六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業は、東京都港区六本木五丁目、六本木六丁目、麻布十番一丁目各地内で計画されている大規模再開発事業で、地上66階、地下8階、高さ327mの超高層ビル、地上70階、地下5階、高さ288mの超高層タワーマンションなどから構成される大規模複合施設です。第2六本木ヒルズとも呼ばれている当該再開発事業の再開発区域は、東京メトロ日比谷線、都営大江戸線「六本木」駅南側、六本木ヒルズ東側一帯、北側を外苑東通り、西側を区画道路1号、南側を環状第3号線、東側を区画道路2号に囲まれた一帯の約10.1haに位置しています。
駅及び交差点に十分な滞留空間がないほか、駅間の連絡通路のバリアフリー非対応、各種公共交通の乗降場が点在しており利便性が低いこと、高低差のある地形により急勾配が存在すること、自動車交通環境の容量不足といった課題があります。これらの課題を解決するために、新たな拠点を支える都市基盤の整備や国際競争力強化に資する都市機能の導入、環境への取り組みと防災対応力強化がなされます。
施設構成は、A-1街区に事務所、ホテル、店舗、展望施設、集会場、劇場、駐車場 等、A-2街区に寺院 等、A-3街区に教会 等、B街区に共同住宅、店舗、事務所、駐車場 等、C街区に学校 等、D街区に集会場、宿泊施設 等(既存建物)、E街区に共同住宅、店舗、駐車場 等となっています。また、東京メトロ日比谷線、都営大江戸線「六本木」駅南側には地下鉄駅接続通路、駅まち広場、交通結節広場が整備され、地下1階に六本木駅と環状3号線を、地上1階に外苑東通りと環状3号線をバリアフリーでつなぐ歩行者通路が整備されます。更に高低差が約10mある地区幹線道路と区画道路2号をバリアフリーでつなぐ、緑豊かな東西貫通通路となる歩行者通路も整備されます。
施設機能としては、六本木の特性を活かした文化、交流(MICE)、都市観光、エンターテインメント、宿泊機能の整備がなされます。A-1街区の高層階には、文化展望施設も入り、展望機能の導入も行われるほか、B街区のタワーマンションには外国人就業者や居住者に対応する国際水準の居住機能が整備されます。環境性能面では、低層部に約16,000㎡に及ぶ立体的な屋上庭園「都心の森」の整備、太陽光発電や高効率機器の導入、高性能Low-Eガラスの採用、街区全体の水循環、地中熱利用などが挙げられており、環境負荷低減に向けた取り組みも行われます。
建築主は六本木五丁目西地区市街地再開発準備組合、事業協力者は森ビル株式会社、住友不動産株式会社です。当初計画では着工は2025年度、竣工は2030年度となっています。日本国内では、あべのハルカス、麻布台ヒルズ 森JPタワー、東京トーチ トーチタワーに次いで4番目のスーパートールとなります。
出典・引用元
・内閣府 国家戦略特区 都市再生特別地区(六本木五丁目西地区)都市計画(素案)の概要
・港区議会 令和5年9月6日 建設常任委員会 資料9_六本木五丁目西地区地区計画の決定(原案)について
・森ビル株式会社/住友不動産株式会社 六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 ラグジュアリーライフスタイルホテル「ローズウッド」が東京初進出
過去の建設状況
→過去の建設状況
出典:内閣府/森ビル株式会社/住友不動産株式会社
概要
| 名称 |
六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 |
| 計画名 |
六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 A-1街区:事務所棟 A-2街区:寺院 A-3街区:教会 B街区:高層住宅棟 C街区:学校 D街区:国際文化会館 E街区:南住宅棟 |
| 所在地 |
東京都港区六本木五丁目、六本木六丁目、麻布十番一丁目各地内 |
| 用途 |
A-1街区:事務所、ホテル、店舗、展望施設、集会場、劇場、駐車場 等 A-2街区:寺院 等 A-3街区:教会 等 B街区:共同住宅、店舗、事務所、駐車場 等 C街区:学校 等(幼稚園、小学校) D街区:集会場、宿泊施設 等(既存建物) E街区:共同住宅、店舗、駐車場 等 |
| 階数 |
A-1街区:地上66階、地下8階 A-2街区:地上3階 A-3街区:地上3階、地下1階 B街区:地上70階、地下5階 C街区:地上6階 D街区:地上3階、地下1階 E街区:地上9階、地下3階 |
| 高さ |
A-1街区:327m *ニュースリリース:約330m A-2街区:20m A-3街区:20m B街区:288m C街区:35m D街区:35m E街区:35m |
