東京都千代田区大手町二丁目に建つ「NTTコミュニケーションズ大手町ビル本館」では、屋上にそびえるシリンダー型鉄塔および建物地上部の解体工事が進められています。NTTコミュニケーションズ大手町ビル本館は1961年に「大手町電電ビルディング」として竣工し、戦後日本の通信インフラを支えてきた象徴的な局舎です。ビル屋上に載る赤白塗装の鉄塔を含めた最高部高さは140mに達し、大手町のランドマークとして長年親しまれてきました。
現在、「NTTコム大手町本館鉄塔および建物地上部解体工事」が2025年11月25日から2026年3月19日までの期間で実施されており、施工は株式会社フジタが担当しています。また、本館内部では「NTTコム大手町本館内装撤去工事」が2024年11月16日から2026年6月10日まで進められています。一方で、地下躯体含めた建物本体の全面解体時期については現地掲示がなく、今後の動向が注目されます。
NTTコム大手町本館鉄塔および建物地上部解体工事の概要
1.計画概要
東京都千代田区大手町二丁目に所在するNTTコミュニケーションズ大手町ビル本館における屋上鉄塔および建物地上部の解体計画。
2025年11月25日から2026年3月19日まで実施される段階的な解体工事。
2.建物の沿革
1958年着工、1961年竣工の旧「大手町電電ビルディング」として誕生した通信総合局舎。
戦後の高度経済成長期における電信電話需要拡大を支えた中枢拠点。
3.建築概要
SRC造・地上7階地下3階塔屋3階、延床面積約5万9千㎡の大規模通信施設。
屋上鉄塔を含む最高部高さ140mを誇る大手町のランドマーク的建築。
4.屋上シリンダー鉄塔
直径約4m、屋上から約100m立ち上がる赤白塗装の円筒形鉄塔。
通信網同期を支える象徴的設備として都市景観を形成してきた存在。
5.解体工事の内容
「NTTコム大手町本館鉄塔および建物地上部解体工事」として株式会社フジタが施工。
鉄塔撤去を中心とした地上部解体の実施。
6.内装撤去工事の進行
2024年11月16日から2026年6月10日まで実施される本館内装撤去工事。
本格的な建物解体に向けた準備段階としての設備・仕上げ材撤去作業。
7.今後の動向
本体全面解体や再開発計画の詳細は現時点で未公表の状況。
高度経済成長期を象徴する通信拠点の歴史的役割に一区切りとなる転換点。

NTTコミュニケーションズ大手町ビル本館は、東京中央電報局、東京市外電話局、東京電信施設所、東京統制電話中継所、東京無線電信調整所の5局所を収容する総合局舎として計画されました。建築主は日本電信電話公社(電電公社)、設計・監理も同公社建築局が担当し、施工は藤田組東京支店が担いました。

1958年11月20日に着工し、1961年4月10日に局舎本体が竣工(同年9月完成)。構造は鉄骨鉄筋コンクリート造、規模は地上7階、地下3階、塔屋3階、延床面積は約59,462㎡に及びます。竣工当初の名称は「大手町電電ビルディング」であり、電話・電報・電信・無線調整など、日本の通信中枢機能を担う重要拠点でした。
1963年から1966年にかけて東側部分が増築され、現在の特徴的な平面形状となりました。高度経済成長期の通信需要増大を背景に誕生した、まさに時代を象徴する通信インフラ建築です。

本館最大の特徴は、屋上に設置された赤白塗装のシリンダー型鉄塔です。鉄塔径は約4m、ビル屋上から約100mの高さを持ち、建物と合わせた最高部高さは140mに達します。先端が尖った形状と下部の斜めに設置された4本脚が特徴で、首都高速からも視認できる赤白のロケットのような外観で知られてきました。

長年にわたり大手町の空にそびえてきたこの鉄塔も、2025年11月25日から2026年3月19日までの期間で解体が行われています。


現地掲示の労災保険関係成立票によると、「NTTコム大手町本館鉄塔および建物地上部解体工事」は2025年11月17日着手、2027年3月19日完了予定で実施されています。施工者は株式会社フジタです。
また、これに先立ち「NTTコム大手町本館内装撤去工事」が2024年11月16日から2026年6月10日までの期間で進行中です。これは本館内部の設備や仕上げ材を撤去する工事であり、本格的な解体に向けた準備段階と考えられます。

NTTコミュニケーションズ大手町ビル本館にはかつてNTTコミュニケーションズ本社が入居していましたが、2019年1月に南側の「大手町プレイス ウエストタワー」へ移転しました。その後、再開発計画は公表されていませんが、竣工から約60年以上が経過していることから、建て替えや再開発の可能性は十分に考えられます。

赤白に塗り分けられた鉄塔は、大手町の都市景観に強い印象を残してきました。通信インフラの象徴として存在感を放ってきたこの建築が姿を消すことで、大手町のスカイラインは大きく変化することになります。
高度経済成長期を支えた通信拠点の歴史に一区切りがつく今回の解体工事は、単なる老朽建築の更新にとどまらず、日本の情報通信史における一つの節目ともいえる出来事です。今後の再開発動向にも引き続き注目していきたいところです。
最終更新日:2026年2月28日