新鎌ケ谷駅西側地区基本構想は、千葉県北西部における重要な交通結節点である新鎌ケ谷駅の立地特性と将来性を最大限に活かし、広域交流拠点としての機能強化と、鎌ケ谷市全体の都市価値向上を図ることを目的とした構想です。
新鎌ケ谷駅周辺では、これまで土地区画整理事業を中心に計画的な市街地形成が進められてきましたが、駅西側地区は市街化調整区域として開発が抑制され、農地や緑地が多く残されてきました。一方で、北千葉道路の整備進展や鉄道ネットワークの高度化など、周辺環境は大きく変化しつつあります。本構想は、こうした変化を的確に捉え、無秩序な開発を防ぎながら、将来の土地利用や都市基盤整備の方向性を整理するための基礎的な検討として位置づけられています。
新鎌ケ谷駅西側地区基本構想の概要
1.新鎌ケ谷駅の交通結節性を活かした広域交流拠点形成
4路線が交差するターミナル駅という高い交通利便性の活用
市内外から人や機能を呼び込む都市拠点づくり
2.駅西側地区に残る農地・緑地と都市化の両立
市街化調整区域として維持されてきた環境資源の存在
緑や農地を踏まえた計画的土地利用の検討
3.周辺インフラ整備の進展を背景とした開発機運の高まり
北千葉道路整備や鉄道ネットワーク高度化の進行
将来を見据えた新たな都市的土地利用の必要性
4.無秩序な開発を防ぐための基本構想策定の意義
将来的な土地利用転換に向けた方向性の整理
段階的な整備を導く基礎的な計画枠組み
5.既存市街地整備との連続性を意識したまちづくり
これまで進められてきた駅周辺整備との一体性
都市機能やにぎわいを継承・発展させる視点
6.上位計画や社会潮流と整合した持続可能な都市形成
人口動態の変化や防災・環境配慮への対応
国・県・市の計画と整合した中長期的構想整理
7.鎌ケ谷市全体の都市価値向上を見据えた将来像
広域交流拠点としての新鎌ケ谷の役割強化
市の成長と魅力向上を支える都市拠点の進化

新鎌ケ谷駅周辺では、都市再生機構施行による「新鎌ケ谷特定土地区画整理事業」により、道路、公園、駅前広場などの都市基盤整備が段階的に進められてきました。
あわせて、大型商業施設の立地誘導や公共施設の集積が図られ、市内外から人を呼び込む広域交流拠点としての基盤が形成されています。また、地権者や事業者と連携した「新鎌ケ谷地区まちづくり懇談会」による意見交換や、「新鎌ケ谷地区タウンガイド」による景観・土地利用ルールの共有など、ハードとソフトの両面からまちづくりが進められてきた点も大きな特徴です。

新鎌ケ谷駅の北西側一帯は、駅から近接しているにもかかわらず、市街化調整区域として位置づけられてきたことで、大規模な都市開発は行われてきませんでした。その結果、農地や樹林地が多く残り、都市近郊における貴重な緑地空間を形成しています。
一方で、道路網の未整備や上下水道など都市インフラの不足、土地利用の分散化といった課題も存在します。さらに、低地部では浸水リスクが指摘されており、防災面への配慮を欠いた開発は将来的な負担につながるおそれがあります。こうした背景から、駅西側地区では、将来を見据えた計画的な土地利用方針の整理が不可欠となっています。


鎌ケ谷市は、東京都心から約25km圏という立地にありながら、4路線が交差する高い交通利便性を備えた都市です。とりわけ新鎌ケ谷駅は、東武野田線、新京成線、北総線、成田スカイアクセス線が集まる県内有数のターミナル駅であり、1日あたり約10万人が利用しています。

駅西側地区は、この交通結節点に隣接するとともに、将来的に整備が進む北千葉道路との近接性を有しており、商業、業務、交流機能などを受け止めるポテンシャルの高いエリアといえます。広域的な人流・物流を意識した土地利用を検討できる点が、大きな強みとなっています。


基本構想の対象区域は、新鎌ケ谷駅西側から北西方向に広がる約35ヘクタールのエリアです。市街化区域、北初富駅周辺、市境、北千葉道路計画地などに囲まれた一体的な区域で、将来的な市街地形成を検討する上でまとまりのあるスケールとなっています。
本調査は、鎌ケ谷市総合基本計画や都市計画マスタープランといった上位計画を踏まえつつ、土地利用転換の可能性、段階的整備の考え方、事業手法の整理などを行い、将来の基本構想策定に向けた基礎資料として活用されることを想定しています。


人口減少・少子高齢化の進行、環境負荷低減への要請、防災・減災意識の高まりなど、まちづくりを取り巻く社会環境は大きく変化しています。加えて、官民連携による事業推進や、SDGsを意識した持続可能な都市形成も重要なテーマとなっています。
駅西側地区の検討においても、コンパクト・プラス・ネットワークの考え方や、北千葉道路を軸とした広域交通ネットワークとの連携、防災性の高い土地利用誘導など、国・県・市の各種計画との整合を意識した構想づくりが求められています。

駅東側では、区画整理事業によって計画的に整備された商業施設、公共施設、住宅地が広がり、新鎌ケ谷の都市的な顔を形成しています。一方、駅西側地区は農地や平面駐車場、点在する住宅が混在し、土地利用のまとまりに欠ける状況です。
道路幅員の不足やインフラ未整備といった課題を踏まえると、今後の土地利用転換にあたっては、段階的な基盤整備と、既存市街地との機能的・景観的な連続性を確保することが重要なポイントとなります。


市民意識調査では、新鎌ケ谷駅周辺に対して、娯楽施設、公共施設、飲食機能の充実を求める声が多く寄せられています。特に映画館などの集客性の高い施設への期待は大きく、駅周辺のにぎわい創出に対する関心の高さがうかがえます。
一方で、近隣自治体にはすでに大型商業施設が立地していることから、単なる規模拡大型ではなく、特色や独自性を備えた機能導入が必要とされています。地域特性を活かした交流・滞在型の空間づくりが重要な視点となります。


新鎌ケ谷は、鎌ケ谷市における広域交流拠点として位置づけられ、今後も市の成長を牽引する中心的エリアであり続けることが期待されています。駅西側地区基本構想は、これまで整備が進められてきた駅周辺市街地の延長線上で、新たな都市機能を段階的に展開するための重要なステップとなります。
緑や農地といった既存の資源を活かしつつ、計画的な基盤整備と機能導入を進めることで、新鎌ケ谷は首都圏北西部において、より魅力と競争力を備えた都市拠点へと進化していくことが期待されます。
最終更新日:2026年1月10日