神宮外苑地区第一種市街地再開発事業は、東京都港区北青山一丁目、北青山二丁目、新宿区霞ヶ丘町で建設中の地上40階、地下2階、高さ約185mの「複合棟A」、地上18階、地下1階、高さ約80mの「複合棟B」、地上38階、地下5階、高さ約190mの「事務所棟」の3棟の超高層ビルや、地上7階、地下1階、高さ約48mの「ラグビー場棟」、地上14階、地下1階、高さ約60mの「ホテル併設野球場棟」等から構成される大規模複合施設です。
立地は、南側を青山通り、東側を特例都道四谷角筈線、北側を区道第43-670号線、西側を特別区道第1044号線に囲まれた一帯に位置しています。再開発区域は、大正期に整備された神宮外苑の都市構造を基盤として、風格ある都市景観と豊かな自然環境を有しています。多くのスポーツ施設が集積しており、国民や競技者が親しむ一大スポーツ拠点を形成していますが、施設の老朽化が進んでおり、また、各施設への十分な歩行者動線が確保できていないという課題を抱えていました。
再開発事業により、老朽化したスポーツ施設の建替えを進め、明治神宮野球場や秩父宮ラグビー場などを新たに整備し、国内外から多くの訪問者が集まるスポーツ拠点が創出されます。また、神宮外苑の象徴的な景観である銀杏並木や明治神宮聖徳記念絵画館を正面に臨む景観を保全しつつ、緑豊かな風格ある景観を創出します。加えて、地下鉄駅などを含むバリアフリー化された歩行者空間を整備し、利便性、安全性、回遊性を高めることも目的とされています。
さらに、地域全体の魅力向上を目指し、スポーツ施設の役割を継続しながら、新たなアクティビティの場を形成し、スポーツとの親和性が高い地区を一体的に整備します。これにより、地域の賑わいを促進し、複合市街地としての魅力を高めることが期待されています。
施設構成は、「ラグビー場棟「新秩父宮ラグビー場(仮称)」」が、地下1階に駐車場、地上1階~7階にラグビー場のフィールド、客席、ラグビー場諸室、店舗等となります。「複合棟A」は、地下2階~地下1階に駐車場・設備等、地上1階~2階に駐車場、3階に商業、4階にオフィスエントランス、5階~39階にオフィス、40階~PH1階に塔屋・設備等となります。
「複合棟B」は、地下1階にスポーツ関連施設、地上1階に駐車場・設備・ロビー等、1階~2階に店舗、2階~16階に宿泊施設(サービスアパートメント)、17階~PH1階に塔屋・設備等となります。「事務所棟」は、地下5階~地下4階に設備等、地下3階~地下2階に駐車場、地下1階に地下エントランス・商業、地上1階~3階にオフィスエントランス・駐車場・商業、4階にオフィスロビー、5階~24階および27階~35階にオフィス、25階~26階にオフィスロビー、36階~37階に設備等、38階に塔屋となります。
「ホテル併設野球場棟」は、地下1階~地上1階に駐車場、地上1階に野球場フィールド、1階~8階に野球場・設備・客席、9階~14階に宿泊施設(サービスアパートメント)、PH1階に塔屋・設備等となります。「文化交流施設棟」は、1階に商業等となります。
神宮外苑地区第一種市街地再開発事業の重点施策は、まず神宮外苑地区のシンボルである4列のいちょう並木をはじめとした豊かな緑を保存・継承し、新たな樹林地を創造することで、地区を南北に貫く「みどりの散策路」を整備することとされています。さらに、既存の老朽化したスポーツ施設を競技継続に配慮しつつ段階的に建て替え、にぎわいを生む施設とともに、次の100年に繋がる国際的な文化とスポーツの拠点として整備されます。
また、広場や緑地などのオープンスペースを整備し、歩行者の回遊性向上やイベントによる賑わいを促進するとともに、広域避難場所として防災性を高めることにも寄与するものとされています。青山通りやスタジアム通り沿道では、特性に応じた機能の複合化と高度化を進め、周辺環境との調和を図りつつ魅力的な複合市街地を形成します。加えて、将来的なタウンマネジメントを担う準備組織を設置し、市民参加型イベントなどの活動を計画しているとのことです。
新秩父宮ラグビー場(仮称)の整備は、「スポーツの力」で未来を育てるスタジアムを目指し、4つのコンセプトに基づいて進められています。ラグビーの象徴となるスタジアムを作り、誰もが心地よく利用できる施設を実現します。民間事業者によるPFI方式(BT+コンセッション)を採用し、設計・建設後、30年間運営が民間事業者に委ねられます。