| 構造 |
A-1街区:地上:鉄骨造/地下:鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造 A-2街区:鉄筋コンクリート造 A-3街区:鉄筋コンクリート造 B街区:鉄筋コンクリート造 C街区:鉄筋コンクリート造、木造 D街区:ー E街区:鉄筋コンクリート造 |
| 基礎工法 |
ー |
| 総戸数 |
約950戸 B街区:約850戸 E街区:約100戸 |
| 客室数 |
約200室 |
| 敷地面積 |
区域面積:約10.1ha 約79,630㎡ (新築部分:約70,890㎡) A-1街区:約38,600㎡ A-2街区:約680㎡ A-3街区:約1,010㎡ B街区:約14,400㎡ C街区:約11,300㎡ D街区:約8,740㎡ E街区:約4,900㎡ |
| 建築面積 |
新築部分:約53,975㎡ A-1街区:約33,250㎡ A-2街区:約425㎡ A-3街区:約600㎡ B街区:約10,500㎡ C街区:約5,600㎡ D街区:ー E街区:約3,600㎡ |
| 延床面積 |
約1,086,600㎡ (新築部分:約1,081,960㎡) A-1街区:約794,450㎡ A-2街区:約1,040㎡ A-3街区:約1,380㎡ B街区:約239,050㎡ C街区:約16,850㎡ D街区:約4,500㎡ E街区:約29,190㎡ |
| 着工 |
2025年度 *当初計画 六本木駅接続通路:2025年度 新一の橋交差点改良工事:2025年度 |
| 竣工 |
2030年度 *当初計画 六本木駅接続通路:2035年度 新一の橋交差点改良工事:2030年度 |
| 建築主 |
六本木五丁目西地区市街地再開発準備組合 事業協力者:森ビル株式会社、住友不動産株式会社 |
| 設計 |
ー |
| 施工 |
ー |
| 最寄駅 |
東京メトロ日比谷線、都営大江戸線「六本木」駅、東京メトロ南北線、都営大江戸線「麻布十番」駅、東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅 |
| 備考 |
ー |
位置図
区域図
出典:内閣府
配置図
出典:内閣府
立面図
出典:港区
断面図
出典:内閣府
イメージパース
▼A-1街区 複合棟/B街区 高層住宅棟
出典:内閣府/森ビル株式会社/住友不動産株式会社
▼B街区 西住宅棟
出典:内閣府/森ビル株式会社/住友不動産株式会社
▼E街区 南住宅棟
出典:内閣府/森ビル株式会社/住友不動産株式会社
現地状況
六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業は、森ビル株式会社と住友不動産株式会社が事業協力者として推進する、東京都港区六本木五丁目一帯の大規模再開発です。六本木交差点周辺の約8ヘクタールにわたる広大なエリアを対象に、約330メートル級の超高層タワーを中心とした複合市街地が形成されます。交通結節機能の強化、国際的なMICE機能の導入、国際水準の住宅整備、「都心の森」の創出、防災・環境性能の向上などを一体的に進めることで、東京の国際競争力をさらに高めることを目指しているとのことです。
出典:森ビル株式会社/住友不動産株式会社
六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業の大きな特徴のひとつが、六本木駅周辺の交通機能を抜本的に再編することです。現在の六本木駅周辺は、地下鉄出入口やバス停、タクシー乗り場が分散し、歩行者の滞留空間も不足しています。また、東京メトロ日比谷線と都営大江戸線の乗り換え経路には階段が多く、バリアフリー面で課題を抱えています。
再開発では、六本木交差点に面した滞留空間や地下接続通路を整備し、駅と街をスムーズにつなぎます。さらに、約4,600㎡の「駅まち広場」と約5,800㎡の「交通結節広場」を整備し、バスやタクシーの乗降場を集約。地上と地下を立体的につなぐことで、誰もが利用しやすい高機能な交通拠点を実現します。
出典:内閣府/森ビル株式会社/住友不動産株式会社
六本木五丁目西地区は高低差の大きい地形に位置し、これまで歩行者の移動には不便が伴っていました。再開発では、東西および南北に貫通する歩行者通路を整備し、約10メートルの高低差をバリアフリーで解消します。
外苑東通りや環状第3号線、麻布十番方面との連続性も強化され、六本木と麻布十番を結ぶ新たな回遊ルートが形成されます。通路沿いには商業施設や広場が設けられ、歩くだけでも楽しめる都市空間となります。駅と街、街と街をつなぐネットワークの充実により、地区全体の利便性と魅力が大きく向上します。
