(仮称)東京科学大学田町キャンパス土地活用事業は、東京都港区芝浦三丁目に建設される地上39階、地下2階、高さ約179mの複合施設Aと、地上7階、高さ約34mの複合施設Bから構成される超高層ビルです。立地は、JR「田町」駅前、南側を芝浦運河通り、東側をなぎさ通り、北側をJR・新幹線の線路、西側をグランパークに囲まれた「東京科学大学田町キャンパス」に位置しています。
東京科学大学附属科学技術高等学校の大岡山キャンパスへの移転により、定期借地権を設定、借地権者となった事業者が一体的な開発を行い、貸付期間にわたり管理運営を行う事業とされています。事業計画では、周辺との一体的なまちづくりに対する取り組みや国際的な産業・研究拠点の形成に資する取り組み、地域に開かれた新たな都市型環境・防災拠点の形成に資する取り組み、世界トップレベルの研究イノベーション国際拠点の形成に資する大学施設の計画が掲げられています。
施設構成は、「計画地A 高層棟」の地下2階~地下1階に駐車場、地域冷暖房施設、中水道施設、コジェネレーション施設、全体共用、地上1階~2階に生活利便施設(商業施設など)、全体共用、3階~4階に産学連携施設、5階~6階に事務所、7階~9階に大学施設、10階~37階に事務所、38階~39階に全体共用となります。
「計画地A 東側低層棟」の1階~2階に生活利便施設(商業施設など)、2階~3階に全体共用、4階に大学施設、5階に生活利便施設(商業施設など)、6階に産学連携施設となります。また、「計画地A 西側低層棟」の地下1階に地域冷暖房施設、中水道施設、コジェネレーション施設、地上1階~9階にホテル、10階は設備スペース等となります。更に「計画地B」の1階~2階に生活利便施設(商業施設など)、3階~7階に大学施設となります。
建築主はNTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ、構成員はNTT都市開発株式会社(代表企業)、鹿島建設株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東急不動産株式会社です。着工は2027年度、第一期供用開始は2031年度、全体竣工は2033年度となっています。なお、定期借地契約及び本事業の終了は2101年3月頃となります。
出典・引用元
・港区 環境アセスメント
・内閣府国家戦略特区 資料1 都市再生特別地区(田町駅東口地区)都市計画(素案)の概要
・東京科学大学 「東京科学大学キャンパス土地活用事業」事業協定書を締結
・東京科学大学 田町キャンパス土地活用事業
出典∶NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ/港区
概要
| 名称 |
(仮称)東京科学大学田町キャンパス土地活用事業 |
| 計画名 |
(仮称)東京科学大学田町キャンパス土地活用事業/東京科学大学 田町キャンパス土地活用事業/田町駅東口地区 |
| 所在地 |
東京都港区芝浦三丁目17番1他 |
| 用途 |
計画地A:事務所、大学施設、産学連携施設、ホ テル、商業施設、保育所など 計画地B:商業施設、大学施設など |
| 階数 |
計画地A 高層棟:地上39階、地下2階 計画地A 東側低層棟:地上6階 *断面図より読み取り 計画地A 西側低層棟:地上10階、地下1階 *断面図より読み取り 計画地B:地上7階 |
| 高さ |
計画地A 高層棟:約179m 計画地A 東側低層棟:約38m 計画地A 西側低層棟:約41m 計画地B:約34m |
| 構造 |
ー |
| 基礎工法 |
ー |
| 敷地面積 |
計画地A:約22,400㎡ 計画地B:約500㎡ |
| 建築面積 |
ー |
| 延床面積 |
計画地A:約289,000㎡ 計画地B:約2,300㎡ |
| 着工 |
2027年度 |
| 竣工 |
2031年度(第一期供用開始) 2033年度(全体竣工・第二期供用開始) |
| 建築主 |
NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ 構成員:NTT都市開発株式会社(代表企業)、鹿島建設株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東急不動産株式会社 |
| 設計 |
ー |
| 施工 |
ー |