施設内にはスポーツミュージアムを設置し、スポーツの価値を広く発信。観客はスポーツの力や可能性を感じることができます。スタジアムは約15,000席、地上7階、地下1階で、全天候型の屋根付きです。ワールドラグビー推奨の人工芝を採用し、ラグビー以外の用途にも対応できる環境が整備されます。
建築主は、神宮外苑地区第一種市街地再開発事業個人施行者で、構成企業は三井不動産株式会社 (代表施工者)、宗教法人明治神宮、独立行政法人都市再生機構、伊藤忠商事株式会社となっており、事業者は三井不動産株式会社 (代表)、宗教法人明治神宮、独立行政法人日本スポーツ振興センター 、伊藤忠商事株式会社です。
着工は、ラグビー場棟がⅠ期2025年度、Ⅱ期2033年度、複合棟Aが2028年度、複合棟Bが2033年度、事務所棟が2025年度、ホテル併設野球場棟が2028年度、文化交流施設棟が2033年度となっています。
竣工は、ラグビー場棟がⅠ期2028年度、Ⅱ期2034年度、複合棟Aが2032年度、複合棟Bが2035年度、事務所棟が2028年度、ホテル併設野球場棟が2032年度、文化交流施設棟が2035年度となっています。
出典・引用元
・東京都 神宮外苑地区第一種市街地再開発事業の施行を認可します
・東京都 (仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業
・三井不動産株式会社/宗教法人明治神宮/独立行政法人日本スポーツ振興センター/伊藤忠商事株式会社 100年の歴史を継承し、にぎわい溢れるみどり豊かなスポーツの拠点へ「神宮外苑地区第一種市街地再開発事業」施行認可のお知らせ
・独立行政法人 日本スポーツ振興センター 新秩父宮ラグビー場(仮称)整備・運営等事業
・新宿区 神宮外苑地区第一種市街地再開発事業(事業中)
・港区 神宮外苑地区第一種市街地再開発事業
・YouTube 神宮外苑地区まちづくり
過去の建設状況
→過去の建設状況
出典:東京都
概要
名称 |
神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 |
計画名 |
神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 |
所在地 |
東京都港区北青山一丁目、北青山二丁目、新宿区霞ヶ丘町の各一部 |
用途 |
ラグビー場棟:ラグビー場、文化交流施設、店舗、駐車場 等 複合棟A:事務所、店舗、多目的室、駐車場 等 複合棟B:サービスアパートメント、室内競技場、駐車場 等 複合棟C:事務所 等 事務所棟:事務所、店舗、駐車場 等 ホテル併設野球場棟:野球場施設、観客席、宿泊施設、駐車場 等 文化交流施設棟:公園支援施設、店舗 等 |
階数 |
ラグビー場棟:地上7階、地下1階 複合棟A:地上40階、地下2階、塔屋1階 複合棟B:地上18階、地下1階、塔屋1階 複合棟C:地上2階 事務所棟:地上38階、地下5階 ホテル併設野球場棟:地上14階、地下1階、塔屋1階 文化交流施設棟:地上1階 |
高さ |
ラグビー場棟:約48m 複合棟A:約185m 複合棟B:約80m 複合棟C:約10m 事務所棟:約190m ホテル併設野球場棟:約60m 文化交流施設棟:約6m |
構造 |
ラグビー場棟:鉄筋コンクリート造、鉄骨造 複合棟A:鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造 複合棟B:鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造 複合棟C:ー 事務所棟:鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造 ホテル併設野球場棟:鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造 文化交流施設棟:鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造 |
基礎工法 |
ー |
客室数 |
ー |
敷地面積 |
約174,700㎡ |
建築面積 |
ー |
延床面積 |
約565,000㎡ ラグビー場棟:76,700㎡ 複合棟A:127,300㎡ 複合棟B:30,300㎡ 複合棟C:1,200㎡ 事務所棟:213,000㎡ ホテル併設野球場棟:115,700㎡ 文化交流施設棟:2,000㎡ |
着工 |
