JR長崎駅ビルは、長崎県長崎市尾上町に建つ地上13階、高さ60.0mの複合高層ビルです。立地は、東側と南側を国道202号、西側をJR「長崎」駅に囲まれた、移転前の旧「長崎」駅跡地一帯です。西九州新幹線の開業を見据え、長崎駅周辺の再開発と都市機能の強化を目的として建設が進められました。既存の長崎駅ビルの増床により、商業・業務・宿泊機能の拡充が図られ、2023年9月の西九州新幹線開業を契機に、長崎駅周辺の新たなにぎわいと交流を創出する拠点として整備されました。
施設構成は、「増床部分」の1階~5階に商業施設「アミュプラザ長崎 新館」、5階~6階にオフィス、7階にホテルロビー、8階~13階にホテル「長崎マリオットホテル」、「増床部分 駐車場棟」に7層8段立体駐車場、「既存部分」の1階~5階に商業施設「アミュプラザ長崎 本館」、6階~10階にホテル「JR九州ホテル長崎」、「既存部分 駐車場棟」に5層6段立体駐車場、高架下商業施設に商業施設「長崎街道かもめ市場」となります。また、膜屋根の設けられた多目的駅前広場「かもめ広場」や、5階には屋上庭園、各階に広場やテラスが配置されているほか、駅前広場やペデストリアンデッキの整備により、駅と街をつなぐ歩行者動線の形成と、長崎駅周辺の回遊性・にぎわいの向上が図られています。
建築主は九州旅客鉄道株式会社、設計は基本設計が株式会社日建設計、実施設計が株式会社大林組、施工は大林組・九鉄工業特定建設工事共同企業体です。着工は2021年12月15日、竣工は2023年11月1日となっています。アミュプラザ長崎新館の開業は2023年11月10日になります。
過去の建設状況
→過去の建設状況
概要
| 名称 |
JR長崎駅ビル 商業施設:アミュプラザ長崎 新館 ホテル:長崎マリオットホテル 業務施設:JR長崎駅ビル・オフィス |
| 計画名 |
新長崎駅ビル(仮称) |
| 所在地 |
長崎県長崎市尾上町1番1号 |
| 用途 |
商業施設、オフィス、ホテル、駐車場 |
| 階数 |
増床部分:地上13階 既存部分:地上10階 駐車場棟:地上8階 |
| 高さ |
60.0m |
| 構造 |
鉄骨造 |
| 基礎工法 |
ー |
| 客室数 |
207室 |
| 敷地面積 |
34,771.35㎡ 約18,000㎡ *ニュースリリース 19,315.56㎡ *国土交通省 |
| 建築面積 |
増築部分:17,000.11㎡ (新館:11,813.80㎡/駐車場棟:3,356.02㎡ *国土交通省) 既存部分:12,392.93㎡ |
| 延床面積 |
増築部分:108,977.82㎡ (97,106.34㎡/新館:73,794.82㎡/駐車場棟:23,311.52㎡ *国土交通省) 既存部分:58,034.65㎡ 約102,000㎡ *ニュースリリース |
| 着工 |
2021年12月15日 |
| 竣工 |
2023年11月1日 |
| 建築主 |
九州旅客鉄道株式会社 |
| 設計 |
基本設計:株式会社日建設計 実施設計:株式会社大林組 |
| 施工 |
大林組・九鉄工業特定建設工事共同企業体 |
| 最寄駅 |
JR西九州新幹線、長崎本線「長崎」駅、長崎電気軌道「長崎駅前」電停 |
| 備考 |
▼施設構成 🔻増床部分 1階~5階:商業施設「アミュプラザ長崎 新館」 5階~6階:オフィス 7階:ホテルロビー 8階~13階:ホテル「長崎マリオットホテル」
🔻増床部分 駐車場棟 7層8段立体駐車場
🔻既存部分 1階~5階:商業施設「アミュプラザ長崎 本館」 6階~10階:ホテル「JR九州ホテル長崎」
🔻既存部分 駐車場棟 5層6段立体駐車場
🔻高架下商業施設 商業施設「長崎街道かもめ市場」
▼長崎マリオットホテル 客室:スタンダード 2 ダブル(36㎡)、デラックスキング(36㎡)、デラックス 2 ダブル(36㎡)、プレミアムキング バルコニー(36〜39㎡)、プレミアム 2 ダブル バルコニー(36〜39㎡)、Mクラブキング(54〜56㎡)、コーナージュニアスイートキング(62㎡)、コーナージュニアスイート 2 ダブル(62㎡)、ハーバービュースイート(73〜79㎡)、かもめスイート(78㎡)、パノラマスイート(83㎡)、パノラマスイート –ディスティンクト–(83㎡)、インペリアルスイート(182㎡) 付帯施設:エントランス、レセプションロビー、グラブ&ゴー、オールデイダイニング「HARBELLA」、バーラウンジ「THE AZURITE」、スペシャリティレストラン「De Jima」、カンファレンスルーム「波千鳥」、フィットネスジム、エグゼクティブラウンジ「M Club」 |
