小田急線・相鉄線・JR相模線「海老名」駅から徒歩圏に位置する「海老名市役所周辺地区」では、現在、大規模マンションや産業施設、商業施設などの開発計画が相次いで公表され、エリア全体がかつてない建設ラッシュの様相を見せています。海老名市は令和5年3月に「海老名市役所周辺地区まちづくり基本方針」を策定し、市街化調整区域だった一帯を計画的に市街地へ転換する方針を明確化。都市交流拠点である海老名駅周辺と地域交流拠点である厚木駅周辺を結ぶ新たな都市軸として、多世代が暮らしやすいコンパクトシティの形成を目指しています。
地区内では既に開発事業計画標識が次々と設置され、分譲マンションや複合業務施設、公衆浴場、商業施設など多彩なプロジェクトが進行中です。なかでもナイスと大和ハウス工業による357戸の大規模マンション計画や236戸の「レ・ジェイド海老名」、三井不動産による研究・物流複合施設「MFIP海老名 &forest」など、エリアの将来を象徴する大型案件が目白押しとなっています。
海老名市役所周辺地区の概要
1.海老名市役所周辺地区のまちづくり
海老名駅と厚木駅の中間に位置する市役所周辺地区で、新市街地形成に向けた大規模なまちづくりが本格化。
官民連携による土地区画整理や民間開発を組み合わせた、一体感ある都市空間の創出。
2.開発事業計画標識が相次ぎ建設ラッシュへ
地区内では分譲マンションや商業施設、物流・研究施設、温浴施設など多彩な開発計画が相次いで公表。
開発事業計画標識が各地に設置され、新たな市街地形成が一気に動き出した建設ラッシュの様相。
3.大規模マンション供給による新たな住宅地形成
大和ハウス工業や三井不動産レジデンシャル、小田急不動産などによる大型分譲マンション計画が集中。
数百戸規模の住宅供給を通じた、多世代が暮らす新たな都市型住宅地の形成。
4.産業・商業機能の充実による都市機能強化
物流・研究・ラボ機能を備えた「MFIP海老名&forest」や商業施設、温浴施設などの整備が進展。
居住機能だけでなく産業・交流・商業機能を備えた複合市街地への発展。
5.ウォーカブルで環境に配慮したまちづくり
緑道や公園、歩行者空間の整備に加え、街路樹や壁面緑化など環境負荷低減を重視した都市整備を推進。
快適な歩行環境とカーボンニュートラルを目指す持続可能な都市空間の形成。
6.防災性と利便性を高める都市基盤整備
道路ネットワークや上下水道などのインフラ整備、防災公園や調整池の整備を一体的に推進。
災害対応力の向上と安全・安心な暮らしを支える都市基盤の構築。
7.海老名駅・厚木駅をつなぐ新たな都市軸の形成
市役所周辺地区の開発により、海老名駅周辺の都市交流拠点と厚木駅周辺の地域交流拠点が一体的に連携。
海老名市全体の都市価値向上と地域ブランド力の強化につながる広域的なまちづくりの推進。

海老名市役所周辺地区は、小田急線・相鉄線「海老名」駅とJR相模線・小田急線「厚木」駅の中間に位置する約39.4haのエリアで、海老名市役所や海老名総合病院、警察署、消防署などの公共公益施設が集積する市の中核エリアです。
これまで市街化調整区域であったことから、広大な農地や低未利用地が多く残されていましたが、海老名駅周辺の発展に伴い、市街地の拡大が求められるようになりました。そこで海老名市は、地区を複数ブロックに分け、それぞれの特性に応じて土地区画整理事業や民間開発を組み合わせながら、新たな都市機能を備えた市街地へ転換する方針を打ち出しています。

海老名市役所周辺地区の大きな役割は、急速に発展を続ける海老名駅周辺と、再開発が進む厚木駅周辺を一体的につなぐことです。
海老名駅周辺は商業・業務・居住機能が集積する「都市交流拠点」、厚木駅周辺は生活や地域交流を担う「地域交流拠点」と位置付けられています。両地区の間に新たな住宅や商業、業務、医療、公共施設を計画的に配置することで、一つの連続した都市空間を形成し、海老名市全体の都市力向上を目指しているものとされています。
また、歩いて移動しやすいウォーカブルな街並みや、公園・緑道を充実させることで、多世代が快適に暮らせるコンパクトシティの実現も大きなテーマとなっています。


海老名市役所周辺地区では、市と民間デベロッパー、土地区画整理組合、インフラ事業者が連携しながら一体的なまちづくりを推進しています。
道路や上下水道、公園などの都市基盤整備だけでなく、建築物のデザインや景観形成、防災機能の向上、ライフライン整備、緑化などについても共通ルールを設け、エリア全体で統一感ある街並みを形成する計画です。
道路沿いには四季を感じられる街路樹や歩道状空地を整備し、建物についても色彩や高さに一定のルールを設けることで、歩いて楽しく、美しい街並みの創出が図られます。
海老名市役所周辺地区の各街区での開発状況(2026年7月時点)

