調布駅周辺では、京王線の地下化とともに駅前の再整備が進められてきました。2017年度までに4つの再開発事業が完了し、駅前には商業・業務機能や高密度な都市型住宅が集積する都市拠点が形成されています。その中心に位置する「調布駅前広場」では、交通結節機能の強化とともに、市民が憩い・交流できる空間、さらに災害時にも活用できる多機能な広場の整備が進められています。
本事業は2014年(平成26年)に事業認可を受け、2025年度末(令和8年3月)までの完了を目指して段階的に進行中です。広場全体の完成は令和7年度末を予定しており、調布駅の新たな玄関口として、多様な人々が集い安心して利用できる空間の創出が期待されています。
調布駅前広場整備の概要
1. 事業の目的
京王線地下化後の駅前空間を再構築し、交通結節機能と賑わいを兼ね備えた都市拠点の形成。
市民が集い、憩い、災害時にも活用できる多機能な公共空間の創出。
2. 事業の位置と規模
調布市布田・小島町地区に位置する約1.6ヘクタールの整備対象区域。
南北ロータリーや歩行空間、公共施設周辺を含む駅前全体の再編。
3. 実施期間と進捗
平成26年10月の事業認可を経て、令和8年3月の完成を目指す長期計画。
現在は南側ロータリー整備や広場口建替が進む最終段階。
4. 計画の経緯
1990年代後半の構想段階から市民参加を重ねて策定された整備方針。
「にぎわい、みんなのにわ、ちょうふ」をテーマとする段階的な都市づくり。
5. 広場のゾーニング
イベントゾーン、コミュニティゾーン、みどりの庭ゾーン、おもてなしゾーンによる空間構成。
歩行空間の拡幅と景観デザインによる一体感と開放感の演出。
6. デザインと環境配慮
ユニバーサルデザインと暑熱対策を両立した快適な都市空間の形成。
ミスト設備やLED照明、遮熱舗装による環境負荷低減への取り組み。
7. 今後の展望
令和7年度末の完成を経て、市民活動と交通機能が共存する新たな駅前の創出。
映画のまち調布にふさわしい文化と交流の拠点としての発展。

調布駅前広場整備事業は、調布市布田・小島町地区に位置する約1.6ヘクタールの範囲を対象としています。計画では、交通ロータリーや歩行者空間を再編し、駅や商業施設、公共施設をスムーズに結ぶ快適な動線を形成することを目指しています。事業期間は平成26年10月から令和8年3月までとされ、現在は南側ロータリーや広場口の建替工事、舗装や植栽、ベンチなどの設置工事が進行中です。
また、駅前広場の整備に合わせて周辺道路の改良や電線共同溝の整備も行われており、地上と地下の両面から都市基盤の更新が進められています。これらの取り組みにより、駅前エリア全体としての利便性や景観の一体感が高まり、歩行者にとっても安全で快適な空間の形成が進んでいます。

調布駅前広場の整備構想は1990年代後半から検討が始まりました。市は「にぎわい、みんなのにわ、ちょうふ」というテーマを掲げ、市民意見を反映しながら段階的に計画を練り上げてきました。2000年代には「中心市街地街づくり総合計画」や「調布市都市計画マスタープラン」などが策定され、駅前の空間整備が都市づくりの重要課題として位置づけられました。
2014年に事業が正式に認可された後、北側ロータリーの整備や交通管理者との協議、市民説明会などを経て、2022年には「調布駅前広場整備計画図」が決定しました。その後は、南側ロータリーの上屋設置や広場口の建替といった具体的な工事が段階的に進められ、現在は最終的な整備段階に入っています。構想から実現までに約30年を要する長期的なプロジェクトであり、市民の生活環境を大きく変える取り組みとして注目されています。

調布駅前広場は、利用目的や周辺環境に応じて「イベントゾーン」「コミュニティゾーン」「みどりの庭ゾーン」「おもてなしゾーン」の4つのエリアに分けて整備されます。イベントゾーンは約2,000平方メートルの広さを確保し、マルシェや音楽イベント、映画関連の催しなど、調布らしい文化的活動が行える“ハレの場”として位置づけられています。

コミュニティゾーンは、市民が気軽に立ち寄れる憩いの場として整備され、ベンチや木陰を設けることで家族連れや高齢者が安心して過ごせる空間を目指しています。みどりの庭ゾーンでは、武蔵野の自然を意識した樹木の配置や芝生空間の整備が進められ、都市にいながら自然と触れ合える癒しの空間が生まれます。そして、おもてなしゾーンは駅の玄関口にふさわしい明るく開放的な空間として、来訪者を迎える印象的なデザインが採用されています。
広場全体では、壁面ガラスや人工地盤の導入により南北ロータリー間の歩行空間をこれまでの約3.8メートルから約6.1メートルに拡幅し、駅前空間の一体感と開放感を高めています。調布駅の新しい顔として、都市デザインの完成度が高い広場となる見込みです。

調布駅前広場では、すべての人が安全で快適に利用できるようユニバーサルデザインの理念を徹底しています。木陰のあるベンチやサークル型ベンチを多数配置し、夏季にはミスト設備による暑熱対策を講じています。また、デジタルサイネージによる市政情報やイベント情報の発信を行い、利便性と賑わいの両立を図っています。
新設されるトイレは安全性と防災機能を備えた設計とし、車いす利用者にも対応しています。視覚障害者団体との協議を重ねた上で誘導ブロックを設置し、舗装材の色味や輝度差にも配慮を加えています。さらに、外国人や子ども、高齢者など多様な人々が利用できるよう、標識や案内サインの多言語対応も検討されています。このように、インクルーシブなデザインを重視した整備が進められており、誰にとっても利用しやすい公共空間の実現を目指しています。

本広場は平常時と災害時の両方で活用できる“フェーズフリー”な設計思想が取り入れられています。平常時にはイベントや市民活動の電源として利用される設備が、災害時には給電・給水ポイントとして機能するなど、柔軟な運用が可能です。蓄電式やソーラー式の街路灯、USB充電ポートも設けられ、停電時にも必要なエネルギーを確保できます。
環境面では、ヒートアイランド現象の緩和に向けて、遮熱舗装の採用やミスト装置の設置、緑地の拡充などが進められています。照明にはLEDやソーラー照明を積極的に導入し、省エネルギー化を図るとともに、調布市が掲げるゼロカーボンシティの方針にも沿った取り組みとなっています。こうした環境配慮型の設計は、今後の公共空間整備のモデルケースとなることが期待されています。


2024年度から2025年度にかけて、南側ロータリーの整備や広場口の建替、新トイレの設置などが順次完了していく予定です。令和7年秋には主要な工事が完了し、令和8年3月には全体整備の完了が見込まれています。完成後の調布駅前広場には、雨天時でも快適に移動できる上屋やスマートバス停、ミスト設備、デジタルサイネージなどが整備され、交通結節点としての機能と市民活動の拠点としての役割を兼ね備えた新しい公共空間が誕生します。
また、周辺道路や駅前施設との連携により、歩行者が安全かつ快適に回遊できるウォーカブルなまちづくりが進展します。これにより、調布駅周辺は「映画のまち調布」にふさわしい文化的で魅力的な都市拠点としてさらなる発展を遂げることが期待されています。
最終更新日:2025年11月6日