ラグビー場棟:Ⅰ期_2025年度/Ⅱ期_2033年度 複合棟A:2028年度 複合棟B:2033年度 複合棟C:ー 事務所棟:2025年度 ホテル併設野球場棟:2028年度 文化交流施設棟:2033年度 |
竣工 |
ラグビー場棟:Ⅰ期_2028年度/Ⅱ期_2034年度 複合棟A:2032年度 複合棟B:2035年度 複合棟C:ー 事務所棟:2028年度 ホテル併設野球場棟:2032年度 文化交流施設棟:2035年度 |
建築主 |
神宮外苑地区第一種市街地再開発事業個人施行者 構成企業:三井不動産株式会社 (代表施工者)、宗教法人明治神宮、独立行政法人都市再生機構、伊藤忠商事株式会社 事業者:三井不動産株式会社 (代表)、宗教法人明治神宮、独立行政法人日本スポーツ振興センター 、伊藤忠商事株式会社 |
設計 |
ー |
施工 |
ー |
最寄駅 |
東京メトロ銀座線「外苑前」駅 |
備考 |
▼施設構成 *東京都資料の断面図より読み取り 🔻ラグビー場棟「新秩父宮ラグビー場(仮称)」 地下1階:駐車場 地上1階~7階:ラグビー場フィールド、客席、ラグビー場諸室、店舗 等
🔻複合棟A 地下2階~地下1階:駐車場、設備 等 地上1階~2階:駐車場 等 3階:商業 等 4階:オフィスエントランス 5階~39階:オフィス 40階~PH1階:塔屋・設備等
🔻複合棟B 地下1階:スポーツ関連施設 地上1階:駐車場、設備 等、ロビー 等 1階~2階:店舗 等 2階~16階:宿泊施設(サービスアパートメント) 等 17階~PH1階:塔屋、設備 等
🔻複合棟C ー
🔻事務所棟 地下5階~地下4階:設備等 地下3階~地下2階:駐車場等 地下1階:地下エントランス、商業等 地上1階~3階:オフィスエントランス、駐車場、商業等 4階:オフィスロビー 5階~24階:オフィス 25階~26階:オフィスロビー 27階~35階:オフィス 36階~37階:設備 等 38階:塔屋
🔻ホテル併設野球場棟 地下1階~地上1階:駐車場 地上1階:野球場フィールド 1階~8階:野球場、設備等、客席 9階~14階:宿泊施設(サービスアパートメント) PH1階:塔屋、設備 等
🔻文化交流施設棟 1階:商業 等
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位置図
配置図
出典:東京都
断面図
▼複合棟A
出典:東京都
▼事務所棟/ホテル併設野球場棟
出典:東京都
▼ラグビー場棟/複合棟B/文化交流施設棟
出典:東京都
施工順序図
出典:三井不動産株式会社
イメージパース
出典:三井不動産株式会社
施設構成・イメージ
出典:三井不動産株式会社
「鳥瞰」の完成予想パースです。
出典:三井不動産株式会社
「文化交流施設棟」の完成予想パースです。
出典:三井不動産株式会社
「中央広場」の完成予想パースです。
出典:三井不動産株式会社
「いちょう並木の保全」の完成予想パースです。
出典:独立行政法人日本スポーツ振興センター
「新秩父宮ラグビー場(仮称)」の完成予想パースです。
出典:独立行政法人日本スポーツ振興センター
新秩父宮ラグビー場(仮称)の「外観」の完成予想パースです。
出典:独立行政法人日本スポーツ振興センター
新秩父宮ラグビー場(仮称)の「内観」の完成予想パースです。
出典:独立行政法人日本スポーツ振興センター
新秩父宮ラグビー場(仮称)の「内観」の完成予想パースです。
出典:独立行政法人日本スポーツ振興センター
新秩父宮ラグビー場(仮称)の「鳥瞰」の完成予想パースです。
出典:三井不動産株式会社
「ホテル併設野球場棟「新神宮球場」」の完成予想パースです。
出典:三井不動産株式会社
ホテル併設野球場棟「新神宮球場」の「外観」の完成予想パースです。
出典:三井不動産株式会社
ホテル併設野球場棟「新神宮球場」の「内観」の完成予想パースです。
出典:三井不動産株式会社
ホテル併設野球場棟「新神宮球場」の「外観」の完成予想パースです。
出典:三井不動産株式会社
神宮外苑地区第一種市街地再開発事業と新国立競技場の鳥瞰イメージパースです。
2025年3月建設状況
南東側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業の建設地の様子です。
北東側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業の建設地の様子です。
南側から見たいちょう並木です。
北側から見たいちょう並木です。
