三井不動産は、神奈川県海老名市において、物流・オフィス・研究施設などを融合した複合業務施設「三井不動産インダストリアルパーク(MFIP)海老名 &forest」を2025年4月1日に着工したことを公表しました。海老名市役所の目の前という利便性の高い立地において、本施設は国内で初めて、複数テナント型の物流施設に木造構造を採用。建物全体の約半分をマルチユーススペースとし、柔軟な働き方とイノベーションの創出を支える拠点となることを目指しています。施設名称にある「&forest」は、三井不動産グループが推進する木材活用と持続可能な街づくりの理念を象徴しており、2026年6月の竣工を予定しています。
→三井不動産株式会社 「三井不動産インダストリアルパーク(MFIP)海老名 &forest」 着工
三井不動産インダストリアルパーク(MFIP)海老名 &forest」の概要
- 施設の名称と立地
「三井不動産インダストリアルパーク(MFIP)海老名 &forest」は、神奈川県海老名市、海老名市役所の目の前に立地し、物流用途とマルチユーススペース(オフィス、研究施設、ラボ等)を兼ね備えた複合施設。 - 木造構造の採用
国内初となる複数テナント型の物流施設で、木材を建物構造の一部に採用。北海道美瑛町から採取した国産材(トドマツ)を使用し、木鋼ハイブリッド梁を導入。 - CO2削減効果
木造共用部を鉄骨造と比較してCO2排出量を約40%削減することを見込む。 - 施設の特徴
約半分がオフィスや研究施設などで構成され、テナント企業の柔軟な拠点創造を支援し、社会的イノベーションや付加価値創出を目指す。 - 木材を活用したデザイン
木質感あふれるメインエントランスや3階ラウンジが特徴で、自然の風合いを感じられる空間を提供。北海道の森林音を再現した音響システムも導入。 - 自然との調和
施設内のアートやデザインに、田圃の記憶や稲穂のモチーフを取り入れ、自然との調和を表現。 - 竣工予定と規模
施設は2025年4月1日に着工し、2026年6月末に竣工予定。敷地面積は約19,822m²、延床面積は約40,219㎡で、地上4階建て。

落ち着いた色調と温もりのある木材が印象的な外観です。周囲の農地や緑に溶け込むよう配慮されたデザインが特徴で、地域の景観と調和しながらも、現代的な意匠によって存在感を放っています。緩やかな勾配屋根と水平ラインを強調した構成や、次世代の働く場・物流拠点としての風格を兼ね備えた外観となっています。

建物の一部には、木造の構造体や仕上げを採用した共用部が設けられ、木の温もりを感じられる空間となっています。本施設は、国内初の国産材を建物構造に取り入れた複数テナント型の物流施設となり、三井不動産グループの北海道美瑛町の保有林から採取したトドマツ材を、木造柱の一部や燃え代層、木鋼ハイブリッド梁の被覆材、天井、内装材などに積極的に使用しています。共用部は高い階高(6.6m)と広い空間(10.8m×13m)を特徴とし、木鋼ハイブリッド梁(2時間耐火)を採用した耐火構造を採用しています。この構造は、木材が炭化することで熱の侵入を抑制し、耐火性能を確保しています。また、木造柱が鉛直支持力を担う「鉄骨造一部木造」の形式となり、鉄骨造と比べてCO2排出量を約40%削減できる見込みです。

本施設のメインエントランスは、木と植物の風合いを活かした有機的で柔らかな空間が特徴です。壁面には、かつて田圃だった土地の記憶を表現した「豊作」を象徴する稲穂のアートが設置され、欄間職人の伝統技術で人と自然の調和が表現されています。3階ラウンジでは、北海道美瑛町の保有林の木材を内装に使用し、木質感あふれる空間を作り上げています。さらに、「KooNe」のハイレゾ空間音響システムを用いて、森林内の音空間を再現し、安らぎと癒しを提供しています。共用空間には木の素材感を活かした内装が施され、自然光と調和した明るく開放的な雰囲気が広がり、内装にも木の要素が取り入れられ、居心地よさと洗練された印象を兼ね備えています。

計画地周辺は現在、農地や駐車場として利用されており、比較的ゆとりある敷地が広がっています。今回の開発では、こうした未利用地を有効に活用してテナント企業の柔軟な拠点創造を支援し、社会のイノベーション・付加価値の創出の場の形成を図ることが目的とされています。現地は交通アクセスにも恵まれており、今後の街づくりの拠点として大きな可能性を秘めています。将来的には、生活と自然が調和した新たな住宅地として生まれ変わることが期待されています。
最終更新日:2025年4月28日