神戸三宮阪急ビル/remm+神戸三宮(レムプラス神戸三宮)は兵庫県神戸市中央区加納町4丁目に建つ地上29階、地下3階、高さ121.39mの超高層ビルです。立地は、南側を阪急電鉄「神戸三宮」駅、東側を県道30号、北側を生田新道に囲まれた場所に建っていた「神戸阪急ビル東館」跡地に位置しています。
「神戸阪急ビル東館 建替計画」として計画され、老朽化した神戸阪急ビルの建替及びリニューアルを行い、神戸の玄関口である三宮周辺地区にふさわしい業務機能・宿泊機能・商業機能の強化を図ると共に、シンボル的な建物として親しまれてきた神戸のランドマークを再生することで、国際的な競争力の強化を図ることを目的として計画されました。また、阪急神戸三宮駅の再整備に伴い、神戸市営地下鉄との乗り換え利便性の向上や快適な公共空間の創出を行うことで、三宮周辺地区の活性化や都市の再生への貢献を図るものとされています。
1936年3月に阪急神戸本線の延伸にあわせて建設した旧神戸阪急ビル東館は、1995年1月の阪神・淡路大震災により被災・解体され、震災後の1995年12月に駅機能の復旧にあわせて、暫定的な駅ビルを開業していましたが、当該建て替え事業によって低層・基壇部分にデザインの再生、旧ビルのイメージ継承がなされています。
施設構成は、地上29階、地下3階、高さ121.39mの「神戸阪急ビル東館の建替」と地上2階、地下1階の「高架下店舗のリニューアル」からなり、「神戸阪急ビル東館の建替」の地下3階に機械室、地下2階~地上2階に駅コンコース、地下鉄への連絡通路、地下2階~地上3階に商業施設「EKIZO 神戸三宮」、4階~15階にオフィス、15階にビジネススクエア「ANCHOR KOBE(アンカー神戸)」、16階に機械室、17階~28階にホテル「レムプラス神戸三宮」、29階に展望フロア、レストランとなります。
また、「高架下店舗のリニューアル」の地下2階~地上3階に商業施設「EKIZO 神戸三宮」、1階~2階に駅コンコースとなります。
商業施設「EKIZO 神戸三宮」は37店舗の商業施設となっており、地下2階には核店舗となる食品スーパー「阪急オアシス」が入り、地下1階には阪急オアシスが手掛ける、買ってその場でイートインが楽しめるグローサラント「キッチン&マーケット」が兵庫エリアに初出店しています。
また、高架下に連なる飲食ゾーンは、「情緒食堂街」がコンセプトとなっており、世界各国のクラフトビールが楽しめる本格的なビアホール「BEER&GRILL コウベビアハウゼ」をはじめとした個性豊かな地元内外の名店が入るほか、東西の駅コンコース周辺にも商業施設が入ります。
オフィススペックは、基準階面積186.64坪、天井高2,700mmとなっています。
ホテル「remm+神戸三宮(レムプラス神戸三宮)」の客室構成は、海側ダブルルーム、山側ダブルルーム、ツインルーム、ユニバーサルルームからなり、付帯施設にはフロントロビー、カフェ・レストラン「神戸望海山」が入ります。また、デザインコンセプトは「remm&SKY SLEEP」とされています。
外観デザインは、低層・基壇部に大きなアーチ窓や円筒形のコーナー部分を配し、旧神戸阪急ビル東館のデザインのイメージを継承したものとなっており、細身の建物形状、高層部分のホテルは神戸市防災計画指導指針に基づき二方向避難が可能なバルコニーが外周を覆うものとなっています。
建築主は阪急電鉄株式会社、阪急阪神不動産株式会社、設計は基本設計・実施設計が株式会社久米設計、実施設計が株式会社大林組、施工は株式会社大林組です。既存建築物解体着手は2016年夏、着工は2017年7月3日、竣工は2021年3月となっており、2021年4月26日に開業しています。
過去の建設状況
→過去の建設状況
概要
名称 |
神戸三宮阪急ビル ホテル名:remm+神戸三宮(レムプラス神戸三宮) |
計画名 |
神戸阪急ビル東館 建替計画 |
所在地 |
兵庫県神戸市中央区加納町4丁目2番1 |
用途 |
事務所、店舗、ホテル、展望施設、駅施設 |
階数 |
神戸阪急ビル東館の建替:地上29階、地下3階、塔屋3階 高架下店舗のリニューアル:地上2階、地下1階 |
高さ |
121.39m |
構造 |
神戸阪急ビル東館の建替:地上:鉄骨造(柱:CFT造)/地下:鉄骨鉄筋コンクリート造 高架下店舗のリニューアル:鉄筋コンクリート造
制振構造 (アクティブマスダンパー、制振デバイス) |
基礎工法 |
杭基礎 (節付拡底杭) |
客室数 |
209室 |
敷地面積 |
約7,100㎡ |
建築面積 |
約5,650㎡ |
