最新の都市開発ニュース
歴史的建造物と高層ビルが融合! 都市開発マニアが案内する「丸の内建築ツアー」 が丸の内LOVE WALKERに掲載!!第24回 東京駅から有楽町駅に架かる美しい煉瓦アーチ造りの「新永間市街線高架橋」は山手線と共に100年をつなぐが丸の内LOVE WALKERに掲載!!
サトーココノカドーのモデルとなった「イトーヨーカドー春日部店」跡地で大規模マンション計画浮上!!2棟構成、地上15階・総戸数460戸規模に!!
地下化された京王線調布駅直上で進められている「調布駅前広場整備」!!2025年度末完成を目指し、賑わいあふれる都市空間の構築が進む!!
みなとみらい大橋からKアリーナ横浜・高島水際線公園を結ぶ「高島水際線デッキ整備事業」!!残るスロープ部分を整備して2026年3月17日最終完成を目指す!!
豊橋駅前のスペースシャトル街区で再開発計画浮上!!駅東口目の前の約1.1haで計画が進む「豊橋駅東口駅前地区第一種市街地再開発事業」!!
岐阜県飛騨市・飛騨古川駅東に誕生する複合共創拠点「soranotani(ソラノタニ)」始動!!藤本壮介氏設計、飛騨の盆地をモチーフにした“お椀型建築”が象徴する共創の新拠点!!
旧長崎屋帯広店跡地で新たなまちなか拠点として開発が進められる「(仮称)帯広駅南口再開発プロジェクト」!!十勝最大級マンションのほかホテルや商業施設から構成される複合施設に!!
JR宇都宮線と東武伊勢崎線の乗換駅・久喜駅の西側一帯で3ブロックに分けたまちづくり構想「久喜駅西口周辺のまちづくり」!!賑わい創出や医療福祉・住宅・バスターミナルなどの新設構想が進む!!
つくば市最大規模の総戸数602戸の分譲マンションのほか商業施設や教育施設、事業施設などから構成される「(仮称)つくば学園南プロジェクト」!!産学官連携による新たな副都心づくりへ!!
東京駅の山手線に断崖絶壁が出現!!八重洲と丸の内を南側で結ぶ「東京駅南部東西自由通路/南通路周辺整備」2025年秋建設状況!!
栗橋駅東口一帯で新たなまちづくり構想「栗橋駅東口周辺のまちづくり」!!区画整理や都市計画道路・駅前広場などの構想が進む!!
2025年11月1日に山手線が環状運転開始100周年!!バルツァーの東京市街地鉄道網構想が元となり実現した都市内環状運転!!
妙高杉ノ原マウンテンリゾート開発 1期事業として建設される「シックスセンシズ妙高」!!妙高高原に隈研吾氏設計の木材や自然素材を多用したリゾートホテルに!!
小田急線新松田駅とJR御殿場線松田駅の間で計画が進む「新松田駅北口地区市街地再開発事業」!!中高層の住商公複合ビルを令和12年1月まちびらき目標で着手へ!!
遂に正式名称が決定し、着工した京王多摩川駅前で進む大規模複合開発「itonami(イトナミ)」!!マンションや福祉施設、スーパーマーケット、公園などから構成される複合施設!!
2024年3月22日に開業した新しい高松駅ビル「TAKAMATSU ORNE(タカマツ オルネ)」!!高松市の玄関口として誕生した約50店舗が入る駅ビル商業施設!!
中国地方初となるハイアットブランドのホテル「アンダーズ広島(Andaz Hiroshima)」が2027年に開業へ!!KAMIHACHI X(カミハチクロス)の高層階に入る全235室のホテルに!!
西新宿の地下通路網を新宿西口ハルク前・新宿サブナードへ延伸接続!!建設計画が進む「新宿歩行者専用道第2号線Ⅲ期区間(2工区)/第3号線」!!
住宅地地価上昇率驚異の全国5位・関東1位!!TXみどりの駅周辺で進む「萱丸一体型特定土地区画整理事業」!!郊外住宅地は周辺部へも広がり街並みも徐々に完成へ!!
Team Perry’sが優先交渉権者に選定された「浦賀駅前周辺地区活性化事業」!!浦賀ドックの遺構を活かしつつ高層ツインビルも建設される大規模複合都市開発!!

第二アクアライン構想が復活!?建設促進期成同盟会が発足して再び動き出した「東京湾口道路(仮称)」計画!!過去には東京湾を埋め立てて大都市を創造するネオ・トウキョウ・プランも!!

