松山市では、「歩いて暮らせるまちづくり」を都市政策の柱に据え、その中核事業として松山市駅前広場の再整備を進めています。松山市駅前広場は、花園町通りと銀天街を結節し、1日約3万人が利用する市内最大級の交通・交流拠点です。
本事業では、路面電車・郊外電車・路線バス・タクシーといった公共交通の乗り継ぎ利便性を高めるとともに、市民や観光客が自然に集い、滞在できる質の高い広場空間を創出します。交通結節点としての機能強化と、憩い・にぎわいの創出を両立させることで、中心市街地全体の回遊性向上と都市魅力の底上げを図り、松山らしい都市景観と持続可能なまちづくりの実現を目指しています。
松山市駅前広場整備の概要
1.松山市駅前広場再整備の位置付け
歩いて暮らせるまちづくりを支える中核事業としての駅前広場再整備。
松山市の都市構造転換を象徴する重要プロジェクト。
2.市内最大級の交通・交流拠点
1日約3万人が利用する松山市最大の公共交通結節点。
郊外電車・路面電車・バスが集まる都市の玄関口。
3.公共交通の利便性向上
交通機関の近接配置による円滑な乗り継ぎ環境の整備。
自動車依存から公共交通中心への転換促進。
4.人が滞在する駅前空間の創出
通過点から滞在・交流の場へと進化する駅前広場。
市民や観光客が自然に集う公共空間の形成。
5.中心市街地の回遊性強化
花園町通りや銀天街と連動した人の流れの創出。
周辺商業地への波及効果を生む拠点整備。
6.松山らしさを活かした景観形成
歴史・文化資源と調和したデザインによる都市景観。
松山の顔としての品格ある駅前空間。
7.都市魅力と持続性の向上
交通機能とにぎわいを両立させた駅前再編。
将来にわたり価値を高める持続可能な中心市街地。

松山市駅は、伊予鉄道の郊外電車、市内電車(路面電車)、路線バスが集約する市内最大の交通結節点であり、松山都市圏の玄関口として重要な役割を担っています。花園町通りと銀天街の結節点に位置し、城山公園や大街道、道後温泉方面へと続く歩行者ネットワークの起点でもあります。
一方、従来の駅前広場は、交通機能が分散し、乗り換え動線が複雑であることや、歩行者が車道を横断する必要があるなど、安全性・快適性の面で課題を抱えていました。今回の再整備では、松山市駅を単なる交通拠点にとどめず、「人が集い、まちへ広がる起点」として再構築することが重視されています。


本整備の最大の目的は、公共交通の利便性向上と中心市街地の持続的な活性化です。松山市では、人口減少や高齢化の進行を見据え、自動車依存型から公共交通・徒歩中心の都市構造への転換を進めています。その象徴的なプロジェクトが、松山市駅前広場の再整備です。
交通結節点の機能を強化するだけでなく、広場そのものを都市の公共空間として再定義し、人々が自然と集まり、周辺商業地へと回遊する流れを生み出すことが狙いです。駅前広場を起点としたにぎわいの波及が、中心市街地全体の魅力向上につながることが期待されています。

市駅前広場整備のコンセプトは、「人々の往来と賑わいを『つなぐ』松山の交通・交流拠点」です。郊外電車と市内電車の電停を近接配置することで交通をつなぎ、バスやタクシーとの乗り継ぎもスムーズにします。
さらに、花園町通りや銀天街、大街道など周辺市街地と一体となった空間形成により、人の流れとにぎわいを連続させます。松山城や道後温泉に代表される歴史・文化資源との調和も意識し、松山らしさを感じられる駅前空間を次世代へとつないでいく考え方が貫かれています。


広場は、「交通ゾーン」「憩いゾーン」「にぎわいゾーン」「結節ゾーン」の4つのゾーンで構成されます。交通ゾーンには、路面電車・バス・タクシー・一般車の乗降機能を集約し、効率的な動線を確保します。
憩いゾーンでは、ベンチや緑陰を設け、待ち合わせや休憩ができる落ち着いた空間を形成します。にぎわいゾーンは、イベントやマルシェなど多様な活用を想定した柔軟な空間とし、結節ゾーンが各エリアをシームレスにつなぎます。バリアフリー動線の確保や分かりやすいサイン計画も重視され、誰もが利用しやすい駅前広場を目指しています。


景観デザインでは、花園町通りから銀天街までの連続性を意識し、舗装材には御影石や煉瓦調素材など、耐久性と温かみを兼ね備えたものが採用されています。照明や車止めには鋳鉄製の統一デザインを用い、落ち着きのある街並みを演出します。
また、アーチ状の大屋根や県産材を活用した木製ルーバーなど、素材や意匠の面でも松山らしさを表現しています。昼夜を問わず安全で美しい景観を保つことで、駅前広場が「松山の顔」として印象に残る空間となることが期待されています。


整備に伴う交通への影響を最小限に抑えるため、路線バスの運行ルート変更や新たなバス停設置、千舟町通りの車線構成の見直しなどが段階的に実施されています。通行ルールは、ステップⅠからⅢまでの3段階で変更され、市内電車の線路移設やロータリー整備と連動して進められます。
社会実験や利用者への丁寧な周知を重ねながら、交通の円滑化と歩行者の安全確保を両立させる点も、本事業の特徴となっています。
完成後の市駅前広場では、マルシェやフリーマーケット、音楽イベントなど、季節や時間帯に応じた多様な催しが想定されています。広場は単なる通過点ではなく、市民や観光客が滞在し、交流し、松山の魅力を体感できる場へと生まれ変わります。松山市駅前広場整備は、「歩いて暮らせるまち松山」を象徴するプロジェクトとして、中心市街地の回遊性向上と都市価値の向上に大きく寄与することが期待されています。


松山市駅は、伊予鉄道の郊外電車、市内電車(路面電車)、路線バスが一体的に集まる、松山市最大の交通結節点であり、一日平均乗降客数27,416人と、JRを含めた四国最大のターミナル駅ともなっています。市内外からの来訪者が最初に降り立つ「都市の玄関口」としての役割を担うとともに、市民の日常的な移動を支える基幹駅として機能しています。
駅舎には商業施設「いよてつ高島屋」が併設されており、交通と商業が融合した複合拠点となっている点も大きな特徴です。通勤・通学客に加え、買い物客や観光客の利用も多く、平日・休日を問わず高い集客力を誇っています。
また、松山市駅は、花園町通りや銀天街、大街道といった中心市街地の主要動線の起点に位置し、松山城や道後温泉方面へ向かう回遊の出発点でもあります。今回の駅前広場整備と一体となった再編により、松山市駅は「乗り換える場所」から「まちへと広がる場所」へと役割を進化させつつあります。公共交通の利便性を高めながら、人が集い、滞在し、交流が生まれる都市拠点として、松山市駅は今後の中心市街地再生を牽引する存在になることが期待されています。
出典・引用元:松山市 松山市駅前広場の整備
最終更新日:2026年2月4日