三郷駅前地区第一種市街地再開発事業は、愛知県尾張旭市三郷町栄で計画されている地上23階、高さ89.1mの超高層タワーマンションです。立地は、名鉄瀬戸線「三郷」駅の南側一帯、「三郷市場」跡地や駐車場、雑居ビルなどが建ち並ぶ場所に位置しています。
尾張旭市唯一の商業地であり、名古屋大都市圏郊外の駅前商業地でありながら、駅前広場、道路などの都市基盤の脆弱さや交通機能の不足、建物の老朽化や青空駐車場などの低未利用地化の進行、地域商業の活力低下などの課題を抱えていました。これらの課題解決を目的として市街地再開発事業が進められることとなり、駅前広場、道路、オープンスペースなどの都市基盤と駅前立地を活かした、にぎわいを創出する商業施設、地域交流の核となる公共公益施設、まちなか居住を推進する都市型住宅などを一体的に整備することにより、交通結節機能を強化するとともに、拠点性の強化が図られることとなりました。
施設構成は、地上23階、高さ89.1mの「三郷駅前地区第一種市街地再開発事業 A棟」の1階~2階に商業施設、公共駐輪場、広場(ピロティ)、荷捌、通路、3階に住宅エントランス、商業施設、公共公益施設、通路、4階に住宅共用、公共公益施設、ピット階にピット、5階~23階に住宅、地上4階、高さ17.2mの「三郷駅前地区第一種市街地再開発事業 B棟」の1階~4階に駐車場、地上3階、高さ20.6mの「三郷駅前地区第一種市街地再開発事業 C棟」の1階に駐車場、2階~3階に商業施設、業務施設となります。また、延長約80m、駅前広場 約2,500㎡の「幹線街路:3・5・541三郷駅前線」、区7-1号道路、三郷駅自由通路及び直結デッキとなる「特10-1号」の整備も行われます。
再開発事業に合わせて、三郷駅前地区再開発事業区域とその周辺エリアについて、市民が考える具体的な駅前空間を提案し、その実現を目指して活動していくコミュニティ「35(さんごう)フレンズ」が結成されています。また、三郷駅前の再開発を中心として市民の想いや実現したいことをサポートするための尾張旭市と愛知県立芸術大学が共同で行うまちづくり支援プロジェクト「三郷駅前まち育てプロジェクト」も始動しており、三郷駅前の再開発のみならず、三郷駅周辺のまちの活性化が進められています。
建築主は三郷駅前地区市街地再開発組合、事業協力者は三菱地所レジデンス・フージャースコーポレーション共同体、一般業務代行者がRIA・オオバ共同体です。2021年8月に都市計画決定、2023年7月に市街地再開発組合設立、2024年度に権利変換計画認可となっており、既存建築物の解体着手は2024年度、着工は2025年10月、竣工は2028年3月となっています。なお、資材高騰や建設業の人手不足等の理由から、事業完了が延期になる見込みとなりました。
出典・引用元
・尾張旭市 三郷駅周辺まちづくり
・三郷駅前まち育てプロジェクト
・三菱地所レジデンス株式会社/株式会社フージャースコーポレーション 「三郷駅前地区第一種市街地再開発事業」 市街地再開発組合設立のお知らせ
・三菱地所レジデンス株式会社/株式会社フージャースコーポレーション 「三郷駅前地区第一種市街地再開発事業」事業協力に関する協定締結
・中日新聞 尾張旭・三郷駅前の再開発、28年度完了は困難に 資材高騰・人手不足影響
過去の建設状況
概要
名称 | 三郷駅前地区第一種市街地再開発事業 |
計画名 | 三郷駅前地区第一種市街地再開発事業 |
所在地 | 愛知県尾張旭市三郷町栄48番ほか |
用途 | A棟:商業施設、業務施設、公共公益施設、駐輪場、共同住宅 B棟:駐車場 C棟:商業施設、業務施設 |
