リニア中央新幹線は、東京都から大阪市を結ぶ新たな超高速鉄道路線であり、最高設計速度505km/hを誇る「超電導リニア」により建設が進められています。正式名称は「中央新幹線」ですが、超電導リニア方式の採用により、一般には「リニア中央新幹線」とも呼ばれています。整備計画は2011年に決定し、建設および運営主体は東海旅客鉄道(JR東海)です。当初は2027年開業を目指していましたが、大井川の水問題などにより開業時期は2034年以降に延期される見通しとなっています。
品川駅と名古屋駅がターミナル駅となり、首都圏と中京圏を約40分で結ぶことが期待されています。特に品川駅では、既存の鉄道の直下に新たな地下空間を設ける難易度の高い工事が進められており、高度な施工技術と慎重な作業が求められています。
→東海旅客鉄道株式会社 リニア中央新幹線 ターミナル駅の工事
リニア中央新幹線品川駅の概要
- リニア中央新幹線とは
東京都から大阪市を結ぶ新たな超高速鉄道路線で、最高設計速度は505km/h。超電導リニア方式を採用し、「中央新幹線」と正式に呼ばれるが、一般には「リニア中央新幹線」とも呼ばれている。 - 整備計画と運営主体
2011年に整備計画が決定し、建設・運営は東海旅客鉄道(JR東海)が担当。東京〜名古屋間の先行開業が目指されている。 - 開業時期の変更
当初は2027年開業予定だったが、静岡県内での水資源問題(大井川の水量減少懸念)により、開業は2034年以降に延期される見通し。 - 品川駅の位置と役割
品川駅はリニアの東京側ターミナル駅となり、品川〜名古屋間を約40分で結ぶ。既存の東海道新幹線品川駅の直下に建設されている。 - 建設工事の特徴
地下40m、地下5階にリニアホームを建設中。工事中も地上の鉄道運行を確保するため、仮受け構造物(工事桁)を設置しながら慎重に施工を進めている。 - 駅の規模と構成
完成後の駅は、長さ約900m、幅最大約60m、高さ約55mの巨大な地下空間となり、2面4線のホームが整備される。改札口は地上2階に設置される予定。 - 今後の展望
品川駅は羽田空港へのアクセスの良さからも重要視されており、リニア中央新幹線の玄関口として首都圏の交通の大動脈となることが期待されている。

リニア中央新幹線の品川駅は、現在の東海道新幹線品川駅の直下に建設されています。新幹線が通常通り運行する中で地下に巨大な構造物を設けるため、地上の安全確保と列車運行への影響を最小限に抑える工夫が重ねられています。特に、建設現場では東海道新幹線の軌道を仮受けする「工事桁」が設置され、現在はその上を東海道新幹線が行き来しています。


リニア品川駅は、東海道新幹線品川駅直下から東側の道路下にかけて設けられます。駅は南北方向に配置され、都市部における貴重な地下空間を最大限活用した設計となっています。品川駅の選定理由には、地下空間の余裕に加え、羽田空港へのアクセスの良さがありました。また、品川駅の敷地周辺には、工事を円滑に進めるためのヤードも確保されており、資材搬入や作業動線にも工夫が凝らされています。

リニア中央新幹線の品川駅は、地表から約40メートル下に位置し、地下5階にホームが設置される計画です。完成すれば、長さ約900メートル、最大幅約60メートル、高さ約55メートルにも及ぶ巨大な地下空間となり、2面4線のホームが整備される予定です。地上2階には改札口が設けられ、在来線や東海道新幹線へのスムーズな乗り換えが可能になるよう設計されています。エスカレーター38台、エレベーター9台を設置し、乗り換え時間も3〜9分以内に抑える計画です。

品川駅の建設は、まず地中連続壁工法により周囲を固め、安全に掘削を進める手順で行われています。施工手順としては、まず地中連続壁を構築し、その後、地表から掘削を進め、リニア駅の基礎となる構造物を構築します。さらに、在来線や新幹線の運行を妨げないよう、既存構造物の仮受けや受け替えを並行して進めています。この施工方法により、地上への影響を最小限に抑えながら工事を進めています。

工事施工ヤードは、東海道新幹線品川駅の北側に位置し、主にJR東海の自社用地(留置線跡地)や一部道路を活用して設置されています。ヤードには地中連続壁工事用のプラントや、大型資材を保管する施設が設けられており、資材搬入や建設機械の配置も計画的に行われています。道路占用箇所では、港区特別区道を中心に工事用スペースが確保され、安全対策を施した上で工事が進められています。

品川駅のコンコースや北口では、リニア中央新幹線の開業を見据えた新たな駅コンコースや駅ビルの整備が行われています。リニア用の改札口は地上2階に設置され、山手線や京急線、東海道新幹線との乗り換えが非常にスムーズになるよう、動線の短縮が図られます。また、エスカレーターやエレベーターを増設することで、短時間でリニアホームにアクセスできる環境が整備されます。


建設現場では掘削が進められており、最終的には約40メートル下にリニアホームが完成する予定です。工区は大きく「北工区」「南工区」「非開削工区」の3つに分けられ、現地ではそれぞれの区画で掘削や構造体構築が同時並行で進められています。現地の標識から工期は2027年12月31日までとされており、完成後には品川駅に新たな超高速交通の玄関口が誕生します。
最終更新日:2025年5月1日