東京都足立区が進める「千住大橋駅前用地活用事業」は、千住大橋駅前に位置する約1,790㎡の区有地を活用し、駅前にふさわしい賑わいと防災機能を備えた複合施設を整備するプロジェクトです。代表事業者には大和ハウス工業を中心とするグループが選定され、地上13階、地下1階建て、高さ約42m、延床面積約8,400㎡の建物を建設します。
1~3階を商業・都市機能フロア、4~13階を賃貸住宅(108戸)とする計画で、一般定期借地権(50年以上80年未満、約60年想定)による事業方式を採用。地域アンケート結果を反映し、「賑わい創出」「都市機能の向上」「防災性の強化」を柱に、駅前の新たなランドマーク形成を目指す計画です。2026年12月頃の工事着手、開業は2029年7月頃を予定とされています。
千住大橋駅前用地活用事業の概要
1.事業の概要
千住大橋駅前に位置する約1,790㎡の区有地を活用する再開発事業。
地上13階、地下1階建て・延床約8,400㎡の複合施設整備計画。
2.事業方式と貸付条件
50年以上80年未満の一般定期借地権による土地貸付方式。
低層部を非住宅用途とする条件付き公募型プロポーザル事業。
3.事業者体制
代表事業者は大和ハウス工業を中心とする企業グループ。
大和リビングおよびエイジェックで構成される事業体制。
4.建物規模と用途構成
建物高さ約42m、地上13階建て、住宅108戸を配置する計画。
1~3階を商業・公共機能、4~13階を賃貸住宅とする構成。
5.賑わい創出機能
専門スーパー、BOOK&カフェ、フィットネスなどの導入。
駅前広場やテラスを活用した交流・イベント拠点の形成。
6.都市機能と生活支援機能
診療所、習い事教室、学童保育施設の整備計画。
子育て世帯や高齢者を支える生活利便機能の充実。
7.防災機能と今後の予定
2・3階テラス等を活用した垂直避難拠点の整備。
2029年7月開業を目指す駅前ランドマーク創出計画。

千住大橋駅周辺では、かつて株式会社ニッピなどの本社・工場が立地していましたが、大規模工場跡地の土地利用転換を契機に、地域・企業・行政が連携し再開発を推進してきました。平成18年に「千住大橋駅周辺地区まちづくり計画」、平成19年に地区計画が策定され、「うるおい・活気・安全なまち」を目標に道路や住宅、公園整備が進められてきました。

駅前用地はもともと東京都住宅供給公社の住宅などが立地していましたが、都市計画道路(足立区画街路第11号線)整備に伴い区が取得。令和6年7月に公社所有地も取得し、敷地全体が区有地となりました。長年、災害用資材置き場として暫定利用されてきましたが、駅前の立地を活かした高度利用へと方針転換が図られました。

足立区は本用地の活用にあたり、令和5年11月に民間事業者を対象としたサウンディング型市場調査を実施しました。さらに令和6年1月から2月にかけて地域住民や来街者を対象にアンケート調査を行い、求められる機能や駅前に期待する役割を把握しました。その後、同年7月には活用方針(案)の説明会を開催し、寄せられた意見を踏まえて8月に正式な活用方針を策定しています。


方針では、一般定期借地権による柔軟な土地活用を行うこと、3階までを非住宅用途として賑わいと利便性向上に資する施設を誘導すること、そして垂直避難場所などを整備して防災性を強化することが明確に示されました。公募型プロポーザルの結果、代表企業である大和ハウス工業に加え、大和リビング、エイジェックで構成される事業グループが選定され、具体的な施設計画が示されました。

計画建物は地上13階、地下1階建て、高さ約42m、延床面積約8,400㎡の規模となります。用途地域は近隣商業地域で、建ぺい率80%、容積率400%の条件のもと計画されています。
建物構成は、地下1階に約147台分の駐輪場や防災備蓄倉庫、機械式駐車場の格納部を設けるほか、主に配管・配線やメンテナンス空間として活用されるピット空間を確保しています。地上1階には鮮魚店などを含む専門スーパーと住宅エントランスを配置し、駅利用者や周辺住民の生活利便を支えます。
2階には学童保育施設やスポーツ学童、フィットネス系店舗を導入し、子育て世帯や健康志向層の需要に応えます。3階にはBOOK&カフェ、クリニック、習い事教室、コミュニティスペースを設け、地域交流の拠点とします。4階から13階までは1LDK~2LDKを中心とした賃貸住宅108戸を配置し、単身者からファミリー層まで幅広い世帯の居住を想定しています。


千住大橋駅前用地活用事業の大きな特徴は、地域アンケートの結果を具体的な施設構成に反映している点にあります。賑わい機能として上位に挙がった飲食店やカフェ、専門スーパーを低層部に配置し、駅前の日常的なにぎわいを創出します。また、都市機能の向上を目的として、診療所や習い事教室、学童保育施設を整備し、子育て世帯や高齢者を含む幅広い世代の生活を支える構成としています。


さらに、防災機能の強化も重要なテーマです。想定最大浸水深約5mという水害リスクを踏まえ、2階および3階のテラスやBOOK&カフェ、住宅集会所を垂直避難場所として活用できる計画としています。防災トイレや備蓄倉庫も整備し、駅前交通広場と連携することで、災害時には地域の防災拠点として機能することを目指します。平時にはマルシェやイベントを開催できる広場空間を設け、日常と非常時の双方に対応する空間設計がなされています。

事業コンセプトは「Adachi Gateway ― 千住地域の新たな物語が始まる場所」です。駅と街をつなぐ“ゲート”として、曲線を取り入れた柔らかな外観デザインと、立体的に連続するテラス空間が特徴となります。隣接するポンテポルタ千住との親和性を考慮し、白を基調とした外観としながら、駅方向にメインゲートを設けることで視認性と回遊性を高めます。2階・3階へ直結する階段を配置し、立体的な人の流れを生み出す計画です。
今後のスケジュールとしては、令和8年2月頃から実施設計を開始し、同年12月頃に着工、令和11年4月頃の竣工を経て、同年7月頃の開業を目指しています。千住大橋駅前の新たな拠点として、地域の交流と賑わいを未来へと紡ぐランドマークの誕生が期待されています。
出典・引用元:足立区 千住大橋駅前用地活用事業について
最終更新日:2026年2月22日