阪急電鉄京都線(摂津市駅付近)連続立体交差事業は、大阪梅田駅と京都河原町駅を結ぶ阪急京都線のうち、摂津市庄屋一丁目から茨木市丑寅二丁目までの約2.1km区間を対象に、鉄道を連続的に高架化する都市計画事業です。摂津市域約1.5km、茨木市域約0.6kmにわたり整備が進められ、区間内にある摂津市駅も高架駅へと改良されます。
本事業では、沿線に点在する5か所の踏切を一挙に除却し、慢性的に発生している交通渋滞や踏切事故の解消、鉄道による地域分断の解消、市街地の一体化を図ります。特に坪井踏切は、ピーク時の遮断時間が1時間あたり40分以上となる「開かずの踏切」に該当し、地域交通の大きなボトルネックとなってきました。
大阪府、摂津市、茨木市、阪急電鉄が連携して事業を進めており、仮線方式による段階的な高架化工事が計画されています。鉄道工事は2026年頃から本格化し、事業完了後は、安全性・利便性・環境性を兼ね備えた沿線空間の形成と、周辺市街地の持続的な発展が期待されています。
→摂津市 阪急電鉄京都線(摂津市駅付近)連続立体交差事業について
→大阪府 阪急電鉄京都線(摂津市駅付近)連続立体交差事業
阪急電鉄京都線(摂津市駅付近)連続立体交差事業の概要
1.事業の位置づけと対象区間
阪急京都線の摂津市庄屋一丁目から茨木市丑寅二丁目まで約2.1km区間を連続立体交差化する都市計画事業。
摂津市域約1.5km、茨木市域約0.6kmにおよぶ広域的な鉄道インフラ整備。
2.踏切除却と交通課題の解消
区間内に存在する5か所の踏切を一体的に除却する計画。
開かずの踏切解消による交通渋滞緩和、事故防止、緊急車両通行性向上。
3.摂津市駅の高架化と機能更新
摂津市駅を地上駅から高架駅へ改良する駅施設再編。
バリアフリー化、乗換動線改善、駅前空間の高度利用促進。
4.市街地分断解消と都市一体化効果
鉄道による南北分断の解消による歩行者・自転車回遊性向上。
沿線土地利用の連続性確保と都市機能集積の促進。
5.高架下空間と沿線環境の高度活用
高架下空間を活用した駐輪場、生活利便施設、地域活動拠点の創出。
騒音・振動低減、環境側道整備による居住環境の改善。
6.事業体制と施工方式
大阪府、摂津市、茨木市、阪急電鉄による官民連携体制。
仮線方式による列車運行維持と段階的高架化施工。
7.事業スケジュールと将来展望
2026年頃から鉄道工事着手、2030年代前半の事業完了想定。
沿線価値向上、都市拠点形成、持続的地域発展への波及効果。

阪急京都線は、大阪都市圏と京都都市圏を結ぶ主要幹線であり、沿線には住宅地や教育施設、商業施設が集積しています。摂津市駅は2010年に開業し、駅東側では摂津市立コミュニティプラザや大規模マンションなどの整備が進み、地域の新たな拠点として機能してきました。
一方で、駅周辺には複数の踏切が存在し、列車本数の多さから遮断時間が長く、慢性的な交通渋滞や緊急車両の通行支障、歩行者の安全性低下など、都市機能上の課題が顕在化していました。また、鉄道によって市街地が南北に分断され、地域活動や日常生活の回遊性にも影響を与えていました。
これらの課題を抜本的に解決するため、鉄道を連続的に高架化し、踏切を除却することで、交通の円滑化と都市の一体化を同時に実現し、沿線地域の活性化と安全・安心なまちづくりを推進することが本事業の目的です。


