東京都は、有明北地区に位置する「都立有明親水海浜公園」において、水辺の魅力を生かした都市型海浜公園の整備を進めています。本事業は、自然環境の保全や回復を図るとともに、東京2020大会で培われたスポーツ文化や国際交流のレガシーを継承することを目的としています。加えて、都民や来訪者が日常的に憩い、マリンスポーツやレクリエーションを楽しめる空間を創出することも重視されています。具体的には、西入江ゾーンに本格的な人工海浜を整備するほか、民間事業者と連携してレストランやカフェ、多目的ホールを備えた拠点施設を導入し、地域のにぎわいと交流拠点の形成を目指しています。
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都立有明親水海浜公園 西入江ゾーン整備の概要
- 整備主体と場所
東京都による有明北地区「都立有明親水海浜公園」の整備 - 事業の目的
自然環境の保全・回復と東京2020大会レガシーの継承 - 市民利用の推進
都民や来訪者による日常的な憩いとマリンスポーツ利用 - 人工海浜の整備
西入江ゾーンにおける本格的人工海浜の整備 - 官民連携による施設導入
レストラン・カフェ・多目的ホールを備えた拠点施設の導入 - 地域にぎわいの創出
コミュニティ活動、アスリート交流、マルシェ開催によるにぎわい創出 - 都市拠点としての役割
自然と都市機能を融合させた臨海副都心の新たな交流拠点

有明親水海浜公園は「東京都海上公園条例」に基づき、水辺と触れ合いながら自然を感じることのできる「海浜公園」として計画されました。東京都は、昭和45年に「東京都海上公園構想」を掲げて以来、臨海地域を中心に40か所以上の海上公園を整備してきました。これらの公園は、都市に暮らす人々に開放的な自然と憩いを提供する役割を担ってきました。

近年は都民のライフスタイルの多様化が進み、環境学習やスポーツ、国際交流など、多様な活動が求められるようになっています。このため平成29年には「海上公園ビジョン」が策定され、地域ニーズや社会状況の変化に対応できるよう、柔軟で多機能な公園づくりが打ち出されました。有明北地区は東京2020大会の主要な舞台となったエリアであり、そのレガシーを日常的に活用する場として、公園の新しい整備が求められています。


西入江ゾーンでは、環境学習やスポーツ体験に活用できる人工海浜が整備されます。砂浜は長さ約230メートル、最大幅約70メートルに及び、平坦部と傾斜部から構成される本格的な規模となります。飛砂による被害を抑えるため、粒径0.25ミリ以上の砂を厚さ1.5メートルで敷設し、波による浸食を防ぐため砂止潜堤も設置します。造成時の砂浜の高さはA.P.(荒川工事基準面)+3.0メートルとし、供用開始から5年後にはA.P.+2.5メートル程度で安定する設計です。


さらに、砂の動きを予測するシミュレーションを活用して、砂浜が将来にわたり持続可能に維持されるよう計画されています。人工海浜の完成は令和8年3月を予定しており、完成後はビーチバレーやビーチスポーツ、さらには親子で楽しめるレクリエーション空間として幅広く利用されることが期待されています。

東京都港湾局は、公園の魅力向上を図るために官民連携を積極的に推進しています。有明親水海浜公園では「ARIAKE BLUE GARDEN」が選定され、アイ・ケイ・ケイホールディングスを代表法人とする事業者グループが運営に携わります。
計画される施設は延床面積2,914.17平方メートル、地上3階建ての建物で、レストランやカフェ、多目的ホールなどを備えます。デザイン面では、公園の豊かな緑と調和する木質感を活かした外観とし、屋上緑化や太陽光パネルの設置によって環境への負荷を軽減します。これにより、利用者に快適で居心地の良い空間を提供するだけでなく、SDGsに資する持続可能な施設運営が可能となります。

この拠点施設は、単なる飲食や休憩の場にとどまらず、地域に根差した多機能な拠点として活用されます。多目的ホールでは、ミニコンサートや地域コミュニティの集会、スポーツに関するセミナーなどが開催可能であり、多世代交流の促進につながります。また、周辺の人工海浜や広場と連携し、ビーチバレー大会、カヌー・カヤック体験、アスリートとの交流イベントなど、多彩なアクティビティが展開される予定です。
さらに、地元住民と連携したマルシェやキッチンカーイベント、ボランティアによる清掃活動など、地域を巻き込んだ取り組みも想定されています。災害時には避難スペースや一時的な物資提供の拠点としての機能も持ち合わせるなど、公共性と地域性を兼ね備えた施設運営が計画されています。

有明親水海浜公園は段階的に開園が進められています。令和7年4月には、西入江エリアに都立公園初となるビーチバレー専用施設(2面)がオープンし、国内外の大会開催や一般利用が可能となります。さらに令和7年7月には、記念広場エリアが供用開始され、シンボルとなるモニュメントやユニバーサルデザイン対応の大型遊具、休憩施設などが整備されています。
これにより、スポーツ、文化活動、レクリエーションを複合的に楽しめる都市型公園としての機能が本格的に整っていきます。利用者にとっては日常的な散策やレジャーの場であると同時に、国内外からの観光客にとっても東京湾岸の魅力を体験できる拠点となることが期待されています。

官民連携による公園施設の整備は、晴海ふ頭公園に続く都内で2例目の試みであり、公園運営の新たなモデルケースといえます。有明親水海浜公園では、地域住民が気軽に訪れられる日常的な憩いの場であると同時に、多様な活動を通じて国際的な交流や都市魅力の発信拠点として機能することが期待されます。
東京湾岸エリアは今後も都市開発が進む地域であり、その中で自然と調和した都市公園の存在は一層重要性を増しています。有明親水海浜公園は、都市と自然、生活と観光をつなぐハブとしての役割を果たし、臨海副都心の価値向上にも寄与していくでしょう。
最終更新日:2025年9月24日

