近鉄グループホールディングスは、創業の地である大阪上本町駅と周辺を、2030年以降に大規模に再開発する構想を発表しました。計画には「近鉄百貨店上本町店」の建て替えや、隣接する「シェラトン都ホテル大阪」の刷新が含まれています。詳細な規模や施設構成は現時点で明らかにされていませんが、投資規模や立地条件から、超高層で複合機能を備えた大型ビルとなる可能性が高いとみられます。
この構想は、2019年の近鉄グループの経営計画に示された「上本町ターミナル事業」を継承するもので、当時は万博やIRを契機に増加が見込まれる国内外の来訪者に対応する交通・観光情報拠点としての整備が検討されていました。鉄道・バス・タクシー・駐車場の一体整備や高品質な旅客サービス、ランドマークとなるホテル・MICE施設・都市型エンタメの導入も計画に盛り込まれていました。さらに、ビジネス拠点や若者コミュニティの形成、天王寺・阿倍野エリアとの連動による街全体の魅力向上も目標とされていました。
新型コロナウイルスの影響で一時停滞しましたが、業績回復とインバウンド需要拡大を背景に、再開発構想として再始動することになりました。
大阪上本町駅再開発構想の概要
- 再開発の発表
創業地・大阪上本町駅と周辺の大規模再開発構想の公表。 - 計画の中核施設
近鉄百貨店上本町店の建て替えとシェラトン都ホテル大阪の刷新。 - 投資規模
総額1300億円超に及ぶ、大型都市開発としての事業規模。 - ターミナル機能の強化
京都・奈良・伊勢志摩方面を結ぶ交通拠点としての機能強化。 - 歴史的意義
近鉄発祥の地としての歴史と駅機能集積の再整備。 - インバウンド需要の取り込み
国際水準の宿泊・会議機能整備による訪日客需要の拡大。 - 大阪都市圏への波及効果
阿倍野・難波との連携による都市圏全体の魅力向上。

大阪上本町駅周辺は、近鉄の歴史的な拠点でありながら、難波線開業以降ターミナル機能の一部が移転し、役割の低下が指摘されてきました。今回の再開発では、駅直結の近鉄百貨店上本町店を建て替えるとともに、隣接するシェラトン都ホテル大阪の全面刷新が検討されています。再開発事業費は1300億円超に達し、建設費760億円の「あべのハルカス」を上回るほか、約968億円のJPタワー大阪、約767億円の渋谷・道玄坂の再開発(東京)など、近年の大阪や東京での大型超高層ビル建設と同等規模かそれを上回る規模となる見通しです。

大阪上本町駅は1914年に開業した近鉄の基幹ターミナルで、現在も大阪線・奈良線・難波線の起点駅として機能しています。地上ホームは頭端式6面5線で、伊勢志摩方面への特急列車の発着拠点ともなっています。駅周辺には近鉄本社や関連施設が集積し、また地下通路でOsaka Metro谷町九丁目駅とも連絡しており、利便性の高さが特徴です。再開発によって、駅の歴史的意義と交通結節点としての役割を再び強化する狙いがあります。

再開発の中心の一つとなるシェラトン都ホテル大阪は、1985年開業の21階建て高層ホテルで、国際会議対応の大宴会場を備えるなどインバウンド需要にも応えてきました。今回の計画では、ホテル機能の刷新により国際水準の宿泊・会議施設として再生を目指します。さらに百貨店や周辺商業施設との連携により、観光客やビジネス客の集客力を高め、阿倍野・難波とともに大阪の主要拠点としての存在感を強化することが期待されています。
2019年に近鉄グループの経営計画の中で示された「上本町ターミナル事業」では、グループ本社や商業・ホテル機能が集積するエリアの強みを活かし、万博や統合型リゾート(IR)を契機に増加が見込まれる国内外からの来訪者に対応する「交通・観光情報拠点」としてのターミナル再開発が検討されていました。

開発コンセプトには、鉄道・バス・タクシー・駐車場を一体整備し、エアターミナル機能の導入も視野に入れた「次世代の交通ターミナル」の実現、高品質な旅客サービスを提供する観光案内拠点の設置が盛り込まれていました。さらに、ランドマークとなる象徴的な建物による新名所化や、ラグジュアリーホテルやMICE対応の宿泊施設の整備、都市型エンターテイメント施設の充実も掲げられていました。

また、企業誘致を通じたビジネス拠点の形成や、エコベンチャー支援・若者コミュニティ創出といったインキュベーション機能の導入も構想されており、街の活力創出が期待されていました。加えて、あべのハルカスを中心とする天王寺・阿倍野エリアと連動し、上本町エリア全体の魅力を高める都市開発の推進が目標とされていました。
最終更新日:2025年8月25日