位置図
配置図
出典∶国土交通省
断面図
出典∶国土交通省
イメージパース
出典:九州旅客鉄道株式会社
北西側から見た様子です。JR長崎駅ビルは、長崎県長崎市尾上町のJR「長崎」駅に隣接する、商業施設・オフィス・ホテルなどから構成される大規模複合施設です。九州旅客鉄道株式会社が開発を進め、既存の駅ビルと増床部分を合わせて「JR長崎駅ビル」と命名されました。増床部分には、商業施設「アミュプラザ長崎 新館」、オフィス「JR長崎駅ビル・オフィス」、ホテル「長崎マリオットホテル」が整備されています。
商業施設は2023年11月10日に開業し、ホテルは2024年1月16日に開業しました。西九州新幹線の開業を契機とした長崎駅周辺の都市機能強化を担うプロジェクトであり、買い物や食事、宿泊、ビジネスなど多様な目的で人々が訪れる交流拠点となっています。長崎の陸の玄関口にふさわしい新たなランドマークとして、駅周辺のにぎわい創出を担う施設です。
北側から見た様子です。JR長崎駅ビルは、既存部分と増床部分を一体的に活用し、商業・業務・宿泊などの都市機能を集約した複合施設です。増床部分では、商業ゾーンが地上1~4階と一部5階、オフィスゾーンが5~6階、ホテルゾーンが1階および7~13階に配置されています。商業施設とオフィスの一部が5階で接続する構成となっており、限られた駅前空間を有効活用しながら多様な機能を導入しています。
商業施設「アミュプラザ長崎 新館」の延床面積は約41,000㎡、オフィスの貸室面積は合計約6,800㎡、ホテル「長崎マリオットホテル」の延床面積は約20,000㎡です。また、新館に隣接する既存のアミュプラザ長崎 本館や長崎街道かもめ市場も含め、駅周辺の商業機能が連続的に展開されています。駐車場は自走式立体駐車場で、7層8段、約900台を収容可能です。買い物、宿泊、業務、交通利用を一体的に支える施設構成により、駅前の利便性を高めています。
北側から見た高層部分の様子です。
長崎駅前から見た様子です。
オフィス「JR長崎駅ビル・オフィス」
オフィス「JR長崎駅ビル・オフィス」は、増床部分の5~6階に整備されたオフィスフロアです。貸室面積は5階が約3,800㎡、6階が約3,000㎡で、合計約6,800㎡となっています。5階には1フロア約1,150坪の大規模な貸室が設けられ、天井高2,800mm、高さ100mmのOAフロアを採用するなど、柔軟なオフィスレイアウトに対応する設備・仕様が特徴です。また、スマートフォンやパソコンから空調・照明を制御できる個別制御システムを導入し、働き方に合わせた執務環境を実現しています。
機械換気能力の増強や、スマートフォンからトイレの混雑状況を確認できるシステム、清掃ロボットによる定期清掃など、快適性や衛生面にも配慮されています。さらに、コワーキングスペース「Q」を展開する「Q-Lounge NAGASAKI」が長崎に初出店。約500坪のガーデンを望むラウンジや個室ブース、フォンブースなどを備え、多様なワークスタイルを支援するオフィス環境となっています。
ホテル「長崎マリオットホテル」
「長崎マリオットホテル」は、JR長崎駅ビルの1階および7~13階に入居する、マリオット・インターナショナルのホテルブランドを導入した宿泊施設です。延床面積は約20,000㎡、客室数は207室で、内訳は一般客室179室、スイート28室となっています。ホテルの外観は港町・長崎らしい「客船」をモチーフとし、館内には長崎の地形や自然、街並み、異国文化の要素を取り入れたデザインが採用されています。
客室は全室36㎡以上のゆとりある設計で、約7割にバルコニーを設置。長崎港や稲佐山、市街地の眺望を楽しめる点も特徴です。付帯施設には、オールデイダイニング、スペシャリティレストラン、バーラウンジ、カンファレンスルーム、フィットネスジム、エグゼクティブラウンジなどを備えています。さらに、ガーデンに面したカンファレンスルームは2室を一体利用することも可能で、宿泊だけでなく、会議やイベント、飲食など幅広い需要に対応するホテルとなっています。
