡ ニュースリリース:85,398.71㎡ |
| 着工 |
2022年7月1日 既存建築物解体着手:2021年4月15日 |
| 竣工 |
2026年7月31日 |
| 建築主 |
三菱地所株式会社 |
| 設計 |
株式会社三菱地所設計 |
| 施工 |
大成建設株式会社 |
| 最寄駅 |
東京メトロ、都営地下鉄「大手町」駅、JR、東京メトロ銀座線「神田」駅 |
| 備考 |
▼施設構成 地下3階~地下1階:駐車場、DHC施設 地上1階~3階:店舗 3階:オフィスロビー 2階~4階:農と食のビジネス・産業支援施設「MINORIWA」、クラフトサケの醸造所「haccoba 内神田醸造所」 5階~25階:オフィス 18階:就業者ラウンジ「GATE LOUNGE」、サービスオフィス「xLINK大手町ゲートビル」 PH1階~PH2階:機械室 |
位置図
標識
出典∶内閣府
区域図
出典∶内閣府
配置図
出典∶内閣府
断面図
出典∶東京都
イメージパース
出典∶三菱地所株式会社
北東側から見た大手町ゲートビルディングの様子です。国内外の大企業が集積する大手町エリアと、商店街や飲食店などの多様な都市文化が息づく神田エリアの結節点に立地しています。オフィスを中心に、商業施設、農と食の産業支援施設、フレキシブルオフィス、就業者ラウンジなど多彩な機能を集積するとともに、約1,000㎡の「内神田仲通り広場」や日本橋川沿いの歩行者空間も整備されました。
さらに、日本橋川に人道橋「仲通り散歩橋」を新設し、大手町仲通りから神田方面へと歩行者動線を延伸。神田と大手町の間に新たな回遊軸を形成することで、これまで日本橋川や首都高速道路などによって分断されていた両エリアをつなぎ、まち全体の回遊性や賑わいの向上を図っています。
北東側から見た大手町ゲートビルディングの低層部分の様子です。
エントランス部分は、角が削ぎ落とされたような形状となっているガラスファサードが特徴的です。
東側エントランスと公開空地の広場です。
東側エントランスです。
北側から見上げた大手町ゲートビルディングの様子です。
北西側から見上げた大手町ゲートビルディングの様子です。
北西側から見た大手町ゲートビルディングの様子です。
西側から見た大手町ゲートビルディングの様子です。
北西側から見た大手町ゲートビルディングの低層部分の様子です。
西側エントランスの様子です。木目調の軒天井が大きく張り出したデザインが特徴となっています。
西側エントランスです。
南西側から見上げた大手町ゲートビルディングの様子です。
南西側から見た大手町ゲートビルディングの様子です。
南東側から見た大手町ゲートビルディングの様子です。
南東側から見た大手町ゲートビルディングの高層部分の様子です。
南東側から見た大手町ゲートビルディングの様子です。
南東側から見た大手町ゲートビルディングの低層部分の様子です。
日本橋川沿いの低層部分には、壁面緑化が施されています。
*現地にて撮影
大手町ゲートビルディングの配置図です。
*現地にて撮影
大手町ゲートビルディングの断面図です。
商業施設
低層部分には、オフィスワーカーや地域住民、来街者が利用できる商業施設が整備されました。1階には「エリックサウス」や「和食日和 おさけと 大手町」、「焼肉 塩ホルモン 好ちゃん 神田本店」、「ドトールコーヒーショップ 大手町ゲートビルディング店」、「ブラッスリーローデンバッハ」など、ビストロ、南インド料理、和食、焼肉、カフェ、ビアホールといった多様な飲食店が出店しています。
2階にはクラフトサケ醸造所「haccoba 内神田醸造所」、3階には「デイリーヤマザキ 大手町ゲートビル店」を配置。広場や日本橋川沿いの水辺空間に面して路面型の飲食店を設けることで、建物内部だけでなく周辺の歩行者空間にも賑わいが広がる構成としています。