出典:内閣府/森ビル株式会社/住友不動産株式会社
六本木交差点周辺では慢性的な交通渋滞が課題となっています。特に六本木五丁目交差点や新一の橋交差点では右折車線の容量不足が目立ち、周辺道路への負荷が大きくなっています。
本事業では、外苑東通りの一部を25メートルから30メートルへ拡幅し、新たな地区幹線道路を整備します。これにより、外苑東通りと環状第3号線を結ぶ新たな自動車ネットワークを構築し、住宅街への通過交通流入を抑制します。歩道の拡幅も進められ、地域住民や通学する児童・生徒にとって安全で快適な道路空間が実現します。
六本木は外資系企業、美術館、ギャラリーが集積する国際的な街であり、本事業ではその特性を生かした都市機能が導入されます。メインタワーには大規模カンファレンス施設、イベントホール、文化施設、展望施設、そしてハイクラスホテルが整備されます。
ホテル運営会社には、世界最高峰のラグジュアリーホテルブランドであるRosewood Hotels & Resortsが選定されました。東京初進出となる「ローズウッド東京」は、約200室の客室、レストラン、宴会場、スパを備え、最上層部から東京の景観を一望できます。イベントホールや会議施設と連携し、国際会議や企業イベントなどの開催を支えることで、六本木のMICE機能を飛躍的に高めます。
六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業では約96,000㎡の住宅機能が整備され、総戸数は約800戸に及びます。平均住戸面積は約150㎡と広く、最大630㎡に達する住戸も計画されています。
24時間対応のバイリンガルフロント、コンシェルジュ、ドアマン、ポーター、ハウスキーピング、フィットネスジムなど、海外の高級レジデンスと同等のサービスを提供します。周辺には大使館、インターナショナルスクール、医療機関が集積しており、外国人ビジネスパーソンやその家族にとって理想的な居住環境となります。東京の国際都市としての魅力をさらに高める重要な機能です。
出典:内閣府/森ビル株式会社/住友不動産株式会社
出典:内閣府/森ビル株式会社/住友不動産株式会社
再開発の象徴となるのが、人工地盤上に整備される約16,000㎡の大規模屋上庭園「都心の森」です。国際文化会館の庭園と連続し、都心とは思えない豊かな緑と開放的な空間を生み出します。
防災面でも、コジェネレーションシステムや非常用発電機によって72時間以上のエネルギー供給を確保。約5,000㎡の帰宅困難者受け入れスペース、防災備蓄倉庫、非常災害用井戸を整備します。また、急斜面地の改良によって土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の解除も図られ、安全性が大きく向上します。
六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業は、東京都のゼロエミッション政策を先導する環境先進型プロジェクトでもあります。オフィス部分ではZEB Ready、住宅部分ではZEH-M Orientedを目指し、地区全体でCASBEE Sランク取得を視野に入れているとのことです。
地域冷暖房、大規模蓄熱槽、地中熱利用、太陽光発電、雨水・雑排水の再利用など、多様な環境技術を導入。オフィスのCO₂排出原単位を48kg-CO₂/㎡・年以下に抑えることを目標としています。さらに、電力需給ひっ迫時には蓄熱槽やコジェネレーションシステムを活用したデマンドレスポンスを行い、都市全体のエネルギー安定化にも貢献するものとされています。
出典:内閣府/森ビル株式会社/住友不動産株式会社
ホテルには、世界的なラグジュアリーホテルブランドであるRosewood Hotels & Resortsが運営する「ローズウッド東京」が進出します。東京への進出は本プロジェクトが初めてで、六本木の新たなランドマークとして注目を集めています。
「ローズウッド東京」は、高さ約330メートルのメインタワー最上層部に位置し、約200室の客室を整備します。館内にはレストラン、バー、宴会場、スパなどを備え、世界中の富裕層やビジネス客に最高水準のサービスを提供します。約16,000㎡の「都心の森」と東京の大パノラマを望む特別な滞在体験が実現します。
また、イベントホールやカンファレンス施設と連携し、国際会議や企業イベントにも対応することで、六本木エリアのMICE機能の強化に貢献します。ローズウッド東京の開業により、六本木の国際的な魅力はさらに高まることになります。
六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 A-1街区
