アニメ『クレヨンしんちゃん』に登場する架空のスーパー「サトーココノカドー」のモデルとして知られる「イトーヨーカドー春日部店」跡地で、新たに大規模マンションの建設計画が進められています。事業を担うのは東武鉄道株式会社、大和ハウス工業株式会社、相鉄不動産株式会社、東レ建設株式会社の4社で、跡地とその隣接地を2区画に分け、それぞれ地上15階建ての共同住宅を建設する構想です。
総戸数は460戸に達し、春日部駅西口エリアの再開発や人口回帰を促す重要なプロジェクトと位置付けられます。現在、旧店舗の解体が段階的に進められており、A敷地は2028年11月の竣工、B敷地は2029年11月の竣工を目標としています。かつての地域の象徴であった商業施設跡が、次代の都市型住宅地として新しい顔を見せようとしています。
→春日部市 特定開発事業の構想・計画の進捗(しんちょく)状況
イトーヨーカドー春日部店跡地開発計画の概要
1. 計画の位置づけ
イトーヨーカドー春日部店跡地で進む大規模マンション開発。
春日部駅西口の都市再生を担う新たなプロジェクト。
2. 事業主体
東武鉄道・大和ハウス工業・相鉄不動産・東レ建設の4社による共同事業。
民間主導で進む中心市街地の住宅再生。
3. 開発規模
A敷地とB敷地に分けて整備される2棟構成。
地上15階建て・総戸数460戸の大規模共同住宅。
4. 立地条件
春日部駅西口から徒歩圏に位置する商業地域。
利便性と居住性を兼ね備えた都市型住宅エリア。
5. 工事スケジュール
旧店舗の解体後、2026年8月末の着工を予定。
2029年11月の全体竣工を目指す段階的な開発計画。
6. 周辺再開発との相乗効果
駅西口で進む中央一丁目地区再開発事業との相乗効果。
高架化事業とともに進む都市基盤整備の一体化。
7. 街の象徴の再生
「サトーココノカドー」の記憶を継ぐ地域再生の象徴。
住む・訪れる・働くが交わる新しい春日部の創出。

1996年に開業した「イトーヨーカドー春日部店」は、約28年にわたって地域住民に親しまれてきました。とくにアニメ『クレヨンしんちゃん』で登場する「サトーココノカドー」のモデル店舗として全国的に知られ、アニメファンにとっても“聖地”の一つでした。2024年11月24日、閉店当日には多くの人々が別れを惜しみ、名残を惜しむ行列ができるほどでした。
閉店後も屋上の「イトーヨーカドー」看板はしばらくの間点灯が続けられ、夜の街に象徴的な存在感を放っていましたが、現在は消灯されています。建物や立体駐車場の解体工事は2025年春に本格化し、2027年ごろの完了を予定。跡地はすでに仮囲いが設置され、重機が入り解体作業が進行中です。なお、店内にあった『クレヨンしんちゃん』関連の装飾やモニュメントは市役所や観光案内所「ぷらっとかすかべ」などに移設され、今後も街の観光資源として再活用されています。

開発対象となる敷地では、東武鉄道株式会社、大和ハウス工業株式会社、相鉄不動産株式会社、東レ建設株式会社の4社が共同で住宅開発を進めます。計画名称は「(仮称)春日部市中央1丁目計画」で、A敷地とB敷地の2区画に分かれています。
A敷地(中央一丁目14番10ほか、2,294.91㎡)には地上15階建て、総戸数129戸の共同住宅を建設。B敷地(中央一丁目13番1ほか、6,007.27㎡)には地上15階建て、総戸数331戸の共同住宅が計画されています。両棟を合わせると460戸規模の大型プロジェクトとなり、春日部市内でも最大級の住宅開発になります。
設計・施工は長谷工コーポレーションが担当。A敷地は2026年8月末に着工し、2028年11月の完成を予定しています。B敷地は2027年4月末に着工し、2029年11月の竣工を目指しています。いずれも用途地域は商業地域で、春日部駅西口から徒歩圏という利便性の高い立地。商業や交通、公共施設へのアクセスを活かした「都市型居住拠点」として、幅広い世代の入居が見込まれます。

今回のマンション計画は、春日部市が推進する中心市街地活性化の流れと密接に関わっています。春日部駅西口周辺では、約2.6ヘクタールを対象とする「中央一丁目地区第一種市街地再開発事業」が進行中で、商業施設やオフィス、住宅、医療・教育施設などを複合的に整備する構想が描かれています。なかでも地上27階建て規模の複数の高層棟を中心としたランドマーク的な再開発が予定され、駅前景観を一新する計画です。

さらに、春日部駅そのものでも連続立体交差化(高架化)事業が進められており、将来的には東西口の一体化や駅前広場の再整備が進行する予定です。これにより、交通の円滑化と防災性の向上、歩行者動線の改善などが期待されています。
今回のマンション開発は、こうした駅周辺の都市基盤整備と連動し、居住人口の回復と商業機能の再生を促進する重要な位置づけを担うものとみられています。

『クレヨンしんちゃん』の舞台として全国に知られる春日部市にとって、「イトーヨーカドー春日部店」の閉店と再開発は特別な意味を持ちます。かつての地域の象徴が住宅地として生まれ変わることは、街の再出発の象徴にもなります。
市では、観光・文化の拠点づくりを継続しながら、民間再開発との調和を模索しています。旧店舗跡の再生によって、新たな住民の流入と商店街の活性化、そして街全体のにぎわいの再構築が期待されます。
一方で、長年にわたり地域に親しまれた「サトーココノカドー」の記憶をどう未来に引き継ぐかも課題です。地域の記憶を大切にしつつ、住む・訪れる・働くが共鳴する“新しい春日部”を創出する取り組みが今、静かに始まっています。
最終更新日:2025年11月8日

