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JPタワー

JPタワーは、東京都千代田区丸の内二丁目に建つ地上38階、地下4階、高さ200.000mの超高層ビルです。立地は、東京駅丸の内南口の南側、北側から東側にかけて都道407号、西側を大名小路に囲まれた旧「東京中央郵便局」跡地に位置しています。

日本郵政グループが2007年10月の民営化を機に、経営基盤の強化と不動産の有効活用を目的として進めた事業の一環として建設されています。老朽化や容積率の未活用が課題だった旧東京中央郵便局の敷地を再整備し、収益性向上と地域貢献を両立させることを目指したものです。首都・東京の玄関口にふさわしい都市機能の導入や、地上・地下の歩行者ネットワークの充実を図るとともに、初期モダニズム建築として評価の高い旧局舎を可能な限り保存・再現する方針が採られました。また、建築基準法第57条の2に基づき、東京駅丸の内駅舎の容積を移転して特例容積率1,520%を適用し、敷地の有効活用を実現しています。

施設構成は、地下4階に地域冷暖房施設「JPタワーサブプラント」、地下3階から地下2階に駐車場、地下1階から地上6階に商業施設「KITTE(キッテ)」、2~3階にミュージアム「インターメディアテク」、4階に旧東京中央郵便局長室、4階から5階に多目的ホール「JPタワー ホール&カンファレンス」、6階に屋上庭園「KITTEガーデン」およびオフィスサポート、8階から38階にオフィスとなります。デザインは、低層部では保存された、旧東京中央郵便局舎を活かし、白く塗られた躯体の切断面や八角形の柱など構造体を大胆に露出。三角形のアトリウムやシースルー太陽電池モジュールにより、開放感と環境性能を両立しています。高層部は建築家ヘルムート・ヤーン設計によるガラスカーテンウォールの洗練された外観で、白亜のタイルと漆黒のサッシの対比が印象的。折り紙をモチーフにしたV字型ファサードが特徴となっています。

建築主は日本郵便株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、三菱地所株式会社、設計は株式会社三菱地所設計、施工は大成建設株式会社です。着工は2009年11月、竣工は2012年5月31日となっています。


概要

名称 JPタワー
商業施設名:KITTE (キッテ)
計画名 旧東京中央郵便局敷地再整備計画/JPタワー(仮称)
所在地 東京都千代田区丸の内二丁目7番2
用途 事務所、店舗、郵便局、集会場、展示場
階数 地上38階、地下4階、塔屋3階
高さ 200.000m (軒高:189.150m)
構造 地上:鉄骨造
地下:鉄骨鉄筋コンクリート造
高層棟:制震構造 (アンボンドブレース、粘性体制震壁)
低層棟:免震構造 (積層ゴム、鉛プラグ入り積層ゴム、すべり支承、オイルダンパー)
基礎工法 直接基礎
敷地面積 11,633.87㎡
建築面積 8,491.11㎡
延床面積 212,043.05㎡
着工 2009年11月
竣工 2012年5月31日
建築主 日本郵便株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、三菱地所株式会社
設計 株式会社三菱地所設計
提携建築家:Murphy/Jahn (ヘルムート・ヤーン)
商業施設内装デザイン:隈研吾建築都市設計事務所
ランドスケープアーキテクト:PLACEMEDIA
施工 大成建設株式会社
最寄駅 JR、東京メトロ「東京」駅、東京メトロ千代田線「二重橋前(丸の内)」駅
備考 ▼施設構成
地下4階:地域冷暖房施設「JPタワーサブプラント」
地下3階~地下2階:駐車場
地下1階~地上6階:商業施設「KITTE (キッテ)」
2~3階:ミュージアム「インターメディアテク」
4階:旧東京中央郵便局長室
4~5階:多目的ホール「JPタワー ホール&カンファレンス」
6階:屋上庭園「KITTEガーデン」、オフィスサポート
8階~38階:オフィス
38階:機械室

位置図

イメージパース

出典:日本郵便株式会社/東日本旅客鉄道株式会社/三菱地所株式会社

北側から見たJPタワーの様子です。

 

 

北側から見たJPタワーの低層基壇部「旧 東京中央郵便局」の様子です。

 

 