| 最寄駅 |
JR山手線、京浜東北線「田町」駅、都営浅草線、三田線「三田」駅 |
| 備考 |
▼施設構成 *断面図より読み取り 🔻計画地A 高層棟 地下2階~地下1階:駐車場、地域冷暖房施設、中水道施設、コジェネレーション施設、全体共用等 地上1階~2階:生活利便施設(商業施設など)、全体共用等 3階~4階:産学連携施設 5階~6階:事務所 7階~9階:大学施設 10階~37階:事務所 38階~39階:全体共用
🔻計画地A 東側低層棟 1階~2階:生活利便施設(商業施設など) 2階~3階:全体共用 4階:大学施設 5階:生活利便施設(商業施設など) 6階:産学連携施設
🔻計画地A 西側低層棟 地下1階:地域冷暖房施設、中水道施設、コジェネレーション施設、 地上1階~9階:ホテル 10階:ー
🔻計画地B 1階~2階:生活利便施設(商業施設など) 3階~7階:大学施設 |
位置図
区域図
出典∶港区
配置図
出典∶港区
立面図
出典∶港区
出典∶港区
断面図
出典∶港区
出典∶港区
イメージパース
▼計画地A
出典∶NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ
▼計画地B
出典∶NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ
現地状況
南東側から見た東京科学大学 田町キャンパス土地活用事業の計画地の様子です。2023年11月撮影。
出典∶NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ
東京科学大学田町キャンパスを高度利用し、大学と民間事業者が連携して新たな都市機能を創出する再開発事業です。東京科学大学附属科学技術高等学校の移転後、75年間の定期借地方式により土地を活用し、NTT都市開発、鹿島建設、JR東日本、東急不動産で構成されるグループが開発を進めます。
計画では約22,400㎡の敷地に、延床面積約29万㎡、地上39階、地下2階・高さ約179mの超高層複合施設を建設するものとしています。施設内には事務所、大学施設、産学連携施設、ホテル、商業施設、保育所など多様な都市機能を導入し、田町駅東口の新たなランドマークとなります。
また、駅前にふさわしい広場や歩行者空間、運河へとつながるデッキなども整備され、大学キャンパスを地域に開かれた都市空間へ転換します。田町駅周辺では西口再開発や周辺街区の更新も進んでおり、それらと一体となった都市再生が進められる計画です。
出典∶NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ
(仮称)東京科学大学田町キャンパス土地活用事業の最大の特徴が、約16,000㎡にも及ぶ国内最大級のインキュベーション施設の整備です。東京科学大学を核として大学発スタートアップを支援し、研究成果を迅速に事業化するための環境が整えられます。施設内には試作品展示やデモンストレーションを行う大規模屋内広場、プロトタイピングスペース、イベントスペースなどを設置し、研究者、企業、投資家、一般来街者が自然に交流できるオープンな空間が形成されます。
さらに、全国の大学、行政、企業とのネットワークを活用し、GTIE(Greater Tokyo Innovation Ecosystem)やTokyo Innovation Baseなどとも連携しながら、起業支援プログラムやマッチングイベント、人材育成などが展開されます。これにより、大学の優れた研究成果を社会実装へとつなげるイノベーション・エコシステムの中核拠点として、日本のスタートアップ創出を支える役割が期待されています。
出典∶NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ
出典∶NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ/内閣府
田町駅周辺では慢性的な混雑や東西移動の不便さが課題となっていました。(仮称)東京科学大学田町キャンパス土地活用事業では駅とまちを一体化するため、大規模な歩行者ネットワークが整備されます。既存の東西自由通路に加え、品川寄りへ新たな自由通路と新改札を整備し、駅利用者の分散を図ります。また、建物を斜めに貫通する大規模屋内広場を整備し、芝浦四丁目方面への歩行者動線を強化するものとされています。