農と食のビジネス・産業支援施設「MINORIWA」
2~4階には、農と食のビジネス・産業支援施設「MINORIWA(ミノリワ)」が整備されました。三菱地所が2022年から取り組んできた「めぐるめくプロジェクト」を発展させる活動拠点で、農業・水産・畜産、加工、飲食、小売など、農と食に関わる多様なプレイヤーが集まり、互いの知識や技術、人材、ネットワークなどを共有しながら共創を生み出す場となります。
施設内には会員専用のラウンジ・交流スペースやイベントスペースなどを設け、地域の生産者と都市の企業・生活者を結びつけることで、新たな食の価値やビジネスの創出を目指すものとしています。
さらに2階には、クラフトサケの醸造所「haccoba 内神田醸造所」が2026年9月に開業。約72.6㎡の醸造所では、日本酒の醸造技術をベースにフルーツやハーブなどを取り入れたクラフトサケを製造します。農と食に関するラボ・ショールーム機能も備え、地域の生産者や加工者、大丸有地区の企業・飲食店などとのコラボレーションを通じ、日本の食文化を発信する新たな拠点となります。
就業者ラウンジ「GATE LOUNGE」
18階には、入居者専用の就業者ラウンジ「GATE LOUNGE」が整備されています。貸会議室やフォーカスブースなどを備え、仕事や打ち合わせだけでなく、リフレッシュやテナント同士の交流にも利用できるワーカー向けの共用空間となっています。
同じ18階には、三菱地所が展開するフレキシブルオフィス「xLINK大手町ゲートビル」も設けられています。約11坪から約157坪までの全7区画を用意し、就業者ラウンジに直結した区画や、給排水設備を備えたコミュニティスペース付きのハーフセットアップオフィスなど、多様な企業ニーズに対応します。
内装や弱電工事などをあらかじめ整えることで、入居時の工事負担を抑え、スピーディーに業務を開始できる環境を実現。大企業から中小企業、スタートアップまで、さまざまな企業の働き方を支えるフレキシブルなオフィス機能となっています。
オフィス
8~25階には一般賃貸オフィスを配置し、基準階面積約620坪(2,049.59㎡)の大規模な無柱空間を確保しています。基準天井高2,900mm、基準床荷重500kg/㎡、OAフロアを備え、多様なレイアウトやワークスタイルに対応できるオフィス空間としています。
一般賃貸オフィスは竣工時点で成約率100%となり、満床での稼働を実現しました。大手町駅や神田駅から徒歩圏内という交通利便性に加え、低層部の商業施設、18階のGATE LOUNGEやxLINKなどのワーカーサポート機能も利用できることから、多様な企業のビジネス活動を支える大規模オフィス拠点となっています。
防災船着場「鎌倉河岸船着場」
南側の日本橋川には、防災船着場「鎌倉河岸船着場」が整備されました。江戸時代にこの一帯が「鎌倉河岸」と呼ばれ、食材や資材などの荷揚げ場として栄えた歴史を踏まえ、その名称を受け継いでいます。
船着場はバリアフリーに配慮してスロープでアクセスできる構造とし、災害時には人員や物資を輸送する水上ネットワークの拠点として活用。平常時には舟運や観光利用などを想定し、日本橋川の水辺空間に新たな人の流れを生み出します。また、大手町側の防災拠点などと連携することで、神田・大手町エリアの防災性向上にも寄与する施設となっています。
仲通り散歩橋
日本橋川には、歩行者専用の人道橋「仲通り散歩橋」が新設されています。橋長約42m、幅約9.6m、有効幅員約6mの規模で、大手町仲通りから神田エリアへと連続する歩行者動線を形成しています。これまで日本橋川や首都高速道路などによって分断されていた神田・大手町間を直接つなぐことで、両エリアの回遊性を高めるとともに、丸の内仲通りから大手町を経て神田へと続く新たな歩行者ネットワークを構築します。