北側から見たJPタワーの高層部分の様子です。高層棟では、日射遮蔽ルーバーやLow-Eガラス、エアフローウィンドを採用し、高い断熱性能と快適性を両立。外気を利用した冷房システムやCO₂濃度センサーによる換気制御により、省エネ性を高めています。低層棟では、シースルー型太陽光発電トップライト(360枚・定格出力23.9kW)や地中熱利用の冷暖房設備を導入。屋上の「KITTEガーデン」では緑化によるヒートアイランド対策と憩いの空間を実現し、「東京の低炭素ビルTOP30」にも選定されています。

 

 

北側から見たJPタワーの中層部分の様子です。ガラスカーテンウォールは、折り紙をモチーフにしたV字型のファサードが特徴となっています。

 

 

北側から見上げたJPタワーの様子です。

 

 

北東側から見たJPタワーの様子です。

 

 

JPタワーは、1931年竣工の旧東京中央郵便局舎の一部を保存・再生することで、丸の内の歴史的景観を継承しています。保存部分は免震構造とし、外観のタイルや窓を忠実に復原。構造躯体を残したうえで、旧局舎の意匠を最大限に活かしています。また、東京都道407号線の拡幅に伴い、建物北東側を約1m曳家(ひきや)して再配置するなど、都市計画上の課題にも配慮した工事が行われました。

 

北東側から見上げたJPタワーの様子です。

 

 

北東側から見たJPタワーの低層基壇部「旧 東京中央郵便局」の様子です。

 

 

東側から見たJPタワーの低層基壇部の様子です。

 

 

南東側から見たJPタワーの様子です。

 

 

南東側から見たJPタワーの低層基壇部の様子です。

 

 

低層基壇部は、曳家されて移設した旧 東京中央郵便局部分と、新設したガラスファサードの部分から構成されています。

 

 

南西側から見たJPタワーの様子です。

 

 

北西側から見たJPタワーの様子です。

 

 

デザインは、ヘルムート・ヤーン(Murphy/Jahn)が高層棟を担当し、隈研吾建築都市設計事務所が商業施設「KITTE」の内装デザインを手がけました。低層部では保存部分と新築部分が三角形のアトリウムでつながり、白く塗られた躯体の切断面や八角形柱など、構造美を強調した空間構成が特徴です。高層部はガラスカーテンウォールによる軽快な外観と、折り紙をモチーフにしたV字型ファサードが印象的で、東京駅前の新たな景観を形成しています。

 

JPタワーは、東京駅丸の内駅舎の南西側に位置する旧東京中央郵便局跡地に建設された複合ビルです。郵便局株式会社(現・日本郵便)、JR東日本、三菱地所の共同事業として計画され、2012年に高層棟が完成、翌2013年に商業施設「KITTE(キッテ)」が開業しました。建物は、旧局舎を一部保存した低層棟と、高さ200mの高層棟で構成され、歴史的建築の継承と最新環境技術の融合を特徴としています。2015年には第56回BCS賞を受賞するなど、その建築的価値が高く評価されています。

 

1933年に竣工した2代目東京中央郵便局は、逓信省営繕課の建築家・吉田鉄郎による設計で、地上5階・地下1階の鉄骨鉄筋コンクリート造として建てられました。外壁には白亜の二丁掛けタイルが貼られ、漆黒のスチールサッシとのコントラストが美しい、装飾を排したモダニズム建築の代表作です。

 

内部は柱や壁を最小限に抑えた広大な執務空間を備え、最新の郵便処理機械を導入するなど高い機能性を実現していました。東京駅側の外観は敷地形状に合わせてくの字型に折れ曲がり、時計や胴蛇腹がアクセントとしてデザインされています。1930年代の日本における近代建築の転換点を示す建物として高く評価されており、現在も北側・北東側の長さ約150m、奥行き約12mの部分が曳家によって移動され、JPタワーの一部として保存・活用されています。

 

旧 東京中央郵便局の頃から使われている「時計」です。

 

 

旧 東京中央郵便局部分の外装は、白亜の二丁掛けタイル張りとなっています。

 

 

旧 東京中央郵便局部分に設置されている煙突です。

 

 

低層基壇部の旧東京中央郵便局は、北東側でアールを描く外形が特徴で、戦前のモダニズム建築に見られがちな直線的で単調な外観に対し、柔らかな曲線が景観に豊かな表情をもたらしています。

 

 

商業施設「KITTE」のエントランスです。「KITTE」は、“Feel JAPAN”をコンセプトに、日本の心地よさやものづくり文化を伝える98店舗が出店。地下1階は全国の銘品が集う「KITTE GRANCHE」、1階は日本の老舗やカフェ、2〜3階は感度の高いファッションブランド、4階はブックカフェや雑貨店、5〜6階は全国の味を集めたレストランフロアとなっています。屋上の「KITTEガーデン」からは復原された東京駅丸の内駅舎を一望でき、観光スポットとしても人気です。

