株式会社パルコは2026年1月29日、同社が運営する「福岡PARCO」を2027年2月末をもって営業終了することを公表しました。2010年の開業以来、約15年にわたり天神の商業拠点として親しまれてきた施設ですが、建物の老朽化に伴う今後の投資負担の増大や、「天神二丁目南ブロック駅前東街区」における再開発計画の進捗を踏まえ、中長期的な視点から営業終了の判断に至ったものです。
今後は、周辺事業者と連携しながら、東街区・西街区一体での建替え・高度利用を進め、文化・情報発信機能や緑豊かな公共空間を備えた新たな都市拠点の形成を目指すものとしています。天神ビッグバンの中核エリアの一角を担う再開発の動きは、福岡都心の都市構造や商業動線にも大きな影響を与えることが見込まれます。
福岡PARCO閉店/天神二丁目南ブロックの概要
1.福岡PARCOの営業終了決定
株式会社パルコが2026年1月29日に公表した、福岡PARCOの2027年2月末営業終了方針。
2010年開業から約15年にわたり天神の中核商業施設として機能してきた拠点の節目。
2.営業終了に至った主な理由
建物老朽化に伴う今後の大規模投資負担の増加と、中長期的な資産活用方針の見直し。
天神二丁目南ブロック駅前東街区における再開発計画の進捗を踏まえた経営判断。
3.施設概要とこれまでの役割
天神駅・西鉄福岡(天神)駅と直結する延床約42,000㎡の大規模都市型商業施設。
ファッション、カルチャー、飲食を融合した集客拠点としての高い都市貢献。
4.営業終了スケジュールと影響
2027年2月末を目途とした段階的な閉店・テナント移転調整の進行。
天神エリアの商業動線や集客構造に与える短期的な影響。
5.天神二丁目南ブロック再開発の概要
東街区・西街区の一体再編による最高約115m級ツインビル整備計画。
耐震性向上、多層的歩行者ネットワーク、広場整備を柱とする都市基盤更新。
6.東街区における福岡PARCO跡地の将来像
商業、ホテル、文化・情報発信機能を融合した複合都市拠点の形成構想。
ライブ、アート、緑化空間などパルコの編集力を活かした新たな都市価値創出。
7.天神ビッグバンとの連動と都市更新効果
規制緩和と民間投資を活用した都心機能高度化プロジェクトとの一体推進。
天神の国際競争力、回遊性、公共性を高める次世代都心形成への波及効果。

福岡PARCOは、2010年3月に天神エリアへ開業して以降、ファッション、カルチャー、エンターテインメントを融合した都市型商業施設として、若者層を中心に高い集客力を維持してきました。しかし、建物は旧天神岩田屋本館・新館を改修・増築したもので、築年数の経過により老朽化が進行しています。今後想定される耐震対応や設備更新などの大規模投資負担が経営判断上の課題となっていました。
これに加え、敷地を含む「天神二丁目南ブロック駅前東街区」で再開発計画が具体化・進展していることも大きな要因です。周辺街区と一体的に高度利用を図る計画が進む中で、現施設を維持し続けるよりも、次段階の都市更新に向けて役割を終えるという判断がなされました。現在も多くの来館者に支えられている状況を踏まえつつ、中長期的な都市構造の転換を見据えた決断といえます。

福岡PARCOは、福岡市中央区天神二丁目11番1号に立地し、西鉄福岡(天神)駅や福岡市地下鉄天神駅と地下で直結する極めて交通利便性の高い商業施設です。店舗面積は約42,000㎡に及び、2024年度のテナント取扱高は約2,727億円と、九州有数の商業集積としての存在感を示してきました。
本館・新館・駅ビル増床部を一体的に運営し、約200店舗規模のテナント構成を形成。ファッションのみならず、音楽、アート、飲食、シェアオフィスなど多様な都市機能を取り込み、天神の回遊性向上にも寄与してきました。開業初年度には売上目標を大きく上回る実績を記録し、その後も第24回福岡市都市景観賞や第21回BELCA賞ベストリフォーム部門の表彰を受けるなど、商業施設としての評価も高い存在でした。


福岡PARCOの営業終了予定日は2027年2月末とされています。今後約1年間にわたり、通常営業を継続しながら、テナントの移転調整や閉店準備が段階的に進められる見通しです。天神エリアでは近年、大型再開発や商業施設の更新が相次いでおり、既存テナントの多くは天神周辺や博多エリアなどへの再配置が進む可能性があります。
一方で、PARCOが担ってきた若年層・カルチャー志向の集客機能を、どの施設がどのように引き継ぐのかは、今後の都心商業戦略における重要な論点となります。短期的には天神の商業バランスに一定の変化が生じる可能性がありますが、中長期的には再開発による新たな集客装置の創出が期待されます。

天神二丁目南ブロック駅前東西街区市街地再開発事業は、福岡市中央区天神二丁目に位置する約2.2haのエリアを対象に、「東街区」と「西街区」の2街区を一体的に再編する大型再開発プロジェクトです。北側を明治通り、東側を渡辺通り、南側をサザン通りに囲まれ、西鉄福岡(天神)駅・地下鉄天神駅・天神南駅に近接する、福岡都心でも屈指の立地条件を備えています。
計画では、両街区とも最高高さ約115m規模の高層複合ビルを整備し、東街区には店舗・事務所・ホテル・文化・情報発信機能、西街区には店舗・事務所・文化・情報発信機能を導入する方針です。延床面積は東街区が約138,000㎡、西街区が約88,000㎡とされ、天神の新たなランドマーク形成が見込まれています。
また、地上・地下・上空を活用した多層的な歩行者ネットワーク、広場、地下通路の整備により、駅・地下街・周辺街路をシームレスにつなぐ安全で快適な回遊空間の形成が計画されています。老朽化した既存建物の更新と耐震性向上を図りながら、公共性の高い都市空間を創出する点が大きな特徴です。

福岡PARCOが立地する東街区は、再開発の中核エリアの一つであり、株式会社パルコ、J.フロント都市開発、西日本鉄道など複数事業者が参画する共同開発となっています。単なる商業更新にとどまらず、ホテル、文化・芸術、情報発信機能などを融合させた複合都市拠点の形成が構想されています。
パルコが培ってきたライブ、アート、サブカルチャーなどの編集力を生かし、ライブハウス、ギャラリー、ミュージアムといった新たな文化装置の導入も検討されています。さらに、公園整備や建物の緑化など、都市環境の質を高める取り組みも盛り込まれており、単なる「商業床の更新」ではなく、都市の価値創造を担う再開発となる点が注目されます。
西街区で進む新天町商店街の再編とも連動し、メルヘン通り地下通路の共同整備など、歩行者動線の再構築が進められることで、天神全体の回遊性向上と公共性の強化が期待されます。
最終更新日:2026年1月29日