本事業は都市計画事業として位置づけられ、事業区間は摂津市庄屋一丁目から茨木市丑寅二丁目までの約2.1kmです。内訳は摂津市域約1.5km、茨木市域約0.6kmとなります。
除却される踏切は合計5か所で、このうち1か所が「開かずの踏切」に該当します。高架化の対象駅は摂津市駅1駅で、駅施設も含めて立体化されます。事業主体は大阪府、摂津市、茨木市、阪急電鉄で、役割分担として、大阪府が事業全体の統括、地元自治体が用地取得や側道整備、鉄道事業者が鉄道施設工事を担います。
想定事業費は約500億円規模とされており、長期間にわたる大規模インフラ整備事業として、地域全体の都市構造に大きな影響を与えるプロジェクトとなっています。


最大の効果は、踏切除却による交通渋滞および踏切事故の解消です。道路交通の定時性が向上し、通勤・通学・物流の円滑化が図られます。また、駅前広場の整備や高架化による地域分断の解消により、交通結節機能が強化され、バスや自転車、徒歩との乗り換え利便性も向上します。
高架下空間については、駐輪場、店舗、地域活動スペースなど多様な利活用が想定され、新たな都市空間の創出につながります。さらに、環境側道の整備や渋滞緩和による騒音・大気汚染の低減、高架構造による振動抑制など、沿線の生活環境改善効果も期待されます。


本事業は、2017年に都市計画決定、2018年に都市計画事業認可を受け、2019年以降、用地取得が進められてきました。2023年度からは付替道路整備、埋蔵文化財調査、支障物件移転などの準備工事が本格化しています。
用地取得は概ね9割以上が完了しており、残る案件の調整が進められています。2025年末には鉄道工事に関する説明会が開催され、地域への情報共有と安全対策の周知が行われました。
鉄道工事は2026年頃から着手予定で、仮線切替、高架橋構築、環境側道整備の順に段階的に進められます。事業完了は2030年代前半が想定されており、長期的なまちづくりプロジェクトとして進行しています。


工事区間は「摂津市庄屋一丁目~茨木市丑寅二丁目」間の約2.1kmで、3工区に分けて施工されます。第1工区は摂津市庄屋地区から坪井踏切付近までで、鹿島建設・鉄建建設JVが担当します。第2工区は坪井踏切から産業道路踏切付近までで、西松建設・ハンシン建設JVが施工を担当します。第3工区は産業道路踏切から茨木市丑寅地区までで、大林組・フジタJVが担当します。
各工区では、地域の交通や生活環境への影響を最小限に抑えながら、段階的な施工管理と安全対策が実施されます。


鉄道工事は「仮線方式」により実施されます。これは、現在の線路の隣に仮設線路を設けて列車を切り替え、その後、既存線路用地に高架橋を建設する施工方式です。
工事は、①仮線工事、②高架化工事、③環境側道整備の順で進められます。列車運行を維持しながら施工を行うため、夜間作業や段階的な切替が多く、騒音・振動対策、工事車両の動線管理、安全対策が重視されます。また、埋蔵文化財調査や公園施設の移設など、地域資源への配慮も並行して行われており、地域との合意形成を重ねながら事業が進められています。


摂津市駅は、大阪府摂津市千里丘東四丁目に位置する阪急京都線の駅で、2010年に開業しました。「南千里丘まちづくり構想」の中核施設として整備され、日本初の「カーボン・ニュートラル・ステーション」を掲げ、太陽光発電やLED照明など環境配慮型設備を積極的に導入しています。現在は普通列車のみが停車する地上駅で、1日平均乗降人員は約1万1千人規模となっています。
本事業により、摂津市駅は高架駅へと生まれ変わり、踏切除却による安全性向上に加え、駅周辺の回遊性や土地利用の高度化が進むことが期待されます。高架下空間の活用により、駐輪場や生活利便施設、地域交流機能の導入余地が広がり、駅を中心とした都市拠点性が一層高まります。
また、JR千里丘駅や周辺公共施設とのアクセス改善、バス・自転車との結節機能強化により、広域的な交通利便性の向上も見込まれ、摂津市の玄関口としての役割がさらに強化されることになります。
最終更新日:2026年1月17日

