渋谷駅ハチ公口至近、スクランブル交差点からほど近い場所で建設が進められてきた「渋谷マルイ新築工事」において、ついに外観の工事用シートが外され、日本初の本格的な木造商業施設の姿が街に現れました。1971年の開業以来、約50年にわたり渋谷のランドマークとして親しまれてきた渋谷マルイは、2022年8月に一時休業し、次世代型のサステナブル商業施設へと建替えが進められています。
新施設は、構造の約60%に木材を使用した木造×鉄骨造のハイブリッド高層建築で、従来の鉄骨造と比べて約2,000トンのCO₂排出削減を見込む環境配慮型の計画です。外装にも大胆に木材を取り入れ、都市の中心に「木のぬくもり」と「先進性」を同時に表現する建築として注目を集めています。2026年の開業予定に向け、遂に上棟、足場やシートが徐々に外され、渋谷の新たなシンボルがいよいよ具体的な姿を見せ始めました。
→株式会社丸井グループ 日本初の本格的な木造商業施設 誕生へ -2026 年、渋谷マルイが生まれ変わります-
渋谷マルイの概要
1.日本初の本格的木造商業施設の誕生
構造の約60%に木材を使用した、国内初となる本格的木造商業施設への建替え計画。
都市中心部における環境配慮型建築の新たなモデル創出。
2.半世紀にわたる渋谷マルイの歴史継承
1971年開業から約50年間にわたり渋谷のランドマークとして親しまれてきた商業施設。
次世代に向けた価値創出とブランド継承を目的とした再出発。
3.CO₂削減を実現するサステナブル建築
鉄骨造と比較して約2,000トンのCO₂排出削減を見込む環境性能。
脱炭素社会に貢献する都市型サステナブル施設の実現。
4.木造×鉄骨造ハイブリッド高層構造
西側を木造、東側を鉄骨造とする合理的な構造計画による安全性と施工性の両立。
高度な耐火・変形対策技術を取り入れた先進的建築構成。
5.木材を大胆に活用した外観デザイン
耐候性・防腐性・不燃性を確保した木材を外装に採用した都市景観への新提案。
温かみと先進性を兼ね備えたファサード表現。
6.世界的設計事務所Foster+Partnersによる設計
環境配慮型建築をリードしてきた国際的建築チームの参画。
自然エネルギー活用と持続可能性を重視した空間設計。
7.2026年開業に向けた渋谷の新たな象徴形成
外観シート撤去により街に現れた新ランドマークの具体化。
渋谷の都市イメージ更新と回遊性向上への寄与。

渋谷マルイは1971年に開店し、半世紀にわたり若者文化やトレンドファッション、さらには近年のアニメ・コンテンツイベントまで、時代の変化に合わせて多様な役割を担ってきました。丸井グループのフラッグシップ的存在として、渋谷の街とともに歩んできた商業施設といえます。
今回の建替えは、単なる老朽化対策ではなく、今後も多様化する来街者ニーズに対応し続けるための「次の50年」に向けた基盤づくりです。丸井グループが掲げる「将来世代の未来を共に創る」という価値観を象徴する施設として、環境配慮や社会貢献を重視したテナント構成や、新しい体験価値の提供が計画されています。長年親しまれてきた記憶を継承しながら、都市型商業施設の新たなモデルへと進化を遂げようとしています。

新しい渋谷マルイ最大の特徴は、構造の約60%に木材を使用した本格的な木造商業施設である点です。耐火木材やCLTパネルなど、近年急速に進化した木造建築技術を積極的に取り入れ、高層商業施設としては世界的にも先進的な試みとなっています。
木材は成長過程でCO₂を吸収し、製造時の環境負荷も鉄に比べて小さい素材です。本計画では、仮に全てを鉄骨造で建設した場合と比較して、約2,000トンのCO₂排出削減が見込まれています。環境性能と都市機能を両立させるこのアプローチは、今後の都市建築の方向性を示す象徴的なプロジェクトといえるでしょう。


建物は地下2階、地上9階、高さ50.64m、延床面積約6,868.32㎡規模の中高層建築です。地上部分は、西側(公園通り側)を木造、東側(JR線路側)を鉄骨造とするハイブリッド構成で、安全性・施工性・環境性能をバランスよく成立させています。
木造部分では、工場で製作された柱や梁を現場で組み立て、耐火性能を確保するために石膏ボードや仕上げ材を重ねる高度な施工が採用されています。一方で、木材特有の「変形」や「たわみ」を考慮した設計・施工管理が不可欠で、梁にあらかじめ逆方向のむくりを設けるなど、緻密な技術対応が行われています。都市の厳しい施工条件下で、前例の少ない木造高層商業施設を実現している点は、建築技術の面からも大きな注目を集めています。

今回、工事用シートが外れたことで、外装にふんだんに使用された木材の表情が街から確認できるようになりました。特に公園通り側のメインファサードでは、木の質感が都市の硬質な風景に柔らかさと温かみをもたらしています。
外装に木材を使用するためには、耐候性・防腐性・防蟻性・不燃性・メンテナンス性といった多くの性能条件を満たす必要があります。本計画では、特殊処理を施した木材を採用し、品質検証を重ねたうえで実現されています。都市の中心部でここまで大胆に木を使った外装は非常に珍しく、完成後は渋谷の新たな景観アイコンとなることが期待されます。

設計を担当するのは、ロンドンを拠点とする国際的建築設計事務所「Foster+Partners」です。同社は環境配慮型建築の分野で世界的に高い評価を受けており、自然エネルギーの活用や素材選定を通じて、持続可能な都市建築を数多く手がけてきました。また、施工は戸田建設・住友林業共同企業体が進めています。
渋谷マルイ新店舗では、木造構造による炭素削減効果に加え、自然光の活用、再生可能エネルギー由来電力の使用など、最高水準のサステナブル技術が導入される予定です。来訪者にとっては、温かみのある空間体験と開放感を備えた、新しい都市型商業施設としての魅力が創出されます。2026年の開業に向け、外観が姿を現した今、渋谷の街がどのようにこの新しいランドマークを受け入れていくのか、大きな期待が高まっています。
最終更新日:2026年1月30日