東京都品川区では、都市公園をより魅力的で持続的に活用できる空間とするため、民間事業者の資金やアイデアを取り入れる「Park-PFI(公募設置管理制度)」を活用した新たな取り組みを進めています。
今回、その第1弾として「東品川海上公園Park-PFI事業」が進められています。事業を担うのは、日鉄興和不動産株式会社を代表法人とする「東品川海上公園〈Harbor of Harmony〉共同企業体」で、構成企業には日本体育施設株式会社、株式会社アール・アイ・エー、大日本ダイヤコンサルタント株式会社が参加しています。
本計画では、水辺の特性を活かした飲食施設や地域共創スペースの整備に加え、区内初のドッグランや水辺アクティビティの艇庫など、多彩な機能を導入。公園を訪れる人々がより長く快適に滞在できる環境を整え、地域全体のにぎわいを創出することを目指しています。事業は2025年10月ごろに工事に着手し、2026年7月の運営開始が予定されています。
→品川区 東品川海上公園Park‐PFI事業公募設置等計画の認定について
東品川海上公園Park‐PFI事業の概要
- Park-PFI導入目的
民間活力を活かした公園整備。
地域交流とにぎわい創出の推進。 - 認定事業者
東品川海上公園〈Harbor of Harmony〉共同企業体。
日鉄興和不動産を代表法人とした4社連携。 - 公募対象施設
水辺BBQテラスや飲食施設の整備。
自動販売機やスマートごみ箱の設置。 - 特定公園施設
ドッグランや艇庫、駐輪場の整備。
可動式日除けやウェルカム花壇・デッキ設置。 - 選定の経緯
複数回の委員会による審査と評価。
地域性・実現性・運営力の総合判断。 - 選定理由と評価
専門性と地域貢献姿勢の高さ。
収益を活用した循環型公園整備の可能性。 - 今後のスケジュール
2025年10月より施設整備開始。
2026年7月より運営管理開始予定。

品川区は、「地域に開かれた持続可能な公園運営」をテーマに、これまで行政主導で行ってきた都市公園の整備や管理に、民間の創意と経営力を取り入れることを決定しました。Park-PFI制度は、民間事業者がカフェや売店などの公募対象公園施設を整備し、その収益を公園整備や維持管理に再投資する仕組みです。これにより、従来は公的資金に頼っていた公園運営を、より柔軟かつ持続的な体制へ転換できます。
また、都市公園法の特例により、設置管理期間が最長20年まで延長できるなど、長期的な視点から質の高い施設運営が可能となりました。こうした制度的な後押しにより、地域の魅力を引き出す新たな公園づくりが促進されています。


認定計画提出者及び事業者は、「東品川海上公園〈Harbor of Harmony〉共同企業体」です。代表法人の日鉄興和不動産が総合的な開発・運営を担い、日本体育施設がスポーツ・レジャー施設の専門的知見を提供、アール・アイ・エーが景観・デザイン面を、そして大日本ダイヤコンサルタントが都市計画や構造設計などの技術支援を行います。
計画では、公募対象公園施設として「飲食施設(水辺BBQテラス・地域共創空間含む)」を整備し、自動販売機やスマートごみ箱を設置。特定公園施設として、区内初の「ドッグラン」、水辺の魅力を生かした「艇庫」、さらに「駐輪場」「クールスポット可動式日除け」「ウェルカム花壇・デッキ」などを整備します。
また、公園利用者の利便性を高めるための広告掲示板も設置予定です。これらの施設が一体的に整備されることで、東品川海上公園は単なる休憩空間から、交流・体験・発信の拠点へと進化します。


公募設置等計画は、都市公園法第5条の4に基づき、透明性と公平性を確保した選定手続きを経て認定されました。令和6年10月に開催された第1回選定委員会では、公募対象施設の選定基準や審査項目が確認され、その後、令和7年2月には2段階の審査が行われました。第一次審査では参加資格や法令遵守が確認され、第二次審査では応募者によるプレゼンテーションとヒアリングを実施。
さらに同月27日の選定会議において、総合的な評価結果をもとに「東品川海上公園〈Harbor of Harmony〉共同企業体」が正式に選定されました。委員会には学識経験者(東京農業大学・立正大学の教授)、地域団体代表者、品川区職員らが参加し、地域性・実現性・デザイン性・運営力など多角的な観点から審査が行われています。

選定委員会は、提案内容が「地域の特性を的確に捉え、実現性の高いプラン」であると評価しました。特に代表法人および構成法人がそれぞれ専門分野で豊富な実績を持ち、民間活力による公園の質的向上が期待できる点が高く評価されています。また、提案では飲食施設の収益を活用し、ドッグランや艇庫といった公益性の高い施設を整備・運営する循環型の仕組みを導入。これにより、区の財政負担を軽減しつつ、地域に還元する持続可能なモデルが実現します。
加えて、地域共創空間を設けて住民が自由に利用できるようにするなど、「地域と共に育つ公園」を目指す姿勢も明確です。事業者は説明会や質疑応答の中で「地域の声を聞きながら柔軟に運営していく」と述べており、区民との協働体制にも期待が寄せられています。


東品川海上公園は、目黒川が天王洲南運河に注ぎ込む河口部に位置する親水性の高い公園で、1995年から段階的に整備が進められ、2007年に全面開園しました。園内には芝生広場や噴水、鯨型の滑り台、ボードウォークなどがあり、子どもから大人まで幅広い世代に親しまれています。天王洲アイル駅から徒歩圏内という立地条件もあり、ビジネス街のオアシスとしても利用されています。
今回のPark-PFI導入により、公園の利便性と回遊性がさらに向上します。水辺BBQテラスでは家族や友人同士でのレジャー利用が可能となり、ドッグランや艇庫の設置によってペット連れやアクティビティ目的の来園者も増える見込みです。「Harbor of Harmony」という名称が象徴するように、人・自然・地域が調和する空間として、東品川海上公園は新たな都市型水辺公園へと生まれ変わります。

本計画は2025年4月15日に公示され、同年4月に基本協定が締結されました。続いて9月に実施協定を締結され、10月から2026年6月にかけて施設整備が進められます。運営開始は2026年7月を予定しており、整備後は民間による一体的な運営・管理がスタートします。
工事完了後の東品川海上公園は、水辺に映えるカフェやデッキ空間を中心に、地域交流の拠点としての機能を高め、日常的な憩いとイベント利用の両立を目指します。品川区が進めるこのPark-PFI事業は、地域の景観とにぎわいを同時に高める新しい公園運営モデルとして注目されており、今後の都市公園整備における先進事例となることが期待されています。
最終更新日:2025年10月14日

