中之島五丁目地区土地区画整理事業は、大阪都心・中之島のウォーターフロントに位置する約7.7haの区域を対象に、土地利用の再編と公共空間の質的向上を図る都市再生プロジェクトです。特定都市再生緊急整備地域に指定される中之島の一角として、国際競争力の強化、業務・商業・滞在機能の高度化、歩行者ネットワークの充実を目的に整備が進められています。
本事業と一体的に整備されているのが、土佐堀川沿いの遊歩道「中之島歩行者専用道2号線整備事業」です。延長約350m、幅員約12mの歩行者専用空間は、水辺景観と調和した舗装やストリートファニチャーが整備され、安全性と快適性、回遊性の向上に大きく寄与しています。また、区域北東側では、1964年竣工の「NTTコミュニケーションズ中之島ビル」の解体工事が進められており、将来の面的な土地利用転換に向けた動きも本格化しています。
歩行者空間の質的向上、老朽建築物の更新、なにわ筋線の新駅設置に伴う将来的な交通利便性の強化を同時に進めることで、中之島は次の都市ステージへと移行しつつあります。
中之島五丁目地区土地区画整理事業の概要
1.中之島五丁目地区土地区画整理事業の位置づけ
特定都市再生緊急整備地域に指定される中之島の一角における約7.7haの面的再編事業。
国際競争力強化と都心機能高度化を目的とする都市再生プロジェクト。
2.マメまちづくりによる柔軟な都市整備手法
小規模かつ段階的に進める「マメまちづくり」を活用した民間連携型の区画整理。
土地の整形化と公共空間再編による持続的な都市価値向上。
3.中之島歩行者専用道2号線の整備効果
延長約350m・幅員約12mの歩行者専用道による安全で快適な歩行環境の形成。
東西動線の強化と地区全体の回遊性向上。
4.水辺景観と調和した高質な公共空間形成
堂島川・土佐堀川の景観を活かした舗装・街路灯・植栽による統一的な空間演出。
滞留・交流を促すベンチやテーブル空間の整備。
5.NTTコミュニケーションズ中之島ビル解体の進展
1964年竣工の大規模通信施設の解体による土地利用転換の本格化。
将来の複合的都市機能導入に向けた更新局面。
6.交通利便性向上と広域ネットワーク強化
京阪中之島線に加え、なにわ筋線新駅計画によるアクセス性向上。
国内外の人流・交流拡大を支える交通基盤。
7.歩行者軸と面的開発が連動する将来都市像
歩行者ネットワーク、水辺空間、建築更新の一体的な都市形成。
回遊性と滞在価値を兼ね備えた次世代中之島の創出。

中之島歩行者専用道2号線の遊歩道は、土佐堀川の水辺景観と一体となった落ち着きのある歩行空間として整備されています。舗装にはアースカラーのインターロッキングが採用され、周囲の景観や歴史ある中之島の街並みと自然に調和しています。


沿道には濃茶色のレトロ調の街灯が連なり、夜間は格調高い雰囲気ある夜景を創出し、街並みに温かみのある表情を与えています。街路樹や植栽も随所に配置されており、都心部でありながら緑の潤いを感じられる環境が形成されています。
さらに、ベンチの設置に加え、一部にはテーブルのように使えるスペースも設けられています。単なる通過動線ではなく、休憩や滞在、軽い交流の場としても機能しており、水辺を眺めながらゆったりと過ごせる公共空間となっています。


中之島歩行者専用道2号線は、北区中之島5丁目に位置する歩行者専用道路で、延長約350m、幅員約12mの規模で整備が進められました。本路線は、中之島周辺地区を周遊する歩行者ネットワークの一部を構成し、安全で快適な歩行空間を確保するとともに、東西方向の移動利便性を高め、地域全体の回遊性向上を目的としています。
また、堂島川・土佐堀川の水辺空間を活かした整備を行うことで、「水の都・大阪」にふさわしい景観形成を図ることも大きなテーマです。車両交通と分離された歩行者空間は、観光利用だけでなく、通勤・通学や日常の散策など、幅広い利用ニーズに対応しています。
本事業は、周辺の民間開発や河川整備と連動しながら段階的に進められており、厳しい財政状況の中でも、事業効果が最大化されるタイミングを見極めながら整備が継続されています。

中之島五丁目地区土地区画整理事業は、施行面積約7.7ha、総事業費約27億円、事業期間約4年(令和4年度~令和8年度)で進められています。施行者は、株式会社竹中工務店、NTT都市開発株式会社、関電不動産開発株式会社による共同施行体制となっています。

本地区は、京阪中之島線や将来開業予定のなにわ筋線新駅による高い交通利便性が見込まれており、堂島川・土佐堀川に囲まれたウォーターフロントという立地特性を活かした都市づくりが計画されています。土地区画整理により不整形な敷地を整理し、公共施設の再配置や歩行者動線の強化を行うことで、土地の価値向上と質の高い都市空間の創出を目指しています。
施行後は公共用地の割合が拡大し、歩行者専用道路や市道整備による都市基盤の更新が進みます。業務、商業、宿泊、居住、情報通信など多様な都市機能の導入が想定され、中之島の中枢拠点としての役割が一層強化される見込みです。

中之島五丁目地区の北東側では、「NTTコミュニケーションズ中之島ビル」の解体工事が進められています。同ビルは地上7階・地下2階、延床面積約28,700㎡、敷地面積約5,200㎡を有し、1964年竣工という歴史ある通信関連施設を中心としたビルでした。
労災保険関係成立票によると、解体工事は2025年1月15日に着手し、2026年2月27日に完了予定とされています。長年にわたり地域のインフラを支えてきた建物が役割を終え、今後は土地区画整理事業と連動した新たな土地利用への転換が期待されます。


この解体は、単なる建物更新にとどまらず、地区全体の再編と都市機能の高度化を象徴する動きといえます。まとまった敷地の再活用により、将来的には業務・商業・滞在機能などの導入や、歩行者空間との一体的な都市空間形成が進む可能性があります。

中之島五丁目地区では、歩行者専用道の整備、水辺空間の高度化、老朽建築物の更新、将来的な鉄道新線整備といった複数の都市プロジェクトが重なり合って進行しています。これにより、「歩いて回遊しやすい都心」「滞在価値の高いウォーターフロント」「国際競争力を備えた業務・交流拠点」という多面的な都市価値の創出が期待されています。

特に中之島歩行者専用道2号線は、地区内外の施設や再開発エリアを結ぶ重要な歩行軸として機能し、回遊性と滞留性の両立を支える基盤となります。ベンチやテーブル、植栽などの丁寧な空間設計は、日常利用から観光・イベント利用まで幅広い都市活動を受け止める力を備えています。
今後、NTT中之島ビル跡地を含む面的な土地利用転換が進むことで、歩行者空間、建築、河川空間がより一体となった新しい中之島の都市景観が形成されていくことが期待されます。
→2022年12月5日投稿 大阪市により認可公告された大規模開発「中之島五丁目地区土地区画整理事業」
最終更新日:2026年1月19日