清瀬市は、清瀬駅周辺を「まちの中心拠点」として再編し、今後の発展に向けた方向性を明確にするため、長期的な視点でまちづくりの方針を定める「清瀬駅周辺の未来構想ビジョン」の策定を進めています。2025年11月13日に開催された第4回まちづくり協議会では、その素案が初めて公表され、今後30年間を見据えた駅周辺の将来像や空間整備の考え方、まちづくりの重点テーマが示されました。
このビジョンは、市庁内検討会議による調査・分析、市民アンケート、ワークショップ、個別インタビューなど多様な意見を集約したうえで作成されており、清瀬駅を「みんなで育むまちのホッとリビング『駅まちきよせ』」として位置づけることが中心的な理念となっています。市民が安心して集まり、自然・農の魅力とにぎわいが調和した拠点づくりを目指す構想です。
→清瀬市 清瀬駅周辺の未来構想ビジョン策定に向けたまちづくり協議会
清瀬駅周辺の未来構想ビジョン(素案)の概要
1.未来構想ビジョン策定の背景
清瀬駅周辺を長期的に再編し、市の中心拠点としての役割を再定義する取り組み。
将来の発展に向けた都市づくりの方向性を示す指針の策定。
2.第4回まちづくり協議会での素案公表
2025年11月13日の協議会で、初めて将来像や空間整備方針を提示した素案の公開。
議論の積み重ねに基づく駅周辺の長期ビジョンの明確化。
3.市庁内検討会議と市民意見の反映
調査分析、市民アンケート、ワークショップなど多角的意見の集約。
地域の声を踏まえた実効性と共感性を備えたビジョンの構築。
4.将来像「駅まちきよせ」の提示
「ホッとリビング」をキーワードとした、安心とにぎわいが共存するまちの創出。
人が自然に集まる拠点として育む中心市街地の形成。
5.空間整備の方向性と都市構造の再編
南北アクセス改善や回遊性向上など、軸と拠点の視点で整理した空間再編。
踏切混雑緩和や自然とのつながり強化など、連続性を意識した都市構造の構築。
6.複合する課題への対応方針
老朽建物更新、歩行者安全確保、商業活性化など、多面的課題の整理。
居住環境の向上や交流拠点の充実を図る重点テーマの設定。
7.ビジョンの今後の扱いと実施体制
30年先を見据えた長期指針として、優先事業から段階的に具体化する方針。
官民連携体制やエリアマネジメントの活用による持続的な推進体制の構築。

清瀬市は、駅周辺の活力向上や都市機能の強化を図るため、都市づくりの方向性を包括的に定める「未来構想ビジョン」の検討を進めてきました。その検討の中心となる議論の場として、学識経験者、自治会代表、地権者、商業者、市民公募の委員など、多様な立場から参加する「まちづくり協議会」を設置し、2025年4月以来、合計4回の会議を重ねてきました。
協議会では、調査結果の共有、現状分析、課題抽出、将来像の方向性、空間整備の考え方などが段階的に議論され、ビジョン素案として取りまとめられました。
ビジョン策定の目的は、駅周辺のまちづくりの基本理念を示し、都市基盤整備、公共施設の再配置、商業活性化策、交通環境の改善など、複数分野にわたる計画を一体的に推進する共通指針とすることにあります。また、市民や事業者が同じ方向を向いて行動できる“共有ビジョン”としての役割も期待されています。

基礎調査と市民意見から、清瀬駅周辺は都心への良好なアクセスや医療・教育施設の充実、商店街が育んできた地域コミュニティの温かさ、緑豊かな環境、そして良好な治安といった多様な魅力を備えていることが確認されました。
一方で、駅周辺には建物の老朽化や更新の遅れが進み、歩行者動線の複雑さや安全性の問題、若者が活動できる拠点の不足、商店街の担い手不足や空き店舗の増加による活力の低下など、複数の課題が存在しています。さらに、自転車の放置や狭い歩道が歩行環境を損ね、南北の移動手段が限られることで駅周辺の回遊性も低くなっています。こうした状況を踏まえ、居住環境の質の向上やにぎわいの創出、交通結節点としての機能強化、交流拠点の整備、安全で快適な歩行空間の形成などが、今後優先して取り組むべき課題として整理されています。

