京急本線と都営浅草線が接続する泉岳寺駅では、将来の利用者増加や周辺開発の進展を見据え、大規模な駅改良工事が進められています。改良の内容は、駅ホームの拡幅、地下コンコースの拡張、エスカレーターやエレベーターといった昇降施設の強化、出入口の増設など多岐にわたり、駅の利便性と安全性を飛躍的に高めることを目的としています。さらに、バリアフリー化の推進にも重点が置かれており、誰もが快適に利用できる駅を実現する計画です。
加えて、泉岳寺駅直上では「泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業」が東京都によって進められており、駅とまちを一体的に整備する取り組みが展開されています。これにより、泉岳寺駅は単なる交通結節点にとどまらず、国際交流拠点の中核を担う都市空間へと進化することが期待されています。
→京浜急行電鉄株式会社 2025年度 鉄道事業 設備投資計画
泉岳寺駅改良工事の概要
- 国際交流拠点としての重要性
京急本線と都営浅草線の接続点としての交通結節機能、羽田空港・成田空港へのアクセス利便性、将来的な利用者増加見込み。 - 改良工事の目的
駅利便性向上、利用者安全性確保、バリアフリー化推進、ホーム拡幅・コンコース拡張・昇降施設強化・出入口増設による総合的駅機能改善。 - ホーム拡幅計画
現行約5メートルから最大約10メートルへの拡幅、混雑緩和、安全性向上、災害時避難経路確保。 - コンコース・昇降施設の改善
地下1階コンコース拡張、エスカレーター・エレベーター増設、バリアフリー動線整備、駅利用者全体の快適性向上。 - 市街地再開発との連携
泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業との一体整備、地上30階地下3階超高層複合ビル建設、商業・オフィス・住宅機能融合、駅直結による利便性向上。 - 都市計画変更と整備範囲
港区高輪二丁目~三田三丁目約920メートルを対象、鉄道施設・道路・民有地を含む統合的都市基盤整備、周辺街区との連動強化。 - 完成後の展望
2030年代前半完成予定、空港アクセス拠点としての機能強化、国際交流拠点としての都市価値向上、品川・高輪ゲートウェイとの連携による都市拠点形成。

泉岳寺駅は羽田空港や成田空港へのアクセス路線である京浜急行本線と都営浅草線が接続する重要拠点です。空港利用者の増加に加え、リニア中央新幹線の開業を控える品川駅や、2020年に開業した高輪ゲートウェイ駅といった周辺の鉄道ネットワークが整備されることで、今後も交流人口は飛躍的に増加する見込みです。
また、泉岳寺駅周辺では、JR品川車両基地跡地を中心とした国際交流拠点「高輪ゲートウェイシティ」の整備が進められており、鉄道利用者が増大することは必至です。こうした背景から、既存施設のままでは混雑や安全性の面で対応が難しいと判断され、抜本的な改良工事が計画されました。駅を利用する観光客やビジネス利用者が安心して移動できる環境を整えることが急務となっているのです。


泉岳寺駅の現行ホーム幅は約5メートルと限られており、ピーク時の混雑が課題となっています。今回の改良では、国道15号の地下空間だけでは不十分なため、隣接する民有地も取り込みながら拡幅を行い、ホーム幅を最大約10メートルに拡大する計画です。

これにより、乗降客が安全に移動できるだけでなく、利用者の流れが分散され、快適な環境が整います。また、ホーム拡幅は災害時の避難経路確保にも大きく寄与するものであり、安全対策の観点からも極めて重要な取り組みとされています。将来的には、空港直結列車や都心方面への快特列車など、多様な需要に応える運行を支える基盤となることが期待されます。


地下1階に位置するコンコースは、従来の規模では混雑時の対応に限界がありました。今回の改良では、コンコースを大幅に拡張し、動線を整理することで、駅全体の使いやすさを改善します。さらに、利用者のニーズに応えるため、エスカレーターやエレベーターなどの昇降施設が新たに設置され、既存設備も強化されます。
これらの整備により、ベビーカーや車いす利用者、高齢者など、誰もが安心して利用できるバリアフリー環境が整います。また、新設される出入口によって駅周辺の街区へのアクセスが向上し、再開発ビルとのスムーズな接続も可能になります。駅そのものが都市空間の玄関口として機能するよう、利便性と安全性を両立させた整備が進められています。

泉岳寺駅直上で進められている「泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業」は、駅改良工事と密接に連携しています。このプロジェクトでは、地上30階・地下3階、高さ145メートルの超高層複合ビルが建設され、商業施設、オフィス、住宅、公共機能など多様な用途を備えます。駅と直結することで、交通利便性と都市機能の融合が実現し、まちのにぎわいを創出する拠点となります。
また、緑豊かなサンクンガーデンや歩行者デッキなど、開放的な都市空間も整備され、地域住民や来訪者が交流できる場を提供します。建築面では環境性能も重視されており、住宅部分でZEH-M Oriented、オフィス部分でZEB Oriented認証の取得を目指すなど、脱炭素化への取り組みも推進されています。駅改良と再開発が一体的に進むことで、泉岳寺駅は「交通の要衝」であると同時に「国際交流拠点の玄関口」としての役割を担うことになるのです。


泉岳寺駅の改良に伴い、都市計画の変更も行われます。対象区間は港区高輪二丁目から三田三丁目にかけて約920メートルに及び、駅ホーム拡幅や地下通路新設といった施設改変が含まれます。特に、地下3階レベルに新設される通路は、周辺街区や再開発ビルとの接続を強化し、駅周辺の都市機能を一体的に高める役割を果たします。
このような広範囲の都市計画変更は、鉄道施設単独での対応が困難であることを示しており、道路や民有地、再開発街区を含めた統合的なまちづくりが必要とされています。国際的な交流拠点にふさわしい都市空間を形成するための布石として、都市基盤と鉄道インフラを一体的に整備する点が大きな特徴といえます。


泉岳寺駅の改良工事と市街地再開発事業は、2030年代前半の完成を目指して段階的に進められています。完成後は、国際交流拠点の一翼を担う駅として、空港アクセスの利便性が格段に向上するとともに、安全性と快適性を兼ね備えた都市型ターミナルへと進化します。
駅直結の超高層複合ビルが完成すれば、ビジネス、居住、商業の各機能が有機的に結びつき、地域全体の都市力が大幅に高まります。また、再開発エリア内に設けられる広場や緑地、歩行者ネットワークは、訪れる人々にとって魅力ある滞在空間となり、泉岳寺駅周辺のブランド価値を押し上げることが期待されます。品川駅や高輪ゲートウェイ駅とともに、泉岳寺駅が首都圏南部の都市拠点として存在感を高める未来像が描かれています。
最終更新日:2025年8月30日