延床面積 |
神戸阪急ビル東館の建替:約28,850㎡ 高架下店舗のリニューアル:約5,500㎡ |
着工 |
2017年7月3日 既存建築物解体着手:2016年夏 |
竣工 |
2021年3月 |
建築主 |
阪急電鉄株式会社、阪急阪神不動産株式会社 |
設計 |
基本設計・実施設計・監理:株式会社久米設計 実施設計:株式会社大林組 |
施工 |
株式会社大林組 |
最寄駅 |
阪神本線、阪急神戸本線、神戸高速線「神戸三宮」駅、JR東海道本線(JR神戸線)「三ノ宮」駅、神戸市営地下鉄海岸線「三宮・花時計前」駅、神戸新交通ポートアイランド線、神戸市営地下鉄西神・山手線「三宮」駅 |
備考 |
▼施設構成 ▽神戸阪急ビル東館の建替 地下3階:機械室 地下2階~地上2階:駅コンコース、地下鉄への連絡通路 地下2階~地上3階:商業施設「EKIZO 神戸三宮」 4階~15階:オフィス 15階:ビジネススクエア「ANCHOR KOBE(アンカー神戸)」 16階:機械室 17階~28階:ホテル「remm+神戸三宮(レムプラス神戸三宮)」 29階:展望フロア、レストラン
▽高架下店舗のリニューアル 地下2階~地上3階:商業施設「EKIZO 神戸三宮」 1階~2階:駅コンコース
▼remm+神戸三宮(レムプラス神戸三宮) 客室:海側ダブルルーム、山側ダブルルーム、ツインルーム、ユニバーサルルーム 付帯施設:フロントロビー、カフェ・レストラン「神戸望海山」 |
位置図
区域図
出典:阪急電鉄株式会社/阪急阪神不動産株式会社
断面図
出典:阪急電鉄株式会社/阪急阪神不動産株式会社
イメージパース
出典:阪急電鉄株式会社/阪急阪神不動産株式会社
写真
北東側から見た神戸三宮阪急ビルの様子です。
神戸三宮阪急ビルの低層部分の様子です。
低層部分には、駅コンコースや商業施設「EKIZO 神戸三宮」が入り、大きなアーチ形状を描いた窓やレンガ調の旧神戸阪急ビル東館を彷彿させる外観意匠が特徴となっています。
旧神戸阪急ビル東館の円筒形立面や塔部分も再現されています。
北東側から見た神戸三宮阪急ビルの高層部分の様子です。
神戸三宮阪急ビルの開業にあわせて、サンキタ通りと一体的に全面リニューアルされた「サンキタ広場」です。
広場にはデザイン性あるモニュメントやファニチャー類がいくつか設置されています。
広場に面した神戸三宮阪急ビルのエントランス部分の様子です。
エントランス上部にはこのような繊細な彫刻があり、趣を感じられます。
阪急神戸三宮駅のコンコース出入口の様子です。
阪急神戸三宮駅のコンコース出入口付近から見上げた神戸三宮阪急ビルの様子です。
低層部分の商業施設の様子です。
北西側から見上げた神戸三宮阪急ビルの様子です。
北西側から見た神戸三宮阪急ビルの様子です。
長手積みのレンガ調タイルが趣を感じさせる外観意匠を創り出しています。
駅コンコース出入口上には、アーチ窓があります。神戸阪急ビル東館の姿を彷彿させるデザインです。
阪急神戸三宮駅のコンコースの様子です。折り上げ天井や大理石張りの壁面、アーチ窓が阪急の歴史を感じさせるクラシック調な内装に仕上がっています。
折り上げ天井の間接照明が美しい公共空間です。
現地にて撮影
フロア構成です。
東側から見上げた神戸三宮阪急ビルの様子です。
神戸阪急ビル東館を彷彿させる低層・基壇部分の様子です。大きなアーチ窓が目を引きます。地上6階、地下1階建て、高さ約26m、延床面積9,960㎡の旧神戸阪急ビル東館は、戦前の1936年3月31日に竣工したビルで、大きなアーチ状の窓と円筒形の立面を配していた点が特徴です。
南東側から見上げた神戸三宮阪急ビルの様子です。
高層階の17~28階には、ダブルルームが165室、ツインルームが41室、ユニバーサルルームが3室の客室数209室の「remm+神戸三宮(レムプラス神戸三宮)」が入ります。フロア構成は18~28階に客室、17階にホテルロビー、フロント、1階~2階にエントランスとなります。客室は3つの“ストーリー”から構成されており、“midnight BLUE”、“sunrise EARTH”、“KOBE CLASSIC”から成り立ちます。
「阪急 神戸三宮駅」のロゴです。
29階には展望フロア、レストランが入ります。
南側から見た神戸三宮阪急ビルの様子です。
remm+神戸三宮(レムプラス神戸三宮)の入る高層部分の様子です。
出典:阪急電鉄株式会社/阪急阪神不動産株式会社
「remm+神戸三宮(レムプラス神戸三宮)」の客室イメージパースです。
南東側から見た神戸三宮阪急ビル様子です。
最終更新日:2024年11月12日