岡山市は、トップスポーツチームや各種イベントの拠点となる新たな多目的屋内施設(アリーナ)の整備を進めています。整備の目的は、トップチームの競技活動支援にとどまらず、地域住民がスポーツやコンサート、展示会などを通じて交流できる場を提供し、まちの活性化と地域の一体感の醸成を図ることにあります。
施設は独立採算での運営を前提としており、民間事業者のノウハウを最大限活かすことで、持続可能な運営と財政負担の軽減を目指すものとされています。最大収容者数は1万人、コンサート利用時は7,000~8,000席を想定し、周辺産業への経済波及効果は20年間で2,800億円以上が見込まれています。
→岡山市 アリーナ整備検討会議について
→岡山市 岡山市多目的屋内施設(アリーナ)整備事業について
岡山市アリーナ整備計画の概要
- 立地とアクセス
北長瀬地区に建設予定。
交通利便性の高い拠点整備。 - 施設規模と構造
最大収容人数1万人規模を確保。
多目的利用可能なアリーナ構造。 - スポーツ利用
プロ・アマ競技対応。
地域スポーツ振興の拠点。 - 文化・イベント利用
コンサートや展示会対応。
地域文化交流の拠点。 - 防災・地域支援機能
災害時の避難拠点。
救護・物資受け入れ対応。 - 北長瀬未来ふれあい総合公園との連携
避難・スポーツ・交流の複合拠点。
地域コミュニティ形成の推進。 - 岡山ドームとの関係
イベント受け入れ能力の強化。
地域全体の集客力向上。

岡山市は、バレーボールの岡山シーガルズ、バスケットボールのトライフープ岡山、卓球の岡山リベッツ、サッカーのファジアーノ岡山といった複数のトップチームを有する都市で、全国的にも特筆すべきスポーツ環境を持っています。しかし、既存施設ではトップチームが上位リーグで活動するためのホームアリーナ基準を満たすことが難しく、試合開催に支障が出る状況でした。
整備の目的は、トップチームの活動支援に加え、市民にスポーツやイベントの観覧機会を提供し、地域への愛着や誇りを醸成することです。さらに、プロスポーツや興行、展示会の開催を通じて宿泊を伴う交流人口を増加させ、地域経済の活性化にもつなげます。また、北長瀬未来ふれあい総合公園との連携による防災機能の強化も重要な目的の一つです。

新アリーナは、最大収容者数1万人、コンサート利用時は7,000~8,000席を基本に設計されます。施設面積は約26,000㎡で、メインアリーナ、サブアリーナ、更衣室、倉庫、ホスピタリティラウンジ、運営管理室、メディアルームなど多様な機能を備えます。観覧機能やホスピタリティ機能を充実させることで、トップチームの試合や大規模イベントに対応可能です。また、ゼロカーボンやユニバーサルデザインの採用により、環境負荷を低減しながら誰もが快適に利用できる施設を目指すものとされています。


トップチーム支援やコンサート開催の採算性を踏まえ、客席規模は5,000席以上(スポーツ時)を基本とし、コンサートや展示会時は7,000~8,000席を確保することが最適と判断されました。イベントプロモーターへのヒアリングでも、岡山市の立地条件は四国・山陰・関西からの集客が見込めるとして、広島と同等以上の利用可能性があるとの回答を得ています。
収支シミュレーションでは、貸館収入だけでも年間約4億円が見込まれ、備品貸出や飲食物販、広告・スポンサー収入などを加えることで独立採算可能な事業となると考えられます。

アリーナ運営の効率性と収益性を高めるため、DBO方式、PFI(BTO方式)、PFI(BT+コンセッション方式)の3方式を比較検討しました。民間事業者のノウハウを最大限活かす自由度や裁量の観点から、PFI(BTO方式)が有力とされています。この方式では、設計・建設・維持管理・運営を民間事業者に一括委託でき、運営権対価の活用により市の財政負担の軽減も期待できます。概算事業費は約280億円で、国庫補助金や寄附金を活用して市負担を抑える方針です。

アリーナ整備後は、自動車による来場抑制、交通円滑化、公共交通の最適化、タクシー運用の適正化が課題とされます。イベント時にはトップチームスポーツ大会で約1,000台、コンサート時はさらに多くの車両利用が想定されるため、駐車場情報提供、事前予約制、料金調整、シャトルバス運行、公共交通割引、コミュニティサイクル活用など、さまざまな施策により交通分散を図ります。これにより周辺道路の混雑緩和と来場者の利便性向上を目指します。


北長瀬未来ふれあい総合公園は、地域住民の憩いの場として整備された広大な公園です。ジョギングコースや芝生広場、多目的広場、子ども向け遊具などがあり、幅広い世代が日常的に利用できます。
アリーナとの連携により、防災やイベントの拠点としても活用可能です。災害時には避難所や物資集積所として機能し、防災訓練や地域イベントも開催できます。また、公園とアリーナを組み合わせることで、屋外・屋内両方の施設を活用したスポーツや文化イベントの運営が容易になり、地域コミュニティ形成にも寄与します。

岡山ドームは多目的屋内施設として、スポーツ大会やコンサート、展示会など幅広いイベントに対応しています。新アリーナとの連携により、大規模イベントの開催や来場者誘導が効率化されます。
スポーツ大会では、アリーナで競技を行い、ドームで開会式や大規模試合を実施するなど柔軟な運営が可能になるものと思われます。また、展示会やフェスティバルでは屋内外のスペースを連動させ、来場者の滞留を防ぐことも可能です。既存の交通アクセスや駐車場も活用でき、地域の観光振興や経済効果向上にもつながります。
最終更新日:2025年11月14日

