首都高速道路の日本橋区間地下化に伴う交通ネットワーク再編の中核事業となる「新京橋連結路」の整備が本格化しています。新京橋連結路は、高速都心環状線(築地川区間)と高速八重洲線を結ぶ延長約1.1km、往復2車線の地下トンネルで、江戸橋JCTの大型車連結路の代替機能を担う新たな都心環状ルートとして整備されます。あわせて高速都心環状線(築地川区間)の大規模更新、高速八重洲線の出入口再編、そして八重洲のランドマークとして親しまれてきた円筒形の「鍛冶橋換気所」の建て替えも進められています。
現地では、長年東京駅八重洲口の景観を特徴づけてきた鍛冶橋換気所の解体工事が始まり、約50年以上にわたり都心の交通を支えてきた施設が歴史に幕を下ろそうとしています。日本橋川周辺の再生やKK線の活用とも連携する東京の都市再生を象徴する大規模プロジェクトとして、今後10年にわたり整備が進められます。
新京橋連結路の概要
1.日本橋区間地下化と一体で進む新京橋連結路整備
高速都心環状線(築地川区間)と高速八重洲線を結ぶ延長約1.1kmの地下連絡路整備。
日本橋地下化後の大型車交通を支える新たな都心環状ルートの構築。
2.高速八重洲線の出入口再編と交通機能強化
丸の内入口(仮称)や新富町入口(仮称)の新設、既存出入口の再編を実施。
都心部の交通円滑化と高速道路ネットワーク再構築の推進。
3.鍛冶橋換気所の全面建て替え工事
トンネル延長に対応した換気・防災性能向上のため既存施設を全面更新。
次世代の首都高速道路を支える高機能換気施設への再整備。
4.鍛冶橋換気所の解体工事が本格始動
地上7階・地下4階、延床面積2,084㎡の既存換気所で解体工事を開始。
約50年にわたり八重洲の景観を彩ったランドマーク施設との別れ。
5.アスベスト除去を含む安全対策を徹底
天井・壁・配管などの石綿含有建材を対象とした除去工事を実施予定。
シート養生や負圧除じん装置による粉じん飛散防止対策の徹底。
6.築地川区間で大規模更新事業も同時進行
老朽化した擁壁更新や跨道橋架け替え、線形改良を一体的に実施。
走行安全性向上と都市再生を両立するインフラ更新事業。
7.2035年頃の完成を目指す都心高速道路の大変革
日本橋川周辺の景観改善やKK線再生と連携した都市空間創出を推進。
交通機能と都市景観を次世代へ引き継ぐ首都圏最大級の再整備プロジェクト。

新京橋連結路は、高速都心環状線(築地川区間)と高速八重洲線を地下で結ぶ約1.1kmの新設路線です。日本橋区間地下化によって江戸橋JCTの大型車連結路が廃止されるため、その代替となる新たな都心環状ルートとして整備されます。これにより、都心部の交通ネットワークを維持しながら、日本橋川上空の高架橋撤去や都市景観の改善を進める重要な役割を担います。


道路は往復2車線・設計速度40km/hで計画され、約1.0kmがトンネル構造、約0.1kmが擁壁構造となります。また、高速八重洲線では丸の内入口(仮称)と新富町入口(仮称)の新設、京橋入口・新富町出口の廃止など出入口構成も大きく変更されます。現在は地下埋設物調査や支障物移設工事、開削トンネル工事に向けた準備が進められており、完成は2035年度頃を予定しています。

新京橋連結路の整備によってトンネル延長が長くなることから、換気性能や防災機能の向上を目的として鍛冶橋換気所も全面的に建て替えられます。
現在の鍛冶橋換気所は、1973年の高速八重洲線開通時に整備された施設で、八重洲トンネルの給排気を担ってきました。新宿に移転する前に建っていた旧・東京都庁舎にも近い立地であったことから、周辺景観との調和を意識した特徴的な円筒形デザインが採用され、東京駅八重洲口を代表するインフラ建築のひとつとして約半世紀にわたり親しまれてきました。高速道路施設でありながら景観への配慮が施された建築物としても知られています。
新施設では、新京橋連結路と一体となった換気・防災設備へ更新されるほか、管理施設も新設され、より高度な換気能力と災害対応機能を備えた施設へ生まれ変わります。都心の地下高速道路ネットワークを支える重要なインフラとして、次世代の首都高速道路を支える役割を担うことになります。

現地仮囲いには「(改)新京橋連結路八重洲地区開削トンネル工事」に伴う解体工事のお知らせが掲示されており、鍛冶橋換気所の解体が本格的に始まりました。長年八重洲のランドマークとして親しまれてきた換気所が姿を消すこととなり、周辺では大規模な工事が本格化しています。
掲示によると、解体対象は東京都千代田区丸の内一丁目11番6に建つ鉄筋コンクリート造、地上7階・地下4階、延床面積2,084㎡の建築物です。解体工期は2026年6月15日から2029年3月31日までで、事業主は首都高速道路株式会社、施工は鹿島・鉄建共同企業体が担当します。

また、現地掲示ではアスベスト調査結果も公表されており、天井、壁、配管などで石綿含有建材が確認されています。除去工事は2026年7月15日から9月30日まで実施予定で、シート養生、負圧除じん装置の設置、粉じん飛散抑制剤の吹き付けなど十分な飛散防止対策を講じながら施工が進められます。
半世紀以上にわたり八重洲線を支えてきた換気所はいよいよ役目を終え、新たな換気施設への世代交代が本格的に始まりました。

新京橋連結路の整備に合わせ、高速都心環状線(築地川区間)では約1.5kmにわたる大規模更新事業も同時に進められています。
老朽化した擁壁の更新や跨道橋の架け替え、車道間橋脚の撤去による線形改良などを実施し、構造物の長寿命化と走行安全性の向上を図ります。また、急カーブの解消や道路上部空間の有効活用も検討されており、高速道路の更新と都市再生を一体的に進める全国でも先進的な取り組みとなっています。
さらに、新京橋連結路と同時施工することで工事を効率化するとともに、将来的には日本橋川周辺やKK線再生との連携による新たな都市空間の創出も期待されています。

新京橋連結路の完成により、大型車交通は八重洲線経由へ転換され、神田橋JCT~江戸橋JCT間の交通分散や渋滞緩和が期待されています。また、日本橋区間地下化やKK線再生とも連携することで、日本橋川沿いの景観改善や歩行者中心の公共空間創出など、東京の都市再生にも大きく寄与する計画です。

さらに、日本橋川に空を取り戻すプロジェクトと一体で進められることで、交通機能の維持だけでなく、都市景観や歩行者ネットワークの向上、周辺地域の魅力向上にもつながることが期待されています。
今後は開削トンネルやシールドトンネル工事、丸の内入口(仮称)の整備なども本格化し、日八京エリアでは2035年頃まで首都圏最大級のインフラ更新事業が続いていくことになります。
出典
・首都高速道路株式会社 新京橋連結路
・首都高速道路株式会社 定例会見 (2026年4月15日)
・東京都 東京都市計画道路 都市高速道路第1号線等の変更案及び環境影響評価書案のあらまし
最終更新日:2026年7月28日