自民党所属の国会議員による「建設プロジェクト推進議員連盟」が2025年12月9日に設立され、北海道と青森県を新たに結ぶ「第2青函トンネル(津軽海峡トンネルプロジェクト)」の実現に向けた動きが本格化します。総工費約7,200億円規模の国家級インフラ構想で、自動運転車専用道路と鉄道貨物線を併設する新たな海底トンネルを整備し、食料・エネルギー安全保障の強化、物流効率化、北海道の成長促進など多方面での効果が期待されています。議連の発足により、プロジェクトの推進体制が大きく前進する見通しです。
→北海道建設新聞 第2青函トンネル実現へ前進/自民党に建設推進議連が発足、9日設立総会
→一般財団法人日本プロジェクト産業協議会 5/18「北海道経済連合会シンポジウム『津軽海峡経済圏を創る第二青函トンネル構想』」を開催しました
第2青函トンネル(津軽海峡トンネルプロジェクト)の概要
1. 第2青函トンネル構想の本格始動
自民党による建設プロジェクト推進議員連盟の設立による政策後押し。
国家級インフラとして進む津軽海峡トンネルプロジェクトの推進体制強化。
2. 新トンネルが担う国家的使命
食料・エネルギー安全保障を支える北海道資源の最大活用。
国内自給率向上と危機時の物流維持を実現する基盤インフラ。
3. 物流制約解消に向けた新ルート整備
フェリー依存や青函トンネル共用問題による輸送効率低下。
道路と貨物鉄道を分離することで高速移動と物流を両立する新動脈。
4. 北海道農業のポテンシャル拡大
農業産出額増加を支える広大な土地と低コスト輸送の必要性。
国産農産物の供給力を全国に広げる流通基盤の確立。
5. 再生可能エネルギー供給力の強化
風力・太陽光など大規模再エネ導入が可能な地理的優位性。
本州側への安定供給を可能にする長距離送電・輸送網の確立。
6. トンネル建設の技術的特徴
自動運転専用道路と貨物鉄道を併設した世界最長級トンネル。
高度な防災設備と維持管理費削減を実現する最新技術の導入。
7. 実現による効果と事業の見通し
物流効率化・産業振興・観光拡大など多方面への波及効果。
約15年の事業期間で進む国家プロジェクトの具現化。

第2青函トンネルは、津軽海峡を新たに「道路+貨物鉄道」で結ぶ大規模計画で、現行の青函トンネルが鉄道専用であることによる物流制約の解消が目的です。自民党議員による議員連盟は、構想の実現性を高めるための政策後押しを担うものとなります。ウクライナ情勢以降、食料価格・エネルギー価格の高騰が続き、日本の低い自給率(エネルギー11.8%・穀物28%)が問題視される中、北海道の農業・再エネ資源をより活用できる新たなインフラ整備が急務となっています。


北海道は日本最大の農業地帯で、農業産出額の全国比シェアは年々増加し、2017年には14%に達しました。しかし本州への輸送コストの高さや物流の制約が、さらなる成長の妨げとなっています。また、広大で地価が安い土地は再生可能エネルギーの大規模導入に適しており、国内の食料・エネルギー自給率を引き上げる鍵を握っています。第2青函トンネルは「国産国消」を全国規模で広げるための基盤整備として位置付けられています。

現在、北海道と本州を道路で直接結ぶルートは存在せず、貨物輸送はフェリーや鉄道に依存しています。そのため、札幌~東京間のトラック輸送費は福岡~東京間よりも高く、輸送コストの高さが6次産業化の阻害要因となっています。また、青函トンネルは新幹線と貨物列車が共用しているため速度制限(160km/h)が発生し、新幹線の高速性が十分に生かされていません。第2青函トンネルが完成すれば、現青函トンネルは新幹線専用となり、物流と高速移動の両立が可能になります。

計画中の新トンネルは全長約31km、世界最長級の道路トンネルとなる見込みです。自動運転車専用道路(片側1車線)と単線の貨物鉄道を併設し、PFI方式での建設を想定しています。自動運転技術の普及を前提に道路幅員を最適化し、緊急車両や火災対策、最新防災システム(HI-FOGスプリンクラー、監視カメラ、避難滑り台など)を導入。密閉型トンネル構造により湧水がなく、維持管理費の大幅削減も見込まれています。アクセス道路や在来線接続も整備され、北海道・青森側の物流基盤が強化されます。

第2青函トンネルが実現すると、北海道から本州への農産物・水産物輸送の効率化、再エネ供給の拡充、観光や産業への波及効果など、多角的なメリットが生まれます。新幹線の高速運行による移動時間短縮も見込まれ、北海道の産業競争力が向上します。事業スケジュールは調査設計から開業まで約15年とされ、議員連盟の設立により国としての推進体制が整い始めたことで、計画が一段と現実味を帯びています。
最終更新日:2025年12月6日