いちょう並木は、延長300m区間に146本、9m間隔で植えられており、こちらは再開発事業に伴い、保全されます。もともとは代々木の宮内省南豊島御料地内に植えられていたもので、1923年に現在の位置に移設・植樹されています。
明治神宮外苑の案内図です。神宮外苑は、明治神宮とは別です。
北東側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業の建設地です。
事業区域外になりますが、聖徳記念絵画館前のエリアの軟式野球場は広場として再生されます。
1926年竣工の歴史的建造物「聖徳記念絵画館」です。こちらは事業区域外のため、残ります。
ラグビー場棟「新秩父宮ラグビー場(仮称)」
南西側から見た建設中のラグビー場棟「新秩父宮ラグビー場(仮称)」の様子です。
撮影時は、既存建築物の明治神宮第二球場・ゴルフ練習場の解体が進められていました。
仮囲いで覆われ、既存樹木の移植準備作業が行われています。
北西側から見た建設中のラグビー場棟「新秩父宮ラグビー場(仮称)」の様子です。
北側から見た建設中のラグビー場棟「新秩父宮ラグビー場(仮称)」の様子です。
北東側から見た建設中のラグビー場棟「新秩父宮ラグビー場(仮称)」の様子です。
南東側から見た建設中のラグビー場棟「新秩父宮ラグビー場(仮称)」の様子です。
複合棟A
北西側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 複合棟Aの建設地の様子です。
秩父宮ラグビー場の南西側に複合棟Aが建設されます。
南東側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 複合棟Aの建設地の様子です。
複合棟B/複合棟C
神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 複合棟B/複合棟Cの建設地の様子です。明治神宮野球場の南西側付近に建設されます。
北西側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 複合棟B/複合棟Cの建設地の様子です。
明治神宮野球場です。
既存建築物の「Tepia」はそのまま残ります。
事務所棟
南東側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 事務所棟の建設地の様子です。
建設地には、地上22階、地下4階、高さ90.900m、1980年10月竣工の超高層ビル「伊藤忠商事東京本社ビル」が建っています。
南西側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 事務所棟の建設地の様子です。
北西側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 事務所棟の建設地の様子です。
北東側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 事務所棟の建設地の様子です。
ホテル併設野球場棟
東側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 ホテル併設野球場棟棟の建設地の様子です。
北東側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 ホテル併設野球場棟棟の建設地の様子です。
北西側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 ホテル併設野球場棟棟の建設地の様子です。
南西側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 ホテル併設野球場棟棟の建設地の様子です。
文化交流施設棟
北東側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 文化交流施設棟の建設地の様子です。
撮影時は、既存建築物の明治神宮野球場が建っていました。
北西側から見た神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 文化交流施設棟の建設地の様子です。
仮囲いには、各所のイメージパースが掲載されています。2025年度に着工、2035年度までに各施設が竣工します。
最終更新日:2025年3月30日