 

旧 東京中央郵便局は、白亜の二丁掛けタイル張りの外壁と漆黒のスチールサッシュ枠のコントラストや、4~5階間にある胴蛇腹と呼ばれる水平帯が特徴的な外観となっています。

 

 

東京中央郵便局の正面玄関部分の様子です。

 

 

南側公開空地の広場です。

 

 

KITTEの地下エントランスです。丸の内の地下通路網に接続しており、東京駅にも直結しています。

 

 

西側エントランスと車寄せです。

 

 

約300㎡の広さがあるKITTEのイベントスペース上には、ガラス張り天井となっている5層吹き抜けのアトリウムが広がっています。

建物中央には吹き抜け空間を利用した屋内通路を設け、南北方向に歩行者ネットワークを拡充。さらに、地下では東京駅前通路や有楽町方面への地下通路と接続し、丸の内エリアの回遊性を向上させています。地上では緑地と一体化した歩行者空間を整備し、歴史と現代が融合する都市拠点として機能しています。

 

低層棟は地下4階・地上7階構成で、1〜6階に商業施設「KITTE」を配置。地下1階には「東京シティアイ」、2〜3階には東京大学との産学連携によるミュージアム「インターメディアテク(IMT)」、4〜5階には「JPタワーホール&カンファレンス」、4階には復元された旧郵便局長室、6階には屋上庭園「KITTEガーデン」が設けられています。高層棟(8〜38階)はオフィスフロアで構成され、延床面積約212,000㎡におよぶ大規模複合施設です。

 

東京中央郵便局の保存部分では、歴史的建築の意匠を守りながら耐震性能を高めるため、地下1階に免震層を設ける「基礎免震レトロフィット工事」が行われました。一般的な耐震壁の増設では内部の列柱空間が損なわれるため、耐震壁を減らし免震構造を採用しています。保存部は北面と北東面の既存躯体を再利用し、免震層上に独立した2棟として移設されました。

免震装置には鉛プラグ入り積層ゴム支承や弾性すべり支承などを組み合わせ、地震時の変位を抑制しています。仮設鉄骨梁で建物を支えながら基礎を解体・再構築する高難度工法により、旧東京中央郵便局の列柱空間を保全しつつ、安全性を備えた免震建築へと再生されています。

 

オフィスロビーです。JPタワーのオフィスフロアは、基準階面積約971坪(約3,209.91㎡)、天井高2,950mm、床荷重500kg/㎡を標準仕様とする快適な執務環境を実現しています。柱のないコーナー設計で開放感を確保し、整形なコの字型平面により柔軟なレイアウトが可能です。CASBEEウェルネスオフィスSランクを取得し、フィットネスやホール、貸会議室など多様な付帯施設も整備されています。

 

1階の「東京中央郵便局」です。黒色大理石の八角柱と、天井の格子状に組まれた白色の梁の組み合わせが特徴の内装となっています。

 

 

2~3階に位置する日本郵便と東京大学総合研究博物館によるミュージアム「インターメディアテク」です。

 

 

4~5階には多目的ホール「JPタワー ホール&カンファレンス」が入ります。

 

 

4階の旧東京中央郵便局長室には、「レタールーム」が設けられています。

 

 

KITTEの5~6階には、レストラン街が入っています。

 

 

6階の屋上庭園「KITTEガーデン」です。約1,500㎡の広さがあり、東京駅丸の内駅舎のある北側から、八重洲の位置する東側にかけての展望を望むことができる展望台となっています。

 

 

屋上庭園「KITTEガーデン」から見た東京駅丸の内口です。

 

 

屋上庭園「KITTEガーデン」から見た東京駅丸の内口の夜景です。

 

 

屋上庭園「KITTEガーデン」から見た東京駅八重洲口です。

 

 

屋上庭園「KITTEガーデン」の様子です。

 

 

商業施設「KITTE」のテナント一覧・フロア構成です。

 

 

南側に建つ東京ビルディングとJPタワーの様子です。

 

 

東京駅丸の内口から見たJPタワーの様子です。

 

 

JPタワーの夜景です。

 

 

旧 東京中央郵便局部分の夜景です。

 

 

東京駅丸の内駅舎とJPタワーの夜景です。

 

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最終更新日:2025年11月6日

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