東側から見た六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 A-1街区の計画地の様子です。撮影時は暫定的にコインパーキングとして活用されていました。A-1街区には事務所、ホテル、店舗、展望施設、集会場、劇場、駐車場から構成される地上66階、地下8階、高さ327mの超高層ビルが建設されます。2023年6月撮影。
南東側から見た六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 A-1街区の計画地の様子です。
北東側から見た六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 A-1街区の計画地の様子です。再開発区域北東側には「六本木共同ビル(ロアビル)」が建っています。
北西側から見た六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 A-1街区の計画地の様子です。
再開発区域北西側は、六本木交差点に接しています。
南西側から見た六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 A-1街区の計画地の様子です。
六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 A-2街区
南西側から見た六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 A-2街区の計画地の様子です。撮影時は既存建築物の雑居ビル等が建ち並んでいました。A-2街区には寺院 等から構成される地上3階、高さ20mの低層棟が建設されます。
六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 A-3街区
南東側から見た六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 A-3街区の計画地の様子です。撮影時は「鳥居坂教会」が建っていました。A-3街区は教会等から構成される地上3階、地下1階、高さ20mの低層棟が建設されます。
六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 B街区
南西側から見た六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 B街区北側の計画地の様子です。撮影時は雑居ビルや駐車場が点在していました。B街区北側には、地上70階、地下5階、高さ288mの超高層タワーマンションが建設されます。
北西側から見た六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 B街区北側の計画地の様子です。
B街区を南北に分断するように駐車場があります。
南西側から見た六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 B街区南側、西住宅棟の計画地の様子です。
六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 C街区
東側から見た六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 C街区の計画地の様子です。撮影時は既存建築物の「東洋英和女学院小学部」、「東洋英和幼稚園」が建っています。C街区には、地上6階、高さ35mの学校が建設されます。
六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 D街区
東側から見た六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 D街区の計画地の様子です。1952年に樺山愛輔、高木八尺や松本重治といった知識人を中心に、ロックフェラー財団をはじめとする内外の諸団体や個人からの支援により設立され、前川國男、坂倉準三、吉村順三による設計で1955年に竣工した「国際文化会館」が建っています。D街区は、国際文化会館が活用され、地上3階、地下1階、高さ35mの集会場、宿泊施設 等となります。
六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 E街区
東側から見た六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 E街区の計画地の様子です。E街区には共同住宅、店舗、駐車場から構成される地上9階、地下3階、高さ35mの南住宅棟が建設されます。
最終更新日:2026年5月17日