千葉県習志野市の幕張本郷駅近接エリアで進められている「鷺沼特定土地区画整理事業」は、約37ヘクタールに及ぶ市街化調整区域を計画的に市街地へ転換する大規模プロジェクトです。2023年9月に千葉県から組合設立認可を受け、現在は本格的な基盤整備工事に向けた段階へと移行しています。
業務代行者には竹中土木・野村不動産共同企業体が選定され、マンションおよび戸建ての保留地については2025年11月に野村不動産と売買予約契約を締結。さらに、複合商業施設ゾーンの商業事業予定者としてイオンタウンが選定され、共同賃貸による商業開発が進められることも公表されています。住宅・商業・教育・医療・福祉・公園が一体となった新しいまちの形成を目指し、令和10年度末から令和11年頃の「まちびらき」を見据えた整備が進行中です。
鷺沼特定土地区画整理事業の概要
1.事業の位置と背景
幕張本郷駅徒歩圏に残された市街化調整区域の農地を対象とする計画的市街地形成。
無秩序な宅地化を防ぎ、良好な都市基盤と住環境を同時に整備する開発事業。
2.事業規模と計画人口
施行面積約37ヘクタール、計画人口約6,800人、人口密度約180人/ヘクタールの大規模開発。
総事業費約200億円、令和5年度から令和13年度までの長期整備スケジュール。
3.土地利用と都市機能配置
中央の複合商業ゾーンを核とした住宅・教育・福祉・医療施設の集約配置。
徒歩圏で生活機能が完結するコンパクトかつ多機能なまち構成。
4.都市基盤整備と防災対策
幹線道路・区画道路・歩行者動線を組み合わせた安全性と回遊性重視の道路網整備。
近隣公園・街区公園の配置と電線類地中化による防災性と景観性の向上。
5.事業推進体制と民間活用
竹中土木・野村不動産共同企業体による業務代行方式の採用。
設計・施工・保留地処分を一体化した効率的かつ確実性の高い事業運営。
6.住宅開発の具体化
野村不動産との保留地売買予約契約によるマンション・戸建て供給計画の明確化。
中高層住宅と低層住宅の段階的整備による多様な居住ニーズへの対応。
7.商業施設整備と今後の展開
イオンタウンによる共同賃貸型商業施設を核とした地域生活拠点の形成。
令和10年度末から令和11年頃のまちびらきを目指す段階的整備の進行。

施行地区は、習志野市鷺沼3・4・5丁目および鷺沼台4丁目の各一部で、幕張本郷駅から徒歩圏という高い交通利便性を持つ立地です。これまで周囲を市街化区域に囲まれながら、市街化調整区域として農地利用が中心となってきましたが、宅地化の圧力も高く、無秩序な開発を防ぐためにも計画的な基盤整備が求められていました。本事業は、農地と共存しながら段階的に都市機能を導入することで、良好な市街地形成を図る点が大きな特徴となっています。

施行面積は約37ヘクタール、計画人口は約6,800人、人口密度は約180人/haを想定しています。総事業費は約200億円規模とされ、減歩率は41.6%(公共減歩25.61%、保留地減歩15.99%)。


施行期間は令和5年度から令和13年度までを予定し、換地処分公告後に組合は解散する計画です。これほどの規模の土地区画整理事業が、既成市街地に近接したエリアで実施される点は、習志野市の都市構造に大きな影響を与えるプロジェクトといえます。


土地利用計画では、地区中央部に複合商業ゾーンを配置し、その周辺に中高層住宅ゾーン、中低層住宅ゾーン、低層住宅ゾーンを段階的に配置する構成となっています。


地区西部には鷺沼小学校の移転予定地と近隣公園、福祉施設を集約し、防災・教育・コミュニティの拠点としての役割も担います。また、沿道サービスゾーンには医療・福祉・保育・交流施設などの導入が想定され、日常生活を支える機能が徒歩圏内で完結するまちづくりが志向されています。


都市計画道路として、東西方向に幅員19mの谷津鷺沼線、南北方向に幅員16mの鷺沼線を新設し、主要区画道路や歩行者専用道路、緑道を組み合わせた多層的な道路ネットワークを形成します。


幹線道路や主要道路では歩道と車道を分離し、自転車通行帯やバスベイの整備も計画されています。公園については、約2.0haの近隣公園1か所と街区公園4か所を配置し、災害時の一時避難場所としての機能も確保。さらに、電線類の地中化を地区全体で進め、景観性と防災性の両立が図られます。


本事業は業務代行方式を採用し、竹中土木・野村不動産共同企業体が設計・施工・保留地処分などを包括的に担っています。2021年に業務代行予定者として選定され、その後、組合設立や事業計画策定を経て本格始動しました。行政補助金や公共施設管理者負担金を活用しながら、民間ノウハウを最大限活用することで、事業の確実性とスピードの両立を図る体制が構築されています。


2025年11月27日、組合は野村不動産とマンション保留地(22街区)および戸建保留地(23~25街区)について、合計約34,500㎡、売買価額約117億円の保留地売買予約契約が締結されました。


マンション保留地には南北2棟の中高層マンションが計画され、南棟から先行して建設される予定です。これにより、住宅供給の具体像が明確化し、まちびらきに向けた居住機能の整備が一気に現実味を帯びてきました。


複合商業ゾーン約3haについては、商業事業予定者としてイオンタウンが選定され、地権者との共同賃貸方式で商業施設が整備される計画です。共同換地地権者向け説明会では、契約形態や賃貸条件、地権者会の設立時期などが説明され、2026年頃の土地賃貸借予約契約締結を目標に準備が進められています。日常利用型の商業施設を核に、地域コミュニティの中心となる生活拠点の形成が期待されています。


これまで現道通行に支障のない範囲で工事が進められてきましたが、令和7年度以降は本格的な造成・道路・上下水道工事へと移行し、段階的な道路閉鎖も実施される予定です。


令和9年度以降には順次使用収益が開始され、令和10年度末から令和11年頃のまちびらきを見据えたスケジュールが描かれています。補助金確保に向けた国への要望活動も継続して行われており、財源確保と工事進行の両面で体制強化が図られています。
→2019年12月18日投稿 習志野市鷺沼調整区域土地区画整理事業
最終更新日:2026年1月16日