ビジョン素案の中心にあるのは、清瀬駅周辺を“みんなで育むまちのホッとリビング『駅まちきよせ』”という新たなイメージで再定義する考え方です。「ホッとリビング」には、にぎわいを表す “hot” と、安心して過ごせる “ほっと” の両方の意味が込められ、居心地の良さと活気を兼ね備えた、人々が自然と集まる中心拠点を目指す姿が示されています。
将来都市構造は、「軸(ネットワーク)」と「拠点(スポット)」という視点で整理され、南北移動の改善や踏切混雑の緩和、商店街の回遊性向上、公共施設や広場との連携強化、農地・自然空間の連続性の維持といった多様な空間整備の方向性が示されています。これらは単なる物理的な再編にとどまらず、交流しやすい環境の創出や地域資源の継承といった視点も含んでおり、清瀬の未来を地域全体で育てていくための総合的な指針として位置付けられています。

まちづくりの方向性として示された4つの柱は、将来像の実現に向けて駅周辺の課題を解決し、地域全体の価値を高めるための重要な指針となっています。まず「まちの拠点機能強化」では、居住、商業、公共サービス、交流といった多様な機能を集積させ、清瀬駅周辺を世代を超えて使いやすい中心拠点として再構築していく方針が示されています。公共空間のより柔軟な活用や商店街との連携強化を通じて、都市としての利便性と魅力を一層高めていくことが目指されています。
次に「交通機能の改善」では、駅前広場や駅舎の再整備、歩行者空間の安全性向上、南北アクセスの改善、放置自転車対策など、駅が交通結節点として適切に機能するための環境整備が重視されています。とりわけ、歩行者動線を明確にすることは、駅周辺の回遊性を高め、商店街や公共施設へスムーズにアクセスできるまちを実現する上で欠かせない取り組みといえます。

三つ目の柱となる「環境を維持・向上するルールづくり」では、景観を適切に誘導する方針の策定や老朽化した建物の更新を促す仕組みづくり、清潔で心地よい街並みを維持するための取り組みが盛り込まれています。さらに、沿道のにぎわい形成を図ることで市街地の質を高めるとともに、地域の貴重な資源である緑や農地を未来へ引き継ぐ視点も大切にされています。
最後に「まちを動かす人と機会の創出」では、若者が主体的に活躍できる場づくりやイベントの企画支援、ウォーカブルな空間を活かした新たな活動の展開、商店街の挑戦を応援する枠組みなど、人を中心に地域の活力を生み出していく取り組みが示されています。官民が連携し、柔軟で創造的な取り組みを実践することで、まちに新たな動きと可能性が生まれることが期待されています。

今回示されたビジョン素案は、清瀬駅周辺の将来像を30年先まで見据えた長期的な指針として位置付けられています。今後は、市庁内での調整や関係者との意見交換を重ねつつ、優先度の高い施策から短期・中期の実施計画へ段階的に反映していく方針です。また、ビジョンを実効性のあるものとするためには、行政だけでなく地域全体が関わる体制づくりが欠かせません。

官民連携の強化やエリアマネジメント組織の活用、市民が継続的に参加できる仕組みの構築が重要視されています。こうした協働体制により、地域ぐるみで“育てていく”まちづくりが推進されます。清瀬駅周辺未来構想ビジョンは、単なる都市整備計画にとどまらず、「清瀬らしさ」を守りながら次世代へつながる地域の姿を描くものであり、将来のまちづくりの基盤として大きな期待が寄せられています。
最終更新日:2025年12月17日

