なにわ筋線(なにわすじせん)は、大阪市北区の大阪駅から浪速区のJR難波駅、さらに西成区の新今宮駅までを結ぶ予定の鉄道路線です。路線は地下のなにわ筋沿いに整備され、都市の南北交通を強化するとともに、関西国際空港や大阪南部地域へのアクセス改善も図るものです。
路線は関西高速鉄道が第三種鉄道事業者として整備を担当し、完成後はJR西日本と南海電鉄が第二種鉄道事業者として運行します。2019年に国土交通省から鉄道事業許可を取得しており、2031年春の開業を目標としています。大阪都心部の主要駅を結ぶだけでなく、既存の私鉄やJR線との接続により、大阪圏の鉄道ネットワークの利便性を大きく向上させる計画です。2025年夏時点では、難波の道頓堀川を半分ほど堰き止めて掘削工事が行われるなど、工事が本格化しています。
→関西高速鉄道株式会社 公式サイト
西日本旅客鉄道株式会社 なにわ筋線 2031年春開業に向け、なにわ筋線建設プロジェクト進行中
→大阪市 なにわ筋線について
なにわ筋線の概要
0. 概要
大阪市北区の大阪駅から西成区の新今宮駅までを結ぶ地下鉄構想
都市南北交通の強化と空港アクセス改善のための鉄道計画
1. 計画の経緯
1980年代からの大阪都心南北都市交通構想
国・府・鉄道事業者による長期協議と整備計画
2. 路線の概要
北梅田駅から新今宮駅までの地下約7.2km路線
主要6駅と既存鉄道網との接続による利便性向上
3. 事業主体と運営
関西高速鉄道による建設とJR西日本・南海の運行
上下分離方式と国補助による事業費効率化
4. 開業予定とスケジュール
2031年春の開業を目指した段階的整備
環境影響評価や都市計画手続きを経た建設進行
5. 駅と接続路線
北梅田・中之島・西本町・JR難波・南海新難波・新今宮の主要駅
大阪環状線・南海線・阪神線・京阪中之島線との接続
6. 建設技術と課題
都市地下でのシールド工法と地盤改良工法
既存建物回避・水害対策・地盤沈下防止の課題
7. 今後の展望
都市南北移動時間の大幅短縮と輸送力増強
観光・ビジネス利用者増加への対応とネットワーク強化

なにわ筋線の構想は1980年代から存在し、新大阪駅を起点に梅田・中之島・難波を結ぶ南北都市交通として位置づけられてきました。1989年の運輸政策審議会答申では、新大阪駅と湊町駅(現JR難波駅)、汐見橋駅間の整備を2005年までに行う路線として明示され、2004年の近畿地方交通審議会答申でも「中長期的に望まれる鉄道ネットワーク」として位置づけられました。
2007年には近畿開発促進協議会によって、大阪都心を縦断する重要な都市交通線と認識されました。2008年には大阪府知事や国土交通省が、関西国際空港へのアクセス改善の観点から計画を後押し。2009年にはJR西日本や南海など主要鉄道事業者が大阪都心と空港を30分台で結ぶ必要性で一致しました。その後、外国人観光客の増加や都市交通需要の高まりを背景に、2014年以降に本格的な協議が再開され、2017年には阪急も加えた5者協議で建設に向けた具体的な取り組みが進められることが発表されました。

なにわ筋線は大阪駅北地区(北区大深町)の地下に新設される北梅田駅(仮称)を起点に、なにわ筋の地下を南下し、JR難波駅および新今宮駅へと至る計画です。路線距離は大阪駅から西本町駅間2.7km、西本町駅からJR難波駅間1.2km、西本町駅から新今宮駅間3.3kmで、合計7.2kmとなります。


軌間は標準的な1,067mm、複線で建設され、最高速度は110km/hを予定しています。駅数は主要6駅で、停車駅は大阪梅田、中之島、西本町、南海新難波、JR難波、新今宮の各駅です。路線の整備により、既存の東海道本線、JR大阪環状線、南海本線・高野線、阪神線、京阪中之島線、Osaka Metroの各路線などと接続することで、都市間・市内移動の利便性が大幅に向上します。


なにわ筋線は関西高速鉄道が第三種鉄道事業者として建設を担い、完成後はJR西日本と南海電鉄が第二種鉄道事業者として運行を行う上下分離方式を採用します。建設費の一部は国の地下高速鉄道整備事業費補助を活用する計画です。北梅田駅地下化事業や梅田貨物線の地下化事業など、既存インフラへの接続も視野に入れ、建設効率と運行効率を両立させる方針です。概算事業費は駅数を限定したこともあり約3,300億円と報じられています。


なにわ筋線は2031年春の開業を目指して建設が進められています。2018年から大阪市において環境影響評価手続きが開始され、2019年には沿線5地域で都市計画素案説明会が実施されました。現在は、難波で道頓堀川を半分ほど堰き止めて掘削工事が行われるなど、大規模な施工が進行中です。開業に向けて駅施設やトンネル、信号設備などの整備も順次進められています。

停車予定駅は大阪駅北地区(北梅田駅仮称)、中之島駅(仮称)、西本町駅(仮称)、南海新難波駅、JR難波駅、新今宮駅の主要6駅です。各駅は既存路線との接続を考慮して設計されており、梅田貨物線やJR大阪環状線、南海本線・高野線、阪神本線、京阪中之島線など、都市圏の主要交通網と直結します。これにより大阪市内・大阪府内・関空へのアクセス利便性が大幅に向上します。

なにわ筋線の建設には、都市部地下での複雑な土木工事が必要です。既存建物や道路を避けながらのトンネル掘削、難波周辺の水路や道頓堀川の一時堰き止め、駅施設の地下化などが課題です。施工中の地盤沈下や水害対策も重要なポイントで、最新のシールド工法や地盤改良工法が採用されます。


なにわ筋線の完成により、大阪都心の南北移動時間が大幅に短縮されるとともに、関西国際空港や南部地域へのアクセス改善が期待されます。観光・ビジネス利用者の増加に対応するとともに、都市交通ネットワークの多層化による輸送力増強が見込まれます。2031年の開業後は、JR西日本や南海電鉄の運行により、大阪の都市交通の中心的役割を担う路線となるでしょう。
最終更新日:2025年8月22日