さらに、田町駅から新芝運河までを一直線につなぐ運河接続デッキや、なぎさ通り横断デッキ、田町グランパークとの接続歩行空間などを整備し、駅・運河・周辺市街地をシームレスにつなぐ回遊ネットワークが形成されます。災害時には避難経路や救援物資輸送ルートとしても活用され、安全性と利便性を兼ね備えた都市基盤となります。
出典∶NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ
歩行者空間だけでなく、交通結節機能も大幅に強化されます。現在、芝浦運河通りでは企業バスが路上に停車することで交通渋滞や歩道混雑が発生しています。計画では民有地内に企業バスロータリー(5バース)を整備し、路上停車を解消することで交通環境が改善されます。
また、駅前にはシェアサイクルポートも拡充され、自転車による回遊性向上も図られます。将来的には企業バスの共同運行・集約化を進め、空いたスペースを自動運転車両や次世代モビリティの乗降場として活用する構想も検討されています。駅前交通を再編することで、自動車、バス、自転車、歩行者が安全かつ効率的に利用できる交通結節点へと進化します。

出典∶NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ
(仮称)東京科学大学田町キャンパス土地活用事業では約8,700㎡もの大規模な緑化・広場空間が整備されます。緑のエントランスや段丘状の広場、イベント広場、教育ガーデンなど、多様な空間を設けることで、駅前でありながら自然を体感できる環境を創出します。約70種類の樹木や植物が植栽され、四季の変化を楽しめるランドスケープが形成されます。
また、生物多様性にも重点を置き、鳥や昆虫が生息できるエコトーンを整備するとともに、周辺のみどりと連続したエコロジカルネットワークが形成されます。芝浦港南地区は緑地不足が課題でしたが、本計画により山手線駅前では約34,000㎡規模の緑地ネットワークが完成する見込みです。さらに、「優良緑地確保計画認定制度」において最高ランクである★★★の取得を目指しているとされています。
出典∶NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ
(仮称)東京科学大学田町キャンパス土地活用事業では災害時にも地域を支える都市機能が整備されます。広場には約2,500㎡の屋外一時退避場所を設けるほか、約2,800人が利用できる一時滞在施設や3日分の防災備蓄倉庫を整備します。オフィス就業者は建物内待機を基本とし、帰宅困難者の受け入れ体制が構築されます。
また、新芝運河の防災船着場と田町駅、msb Tamachiをデッキで接続することで、水上輸送による救援物資搬送も可能になります。エリアマネジメント組織を設立し、港区や周辺事業者と連携して防災訓練や情報共有を進めるなど、地域全体で災害対応力を高める取り組みも実施されます。
出典∶NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ
環境負荷低減も本計画の重要な柱です。高効率設備や高断熱外装、省エネルギー設備を導入し、事務所部分ではZEB Ready、地区全体ではZEB Orientedの達成を目指します。また、CASBEE Aランクに加え、Sランク相当の環境性能も計画されています。エネルギー供給では、新たな地域冷暖房プラントとコージェネレーションシステム(CGS)を組み合わせた自立・分散型エネルギーシステムを構築し、災害時にも安定したエネルギー供給が実現されます。
さらに、使用電力を100%再生可能エネルギー由来とし、CO₂排出原単位を48kg-CO₂/㎡・年まで削減する目標を掲げています。建設段階でもリサイクルや環境配慮資材を積極的に活用し、「ゼロエミッション東京」の実現に貢献する計画です。
南西側から見た東京科学大学 田町キャンパス土地活用事業の計画地の様子です。写真左側の港芝浦郵便局は区域外となります。
南西側から見た東京科学大学 田町キャンパス土地活用事業の計画地の様子です。
北東側正面から見た東京科学大学 田町キャンパス土地活用事業の計画地の様子です。
北東側、田町駅のペデストリアンデッキから見た東京科学大学 田町キャンパス土地活用事業の計画地の様子です。
Google Earth
最終更新日:2026年7月7日