千葉県富津市と神奈川県横須賀市を結ぶ「東京湾口道路(仮称)」の壮大な構想が、再び動き出しました。東京湾を横断するこのプロジェクトは「第二アクアライン」とも呼ばれ、長らく凍結状態にありましたが、2023年のSNS上での話題や地元経済界の後押しを受けて再注目され、2024年には千葉県側の13自治体などで構成される「房総地域東京湾口道路建設促進期成同盟会」が発足しました。東京湾岸の道路ネットワークを強化し、房総・三浦両半島の地域活性化と首都圏のバランスある発展を目指し、国への働きかけを本格化させています。

→富津市 東京湾口道路

東京湾口道路の概要
  1. 構想の再始動
     千葉県富津市と神奈川県横須賀市を結ぶ東京湾口道路構想が約15年ぶりに再始動。2024年に千葉県側13市町などによる期成同盟会が発足。
  2. 想定ルートと構造
     浦賀水道を横断し、延長約17kmを吊橋または海底トンネルで結ぶ案。東京湾アクアラインや第二湾岸道路とともに湾岸環状構想の一部を構成。
  3. 構想の歴史的背景
     1959年の「NEO-TOKYO PLAN」に盛り込まれた長期構想。1994年から誘致運動が展開されるも、2008年に国によって事実上凍結。
  4. SNSでの注目と再評価
     2023年にSNSでの投稿が話題となり、再評価の機運が高まる。市民の関心と地元経済界の後押しにより再始動へ。
  5. 地域経済の活性化策
     房総・三浦両半島の産業・観光振興や企業立地促進の起爆剤として期待。道路交通網の強化による広域的な経済効果。
  6. 災害対応・代替ルートの確保
     自然災害の頻発化に対応するための緊急輸送路確保が急務。東京湾口道路はその代替路線としての機能を担う。
  7. 東京の一極集中是正
     東京への過度な集中を緩和し、首都圏全体のバランスある発展を促す戦略インフラとしての意義。

東京湾口道路は、神奈川県横須賀市と千葉県富津市を結ぶ延長約17キロメートルの海上ルートで、浦賀水道を横断し、吊橋または海底トンネルによる接続が想定されています。この構想は1959年の「NEO-TOKYO PLAN」にまでさかのぼり、東京湾アクアラインや第二東京湾岸道路とともに、東京湾を環状に結ぶ「東京湾環状道路」の一部として位置づけられてきました。1994年には、千葉県側の13市町が建設促進協議会を設立し、積極的な誘致活動を展開してきましたが、2008年に国土交通省が計画を棚上げし、その後は事実上の凍結状態となっていました。

出典:国土交通省

2023年1月、Twitter上で「ここに橋が欲しい人、割といる説」という投稿が大きな反響を呼び、1万件を超えるリツイートが記録されました。こうした市民レベルでの関心の高まりと、地元経済界からの要望を受け、富津市は9年ぶりに建設促進協議会の総会を開催しました。そして2024年には、同協議会を発展的に解消し、「房総地域東京湾口道路建設促進期成同盟会」を設立しました。富津市長が会長を務め、自治体や地元財界が一体となって国への働きかけを再開するなど、「第二のアクアライン」実現に向けた動きが本格化しています。

出典:千葉県

房総半島は首都圏に近い立地でありながら、半島という地形的制約により、企業立地や観光、物流などの面で不利な状況が続いています。近年では人口減少や自然災害の激甚化・頻発化も進んでおり、代替ルートの確保や緊急物資の輸送体制の強化が求められています。東京湾口道路の建設は、こうした課題の解決に寄与するだけでなく、東京湾岸のネットワークを強化し、地域間交流を促進することで、東京への一極集中を緩和する役割も期待されています。今後は、民意を反映させつつ、国土交通省などの関係機関に対し、より一層の働きかけを進めながら、構想の具体化を目指していく方針とされています。 

ネオ・トウキョウ・プラン
出典:産業計画会議

1960年代に政財界の重鎮・松永安左エ門氏が主宰する私設シンクタンク「産業計画会議」が発表した第七次勧告では、「ネオ・トウキョウ・プラン」と呼ばれる壮大な都市開発構想が提案されました。これは、急激に膨張する首都東京の人口と産業集積に対応するため、東京湾の約3億坪のうち2億坪(約660平方キロメートル)を大規模に埋め立て、新たな都市機能を創出しようとするものでした。

この計画では、巨大な臨海工業地帯をはじめ、住宅地、緑地、空港、国際貿易センター、官公庁街といった都市機能をバランスよく配置することが構想されていました。また、配置図上の六芒星の位置には、国際線と国内線を分離し、併せて貨物専用線や多数のヘリポートを設置した大規模な新空港が構想されていました。さらに、湾岸に8の字型に自動車専用道路を高架または地下で整備する計画も含まれており、これは後年の東京湾アクアラインや東京湾口道路といったプロジェクトの先駆的な発想といえるものです。

出典:産業計画会議

交通インフラにおいては、道路と並行する形で鉄道網を整備する構想も示されていました。横須賀から富津・木更津・千葉方面を経由し、さらに川崎や水戸方面へと至る鉄道路線が計画され、旅客輸送のみならず、貨物輸送の機能も担うことが想定されていました。また、通勤輸送に対応するために地下鉄や大型バスの導入、さらには自動車の駐車スペースの事前確保など、交通需要への先進的な対応策も盛り込まれていました。

この構想は、4兆円規模という莫大な事業費を要し、政府と民間が半分ずつ出資する特殊会社の設立も想定されていました。最終的には実現には至りませんでしたが、成田空港問題や湾岸地域の交通混雑など、後年の都市課題を未然に回避できたのではないかという評価もあります。今日においても、都市開発や交通政策を考える上で示唆に富んだ構想として語り継がれています。

最終更新日:2025年6月2日

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