商業施設「アミュプラザ長崎 新館」
「アミュプラザ長崎 新館」は、JR長崎駅ビルの増床部分に整備された大型商業施設です。地上1~4階と一部5階に配置され、延床面積は約41,000㎡、営業面積は約21,700㎡となっています。2023年11月10日に開業し、ファッションや雑貨、飲食、食品、エンターテインメント、サービスなど、多彩な店舗が集積しています。出店店舗数は合計86店舗で、そのうち長崎初出店が39店舗、九州初出店が3店舗、新業態が1店舗となっています。
店舗には、家電量販店のエディオン、アミューズメント施設のナムコ、ファッションブランドのユニクロやジーユー、カフェのスターバックスコーヒーなどが含まれ、幅広い世代の来館需要に対応しています。また、新館単独で完結するのではなく、既存のアミュプラザ長崎 本館や長崎街道かもめ市場と連携した商業集積を形成。3施設を合わせた営業面積は約47,900㎡となり、駅周辺における買い物や飲食、交流の拠点として、長崎市内外からの来訪者を迎える施設となっています。
JR長崎駅ビルは、長崎の歴史や文化、街並みとの調和を重視した外観デザインが特徴です。外観は、レンガや金属パネルを用いた重厚感のある低層部と、白を基調とした軽やかな高層部で構成され、商業施設・オフィスが入る低層部と、ホテルが入る高層部を段階的に配置しています。長崎に現存するレンガ建築や、港町の造船所、洋館などをモチーフに取り入れ、和華蘭文化が育んできた異国情緒を表現しています。
メインエントランスには洋館や教会建築をイメージしたステンドグラスを採用し、ホテルの外装にはクルーザーや海鳥を思わせる意匠を取り入れています。また、各階に広場やテラスを設け、屋上広場などの憩いの空間を整備。外構には旧駅舎の記憶を継承するレールを再敷設し、長崎に自生する樹木を配置することで、地域の歴史と自然を感じられる駅ビルを実現しています。
アミュプラザ長崎のロゴです。
長崎マリオットホテルのロゴです。
北東側から見た様子です。
長崎駅東口駅前広場の東西軸です。JR長崎駅ビルは、建物内外に広場やテラスを設け、駅を利用する人々や来館者が移動の途中にひと息つける憩いの空間を整備しています。各階に広場やテラスを点在させることで、商業施設での買い物や飲食、駅周辺の移動の合間に滞在できる場所を創出しています。また、屋上には人々の交流やにぎわいを生み出す広場を設け、駅と街をつなぐ開放的な空間を形成しています。
かもめ広場です。駅前広場やペデストリアンデッキとの接続に加え、複数の連絡通路を整備することで、駅から建物内、さらに周辺市街地へと人の流れが連続する歩行者動線を確保しています。さらに、外構には長崎に自生する樹木を配置し、緑を感じられる環境を創出。交通結節点としての利便性を高めるだけでなく、地域住民や観光客が気軽に立ち寄り、憩い、交流できる空間づくりを通じて、長崎駅周辺の回遊性とにぎわいの向上に寄与しています。
北東側から見た様子です。
南東側から見た様子です。
南側から見た様子です。
南西側から見た様子です。
既存部分
既存部分の商業施設「アミュプラザ長崎 本館」とホテル「JR九州ホテル長崎」です。
高架下商業施設
高架下商業施設の「長崎街道かもめ市場」です。
JR長崎駅ビルは、西九州新幹線の開業を契機に、国際観光都市・長崎の陸の玄関口にふさわしい都市機能とにぎわいを創出することを目的とした複合開発事業です。計画地が位置する長崎駅周辺では、長崎本線の連続立体交差事業や土地区画整理事業などの都市基盤整備が進められ、広域交通の結節点としての機能強化が図られてきました。こうした動きと連携し、JR長崎駅ビルでは商業施設、ホテル、オフィスを一体的に整備することで、観光客や地域住民、ビジネスワーカーなど多様な人々が訪れる拠点の形成を目指したものとなっています。
特に、上層階へのグローバルホテルブランドの導入や、地域最大級となる1フロア約1,000坪規模のオフィス整備により、観光産業の活性化と企業立地の促進を図っています。また、駅前広場などと連続した広場空間の整備を通じ、来訪者が集い、憩える環境の形成も計画に盛り込まれました。駅周辺や中心市街地との回遊性を高め、長崎中央地域全体の活力とにぎわいを創出する役割が期待されています。
最終更新日:2026年10月12日