階数 | A棟:地上23階、塔屋2階 B棟:地上4階、塔屋1階 C棟:地上3階、塔屋1階 |
高さ | A棟:89.1m (建物高さ:82.6m、軒高:81.7m) B棟:17.2m (建物高さ:16.1m) C棟:20.6m (建物高さ:17.9m、軒高:17.0m) |
構造 | A棟:鉄筋コンクリート造、鉄骨造 B棟:鉄骨造 C棟:鉄骨造 |
基礎工法 | ー |
総戸数 | 約130戸 |
敷地面積 | 施行地区の面積:約1.1ha 約7,260㎡ A棟:約3,980㎡ B棟:約2,400㎡ C棟:約880㎡ |
建築面積 | 約4,970㎡ A棟:約2,630㎡ B棟:約1,730㎡ C棟:約610㎡ |
延床面積 | 約29,970㎡ A棟:約21,440㎡ B棟:約6,680㎡ C棟:約1,850㎡ |
着工 | 2025年10月 解体着手:2024年度 |
竣工 | 2028年3月 |
建築主 | 三郷駅前地区市街地再開発組合 事業協力者:三菱地所レジデンス・フージャースコーポレーション共同体 (三菱地所レジデンス株式会社、株式会社フージャースコーポレーション) |
設計 | 一般業務代行者:RIA・オオバ共同体 (株式会社アール・アイ・エー、株式会社オオバ) |
施工 | ー |
最寄駅 | 名鉄瀬戸線「三郷」駅 |
備考 | ▼施設構成 ▽三郷駅前地区第一種市街地再開発事業 A棟 1階~2階:商業施設、公共駐輪場、広場(ピロティ)、荷捌、通路 3階:住宅エントランス、商業施設、公共公益施設、通路 4階:住宅共用、公共公益施設 ピット階:ピット 5階~23階:住宅 ▽三郷駅前地区第一種市街地再開発事業 B棟 1階~4階:駐車場 ▽三郷駅前地区第一種市街地再開発事業 C棟 1階:駐車場 2階~3階:商業施設、業務施設 ▼道路 幹線街路:3・5・541三郷駅前線 (延長約80m、駅前広場 約2,500㎡) その他:区7-1号 (延長約20m) その他:特10-1号 (延長約35m 自由通路) ▼駐車場 B街区:駐車台数約260台、面積約6,680㎡ C街区:駐車台数9台、面積約450㎡ ▼当初計画(2018年時点) 地上18階程度 ▼当初計画(2021年時点) 地上22階、高さ83.0m、延床面積 約32,300㎡ |
位置図
区域図
配置図
▼地上レベル
▼デッキレベル
断面図
現地状況
南西側から見た三郷駅前地区第一種市街地再開発事業の計画地の様子です。2022年4月撮影。
既存建築物には複数の中低層雑居ビルや瀬戸信用金庫 三郷支店などが建ち並んでいます。
南東側から見た三郷駅前地区第一種市街地再開発事業の計画地の様子です。
「三郷市場」跡地は暫定的に駐輪場として活用されています。
北東側から見た三郷駅前地区第一種市街地再開発事業の計画地の様子です。
名鉄瀬戸線北側は今回の再開発事業の区域からは外されており、2期事業として北口駅前広場整備などが構想されています。
「三郷」の北改札口とタクシー乗り場の様子です。こちらは2期区域となっています。
名鉄瀬戸線「三郷」駅の様子です。「さんごう」と読みます。
駅周辺は駅前商業地が形成されており、商業ビルや高層マンションが建ち並ぶ都市景観となっています。
再開発区域南西側には大型ショッピングセンターの「イトーヨーカドー尾張旭店」があります。なお、2025年1月19日にイトーヨーカドー尾張旭店は閉店し、2025年2月20日に食品スーパー「ロピア」を運営するOICグループによる大規模商業施設「CiiNACiiNA尾張旭店(仮称)」として一部テナントが再開業する見込みです。
イトーヨーカドー尾張旭店から見た三郷駅周辺の様子です。
Google Earth
最終更新日:2024年9月26日