滋賀県守山市が公表した「JR守山駅東口再整備基本計画」では、守山駅東口の約1.7ヘクタールのエリアを対象に、都市機能を高めるためのさまざまな施策が盛り込まれています。この計画は2025年1月から市民の意見を募集し、2025年2月頃には市民の意見を反映して最終的な計画を策定する予定です。
計画の柱として、複合商業施設の設置、交通結節機能の強化、多世代が利用できる広場の整備、そして村田製作所の研究拠点「守山イノベーションセンター」との連携を図り、地域の活性化を目指すワークプレイス機能が挙げられています。さらに、駅前ロータリーや駐車場・駐輪場の改修も含まれ、駅を中心とした新しい都市の核が創出されることを目指しています。
計画の概要
- 計画概要
守山市はJR守山駅東口約1.7ヘクタールの再整備を進めており、市民の意見を反映した最終計画を2025年2月頃に策定予定。 - 複合商業施設の整備
駅直結で飲食店やスポーツジム、子育て支援施設など多機能を備えた複合商業施設を建設し、地域の利便性と活性化を図る。 - 駅前ロータリーと駐輪場
利用者の快適性を重視した設計で、約720台分の駐輪場や各交通手段の乗降スペースを整備し、効率的なアクセスを実現。 - 多世代が集う広場の整備
約1,900平方メートル規模の緑豊かな広場を整備し、交流の場や災害時の避難スペースとしても活用。 - ワークプレイス機能の導入
村田製作所の「守山イノベーションセンター」と連携し、研究開発施設や企業誘致を通じて地域の雇用創出と価値向上を推進。 - 交通結節機能の強化
駅前のロータリー改修やデッキ直結の駐輪場整備により、交通の利便性を向上させる。 - 持続可能な都市機能の構築
複合商業施設、広場、ワークプレイスの相互作用で、新たな人流を生み出し、守山駅東口を地域のランドマークへと成長させる計画。
再整備計画の中心となる複合商業施設は、守山駅直結の利便性を活かし、飲食店やスポーツジム、屋内パブリックスペース、子育て支援施設など、多様な施設を誘致する予定です。この施設の敷地面積は約1,500平方メートルを想定し、延床面積約3,000平方メートルの2層構造が基本設計とされています。
また、来訪者のための駐車場として隣接地に約220台分の駐車スペースを確保し、アクセス性を向上させる計画です。これらの取り組みにより、日常生活の利便性向上に加えて、新たな人の流れを生み出し、地域全体の活性化が期待されています。
ロータリーは約2,400~2,800平方メートルの広さで設計され、一般車両、バス、タクシー、身障者用車両の各乗降スペースを確保します。このエリアには、約720台分の駐輪場が併設され、デッキを通じて複合商業施設と直結することで利便性をさらに高める計画です。
現在のロータリーは利用状況に対してゆとりのある設計となっていますが、今回の再整備により、利用者がさらに快適にアクセスできる構造に改良されます。駐輪場に関しても老朽化対策が施され、デジタル技術を活用した効率的な管理が導入される予定で、多くの利用者にとって利便性の高い設備が提供されることになります。
駅前広場は約1,900平方メートル規模のスペースとして整備され、多世代が集い交流できる空間を目指しています。現在の広場は、池やベンチ、パーゴラ、公衆トイレなどが設置されていますが、アンケート調査によれば、待ち時間を快適に過ごせる施設が不足しているとの意見が多く見られます。
そのため、再整備では緑豊かで居心地がよい空間の創出に加えて、災害時の避難場所としての役割も果たせる広場の整備が進められます。こうした広場は、複合商業施設やワークプレイスエリアと隣接することで、にぎわいや活気を駅前全体に波及させる効果が期待されています。
村田製作所の研究開発拠点「守山イノベーションセンター」との相乗効果を生み出すワークプレイス機能も重要な柱です。このエリアは約5,000平方メートルを基本とし、研究開発や事務機能を担う企業を誘致する予定です。この取り組みにより、地域の雇用創出、エリアの価値向上、そして持続可能なまちづくりが促進されます。
さらに、この機能は駅周辺の人流増加をもたらし、商業施設や広場との連携による活性化も図られます。多様な都市機能が相互に作用することで、守山駅東口は地域の新しいランドマークとなることを目指しています。
最終更新日:2024年12月13日