札幌市中央区の大通公園では、2025年3月に策定された「大通公園のあり方」を踏まえ、公園の将来像や主要施設の再整備方針を定める「大通公園基本計画」の策定に向けた検討が進められています。2026年9月25日に開催された第4回大通公園アドバイザリーボードでは、基本計画の中間とりまとめ(案)と西4丁目における取組・整備イメージが公表されました。
計画では、「インクルーシブ・グリーン・コリドー」をテーマに、豊かなみどりを守りながら、公園と周辺の道路・沿道建築物が一体となった空間づくりを目指すものとしています。今後は、花壇や芝生、樹木、水景施設、休憩施設などの再整備に加え、環境への配慮や持続可能な管理運営の仕組みづくりを進める方針です。西4丁目では、水景施設の更新や樹林帯の憩い空間の創出、周辺街区とのつながりの強化などを先行的に進める計画となっています。
大通公園基本計画 中間とりまとめ(案)の概要
1.大通公園基本計画の策定
2025年3月策定の「大通公園のあり方」を踏まえた施設の老朽化対策と公園機能の向上
2026年9月25日開催の第4回アドバイザリーボードにおける基本計画の中間とりまとめ(案)の公表
2.インクルーシブ・グリーン・コリドー
「誰もが思い思いに過ごせるみどりの空間」をテーマとした公園の再整備
豊かなみどりの継承と多様な利用者が快適に過ごせる都心の憩い空間の形成
3.公園全体の空間構成とゾーニング
西1~5丁目の象徴的な空間、西5~10丁目の多様な活動を楽しめる空間、西11~12丁目の歴史・文化を伝える空間の形成
東西方向の連続性や見通しの確保、周辺道路・沿道建築物との一体的な景観づくり
4.植栽・水景施設・休憩空間の再整備
既存樹木の保全と花壇・芝生の配置見直しによる、みどり豊かな景観と街区ごとの個性の創出
老朽化した水景施設やベンチなどの更新による、親水性と滞在快適性の向上
5.環境配慮とグリーンインフラの導入
雨水の貯留・浸透機能の向上や植栽基盤の改善による、環境負荷の低減と樹木の健全な生育環境の確保
生物多様性への配慮や地域に適した樹種の選定による、持続可能な公園環境の形成
6.持続可能な管理運営と民間連携
周辺施設や沿道のまちづくりとの連携による、公園のにぎわい創出と都心の回遊性向上
企業協賛や寄付、クラウドファンディングなどの民間活力を活用した管理運営の仕組みづくり
7.西4丁目の先行整備と水景施設の更新
既存樹木に配慮したデッキやベンチの設置、植栽の見直しによる木陰の憩い空間と沿道からの見通しの確保
水景施設の更新や雨水浸透性の高い舗装の導入による、親水性・環境性能・イベント時の柔軟性を備えた広場の形成

大通公園は、約150年前に火防などを目的として整備された大通を基軸に発展してきた札幌の都心を象徴する公園です。2025年3月に策定された「大通公園のあり方」を踏まえ、歴史や景観を継承しながら、現代の多様な利用ニーズに対応する公園への再整備が検討されています。
基本計画のテーマは「インクルーシブ・グリーン・コリドー~誰もが思い思いに過ごせるみどりの空間~」です。過去と未来、日常と非日常、都心のみどりとまちなみ、公共と民間など、異なる要素を重ね合わせ、誰もが互いを尊重しながら過ごせる象徴的な空間の形成を目指す計画です。


公園全体では、東西に連なる街区の連続性や、札幌の都心を見通すビスタ景観を継承・強化するとともに、街区ごとの個性を生かした空間づくりが進められます。花壇や芝生の配置にメリハリをつけ、街区を越えて連続性を感じられる景観を形成するほか、沿道から公園内部への視線の抜けを確保し、周辺のまちなみとの一体感を高める計画です。
また、大通公園を西1~5丁目の「札幌を象徴する公園の顔となるエリア」、西5~10丁目の「多様なニーズに対応した札幌ならではの活動を体験できるエリア」、西11~12丁目の「札幌の歴史と文化を伝承するエリア」に区分し、それぞれの特性を生かした整備を検討します。公園単体ではなく、道路や沿道の建築物、周辺の再開発事業とも連携し、都心全体の回遊性やにぎわいの向上が図られます。

植栽計画では、既存樹木を適切に保全しながら、樹木の配置や花壇、芝生の構成を見直し、公園全体の景観と利用環境が改善されます。市民や企業が参加する花壇づくりを継続し、各街区の特性に応じた花の演出を行うことで、季節ごとの魅力や街区の個性を引き出す方針です。
施設計画では、老朽化した水景施設や休憩施設などの更新が検討されます。水景施設については、鑑賞するだけでなく、水に親しみながら多様な過ごし方ができる空間づくりを目指します。また、樹林帯の内部にも安心して滞在できる場所を設けるとともに、ベンチなどの配置を工夫し、芝生広場や水景施設の利用を分断しない空間構成を検討するものとされています。

環境計画では、雨水の貯留・浸透機能を高める植栽基盤や舗装などを取り入れ、みどりの保全と雨水の有効利用を両立するグリーンインフラの形成を目指すものとしています。芝生についても、樹木の根が健全に生育できる環境や、人の歩行による踏圧に耐えられる基盤を整え、雨水の浸透性を高める方針です。新たな植栽や樹種の更新にあたっては、生物多様性や地域に適した樹種の選定にも配慮します。
管理運営面では、周辺の集客施設やまちづくり活動との連携を強化し、公園と沿道を一体的に活用することで、日常的なにぎわいの創出を図ります。ネーミングライツや企業協賛、ベンチ・花壇などへの寄付、クラウドファンディングといった民間活力の導入も検討し、多様な主体が公園の整備や管理運営に参加できる仕組みづくりを進めます。


西4丁目では、周辺の再開発事業による公共貢献の一環として、大通公園の魅力向上に向けた先行整備を進める計画です。現在は、樹林帯内部のベンチ周辺で樹木の根が地表に露出して滞在しにくいことや、街区の角部にある植栽が繁茂して見通しが悪いこと、水景施設の老朽化や親水性の不足などが課題となっています。

整備イメージでは、既存樹木の根に配慮したデッキを設け、木陰の下で休憩できる空間を創出するものとしています。角地の植栽を見直して沿道からの視認性を高めるほか、雨水浸透性の高い舗装や木質系舗装などを取り入れ、歩きやすさと環境性能の向上が図られます。
中心部には、平坦で可変性のある水景施設を整備し、親水性と鑑賞性を両立させるとともに、利用シーンに応じた柔軟な使い方を可能にする計画です。広場中央部のベンチなどの配置にも配慮し、芝生広場と水景エリアの一体感を高めながら、都心のオアシスとして人々が集い、憩い、交流できる空間の形成を目指すようです。
出典・引用元:札幌市 大通公園アドバイザリーボード
最終更新日:2026年10月15日