大阪府泉佐野市のりんくうタウンでは、関西国際空港の対岸に位置する「りんくう中央公園グラウンド跡地」において、新たな土地活用が検討されています。対象地は約1.99ha、約19,854㎡の市有地で、2018年にはマレーシアの不動産開発会社SP Setia系の事業者に売却され、ホテル、MICE施設、住宅、商業施設などからなる大規模複合開発「SICC(セティア泉佐野シティセンター)」が計画されていました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響や建設費高騰などを背景に事業は進まず、2025年に事業者が撤退。泉佐野市が土地を買い戻し、現在は新たな民間事業者への売却に向けて動き出しています。
今回の再売却では、条件付き一般競争入札が実施され、2027年1月15日の入札が予定されています。従来のようにMICE施設の整備を前提とした計画ではなく、市場ニーズを踏まえて民間事業者が事業内容を検討できる形へと転換されました。一方、対象地には建築物の高さの最高限度150mなどを定めた都市計画上の規制が存在しており、今後の事業者や計画内容によっては、再び高さ100mを超える超高層複合施設が誕生する可能性もあります。
りんくう中央公園グラウンド跡地の概要
1.約1.99haのりんくう中央公園グラウンド跡地
関西国際空港対岸のりんくうタウンに位置する約19,854㎡、約1.99haの市有地で、周辺に商業・ホテル・オフィスなどが集積する立地条件
空港アクセスや高速道路への交通利便性にも恵まれ、国際観光・交流拠点としての活用も期待される大規模用地
2.SICCによる大規模複合開発計画
2018年にSP Setia系事業者へ売却され、地上38階建て住宅棟、地上32階建てホテル棟、MICE施設などからなる「SICC」を計画
3棟合計約13万2,000㎡、最高高さ約148mとなる超高層複合開発で、2020年着工・2024年完成を予定していた計画
3.コロナ禍と建設費高騰による事業撤退
新型コロナウイルス感染症による国際観光・MICE需要の変化や、資材価格・人件費の上昇による建設費高騰などにより事業が停滞
2025年に事業主体から撤退の申し出があり、契約解除に伴って泉佐野市が土地を買い戻し、従来のMICE複合開発計画は終了
4.泉佐野市による土地の買い戻し
当初の売却額15億5,500万円から違約金4億6,650万円を差し引いた約10億8,850万円で泉佐野市が土地を取得
買い戻し後は特定用途に限定せず、関西国際空港を擁するりんくうタウンの立地特性を生かした新たな土地活用を検討
5.民間事業者へのサウンディング型市場調査
2026年には民間事業者を対象とした市場調査を実施し、ホテル・商業・交流施設などに加えて物流施設など幅広い土地利用の可能性を調査
市場ニーズや事業採算性を踏まえながら、民間事業者への再売却を前提として具体的な活用方法を検討
6.条件付き一般競争入札による再売却
2026年9月には市有地として条件付き一般競争入札による再売却募集を開始
従来のMICE施設整備を前提とした事業者公募から、民間事業者の提案や市場ニーズを重視した土地活用への転換
7.最高限度150mの超高層複合施設の可能性
対象地では建築物の高さの最高限度が150mとされており、過去のSICC計画でも約148mの超高層複合施設が想定された土地
現時点で具体的な建築計画はないものの、事業者の提案次第ではホテル・住宅・商業・MICEなどを組み合わせた超高層複合施設の実現可能性にも注目

対象地は大阪府泉佐野市りんくう往来南6番39に位置する約19,854㎡、約1.99haの市有地です。りんくうタウン駅から南へ約1.3kmの場所にあり、周辺には大型商業施設、ホテル、オフィスなどが立地しています。関西国際空港の対岸という立地に加え、阪神高速湾岸線や関西空港自動車道などへのアクセスにも恵まれており、国際観光・交流拠点だけでなく、物流・産業系の土地としても活用可能性を持つ立地です。

この土地では2018年、SP Setia系の事業者が開発事業者に選定され、「SICC(セティア泉佐野シティセンター)」と呼ばれる大型複合開発が計画されました。計画は地上38階建ての住宅棟、地上32階建てのホテル棟、MICE施設などを備えた中低層棟の3棟で構成され、全体の延床面積は約13万2,000㎡、最高高さは約148mに達する大規模プロジェクトでした。2020年着工、2024年完成が想定されていましたが、実際には着工に至らず、計画は長期にわたり停滞することとなりました。

SICC計画は、新型コロナウイルス感染症による国際観光・MICE需要の変化に加え、資材価格や人件費の上昇による建設費高騰などの影響を受け、事業が進展しない状態となりました。2025年には事業主体のSetia Osakaから撤退の申し出があり、契約解除に伴って泉佐野市が土地を買い戻しました。買い戻し額は当初の売却額15億5,500万円から違約金4億6,650万円を差し引いた10億8,850万円となり、これによって従来のMICE複合開発計画は終了しています。

泉佐野市は土地の買い戻し後、2026年2~3月に民間事業者とのサウンディング型市場調査を実施しました。市は、関西国際空港の利用者を泉佐野市へ呼び込むことによる経済的・文化的波及を期待する一方、市場ニーズに合致した土地利用でなければ売買が成立しないとして、開発内容や売却方法について民間事業者と対話を実施しています。
その後、2026年9月には「市有地(りんくう中央公園グラウンド跡地)」として条件付き一般競争入札による再売却募集が開始されました。従来のMICE施設整備を前提とした提案型公募から、市場ニーズを踏まえた民間活用へと方向性が大きく変化しています。

対象地では、都市計画上「りんくう往来南特定街区」が定められており、約2.0haの区域について建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合を600%とし、南北2か所で高層部の建築物の高さの最高限度を150m、東側の中層部を50mとしています。また、宿泊施設、MICE施設、屋内庭園、体験文化施設などは容積率の付加対象施設として位置付けられていました。

今後の再売却において具体的な建築計画は決まっていませんが、こうした都市計画上の高さ制限などを踏まえると、事業者の提案次第では100mを大きく超える超高層建築物の整備も想定でき、最高限度150mの超高層複合施設が建設される可能性があります。過去に計画されたSICCも最高高さ約148mのホテル・住宅・MICE複合施設だったことから、今後どのような用途・規模の施設が提案されるのかが注目されます。
一方、2026年の市場調査では物流施設としての活用を希望する民間事業者の意見も出ており、現時点で超高層複合施設が計画されているわけではありません。2027年1月の入札を経て、落札事業者と具体的な土地利用計画が明らかになることで、りんくうタウンの新たな大規模開発の方向性が見えてくることになります。
出典・引用元:泉佐野市 市有地(りんくう中央公園グラウンド跡地)の条件付売却募集(一般競争入札)について
最終更新日:2026年10月7日