2026年7月31日に完成し、同日には開通式を開催。千代田区へ引き渡され、同日午後4時から通行可能となりました。「散歩」という名称には、ウォーカブルなまちづくりへの期待と、人道橋であることの分かりやすさが込められています。
交流広場「内神田仲通り広場」
敷地西側には、約1,000㎡の交流広場「内神田仲通り広場」が整備されています。神田エリアに不足していたまとまった公共的なオープンスペースを確保し、地域住民やワーカー、来街者が交流できる新たなまちの居場所を創出しています。
広場には、イベントなどに合わせて配置を変更できる「ムービングファニチャー」を設置し、さまざまな用途に柔軟に対応できる空間としています。また、日本橋川沿いの「内神田川端緑道」ともつながり、建物、広場、水辺を一体的に活用できる歩行者空間を形成しています。
商業施設の飲食店から広場や水辺に向けてテラス空間が広がることで、オフィスワーカーだけでなく地域や来街者も滞在しやすい、開放的な賑わいの拠点となります。
歩行者ネットワーク
内神田一丁目地区第一種市街地再開発事業では、大手町・丸の内エリアと神田エリアをつなぐ歩行者ネットワークの強化を大きなテーマとしています。日本橋川に「仲通り散歩橋」を架けることで、大手町仲通りから神田側へ歩行者動線を延伸し、丸の内仲通りから大手町、神田へと続く南北方向の回遊軸を形成しました。
さらに、大手町ゲートビルディング北側の千代田区道558号線では無電柱化・美装化、区道549号線では美装化を実施。東側エントランス前では鎌倉橋の橋詰用地も美装化し、丸の内シャトルの乗降場を新設しています。西側の「内神田仲通り広場」や日本橋川沿いの「内神田川端緑道」も歩行者空間として整備することで、建物単体ではなく周辺の道路・橋・広場・水辺を一体的につなぎ、神田エリア全体のウォーカビリティと回遊性の向上を図っています。
地域冷暖房(DHC)
大手町ゲートビルディングでは、神田エリアの環境負荷低減と持続可能な都市インフラの構築に向けて、地域冷暖房(DHC)ネットワークの整備も進められました。
大手町エリアで従来から展開されている地域冷暖房システムを、日本橋川の川底の下を通る洞道によって神田エリアまで延伸。河川を横断してエネルギーネットワークを接続することで、高効率な熱源を活用できる地域冷暖房基盤を構築しています。
出典∶三菱地所株式会社/内閣府
さらに、将来的なエネルギーネットワークの拡張に対応できる立坑も整備しており、今後の周辺エリアへの展開も見据えたインフラとなっています。大手町と神田を建物や道路だけでなく、エネルギー面でもつなぐことで、地域全体の環境負荷低減と持続可能なまちづくりに貢献する取り組みです。
大手町ゲートビルディングが建つ日本橋川沿いは、江戸時代に「鎌倉河岸」と呼ばれ、江戸城築城の資材や食材などが荷揚げされる物流拠点として発展した歴史を持つ場所です。その後、周辺では市場や屋台、居酒屋、蕎麦などの食文化が育まれ、神田ならではの都市文化が形成されてきました。
大手町ゲートビルディングでは、地域の歴史を受け継ぎながら、農と食の産業支援施設「MINORIWA」やクラフトサケの醸造所「haccoba 内神田醸造所」を導入。農業・食産業の担い手と都市の企業や生活者をつなぎ、新たな価値やビジネスを生み出す拠点を目指たものとなっています。
また、防災船着場「鎌倉河岸船着場」の整備や、帰宅困難者の一時滞在施設、地域冷暖房ネットワークの延伸など、防災・環境面の都市基盤も強化されました。歴史、商業、ビジネス、食、交流、水辺、防災といった多様な機能を組み合わせ、大手町と神田をつなぐ「新たな都市のゲート」となることを目指した複合開発となっています。
最終更新日:2026年8月17日