① ナイスと大和ハウス工業による357戸の大規模分譲マンション計画

海老名市役所周辺地区で最も大規模な住宅開発の一つが、ナイスと大和ハウス工業による分譲マンション計画です。
開発地は海老名市中央四丁目に位置し、敷地面積は約1万4,700㎡。地上13階建て、総戸数357戸という、海老名市役所周辺地区最大級の分譲マンションとなる計画です。設計・施工には長谷工コーポレーションが参画し、2027年6月着工、2030年3月の竣工を予定しています。

海老名駅徒歩圏では近年も大型マンションの供給が続いていますが、本計画は市役所周辺地区の本格的な市街地形成を象徴するプロジェクトとして注目されています。
敷地規模が約1.5haに及ぶことから、単なる住宅供給にとどまらず、周辺道路や歩行空間、植栽などを含めた街区全体の整備が期待されています。


事業者である大和ハウス工業は、「プレミスト」シリーズを展開する国内有数の住宅デベロッパーであり、物流施設や商業施設、都市開発まで幅広く手掛けています。今回の計画でも、その総合開発力を活かした質の高い街づくりが期待されます。
2026年7月には開発事業計画標識が設置され、7月23日には住民説明会も予定されるなど、いよいよ事業が本格始動しました。
② レ・ジェイド海老名

エスコンが開発を進める「レ・ジェイド海老名」は、海老名市中央二丁目に建設される地上14階建て、総戸数236戸の大規模分譲マンションです。海老名駅徒歩8分、約5,900㎡の広大な敷地を活かしたゆとりあるランドプランが特徴で、ゲストルームやラウンジ、ライブラリーなど多彩な共用施設を備えます。


外観は海老名の田園風景と都市的なデザインを融合。ダークグレーを基調としたファサードや地層をイメージした側面デザインを採用し、地域性を表現しています。歩車分離設計やEV対応駐車場、防災設備、ペット足洗い場なども整備され、安全性と快適性を兼ね備えたレジデンスとなる予定です。
③ 三井不動産レジデンシャルによるマンション計画

海老名市大谷地区では、三井不動産レジデンシャルによる新たなマンション計画も進行しています。開発地は約3,800㎡で、建物は地上9階建ての共同住宅となる計画です。現在はまだ未着工ですが、当初計画では2024年8月に着工し、2026年7月の竣工を予定していました。
戸数などの詳細は公表されていませんが、事業者が三井不動産レジデンシャルであることから、「パークホームズ」ブランドなどで培われた高品質な住宅づくりが期待されます。

海老名駅周辺でも近年、マンション供給が活発化していますが、市役所周辺地区への参画により、住宅供給だけでなく街全体のブランド力向上にも大きく寄与することが期待されています。今後も周辺では大型マンション計画が相次ぐ予定であり、市役所周辺地区は海老名市内でも有数の新たな住宅供給エリアへと成長していきそうです。
④MFIP海老名 &forest

海老名市役所周辺地区で最初に完成した大型プロジェクトが、三井不動産の複合業務施設「MFIP海老名 &forest」です。延床面積約4万㎡、地上4階建てで、物流・研究開発・オフィス機能を備えた新たな産業拠点となります。

1・2階は物流施設、3・4階は研究開発やオフィス区画で構成され、給排水設備や高床荷重、非常用発電設備を備え、多様な企業ニーズに対応します。新日本空調や横河レンタ・リース、ファスマックなどが入居しています。
また、物流施設として国内初の一部木造構造を採用し、「&forest」ブランド第1号プロジェクトとして木材を活用した空間を整備。約2,000㎡の公園や交流スペースも設け、地域に開かれた新たなランドマークとなることが期待されています。
⑤ マクドナルドによるロードサイド型店舗計画

市役所周辺地区では大型マンションや業務施設だけでなく、生活利便施設となる商業施設の計画も着実に進んでいます。その一つが、日本マクドナルドホールディングスによる新店舗計画です。
計画地は中央五丁目の約2,590㎡で、木造平屋建ての飲食店舗が建設される予定です。2026年7月に開発基本計画書が提出され、2026年12月の着工、2027年夏頃の竣工を目指しています。

現時点では店舗の詳細は公表されていませんが、敷地規模からロードサイド型店舗のマクドナルドとなる可能性が高く、ドライブスルーを備えた店舗となれば、市役所周辺地区だけでなく国道246号や周辺道路を利用するドライバーの利便性向上にもつながります。
これまで海老名駅周辺に集中していた飲食機能が市役所周辺まで広がることで、新たな住宅地を支える生活インフラの一つとなることが期待されています。
⑥ 三井不動産による大型温浴施設計画

MFIP海老名 &forestに隣接するDブロックでは、三井不動産による公衆浴場(大型温浴施設)の建設計画も進められています。
敷地面積は約8,100㎡、建物は地上3階建てとなる予定で、2026年11月の竣工を目指して工事が進められています。事業者は物流施設と同じ三井不動産であり、業務施設・住宅・商業施設・温浴施設を組み合わせた複合的な街づくりを進めている点が特徴です。

現時点では施設名称やブランドは公表されていませんが、計画規模からスーパー銭湯や温泉型施設になる可能性もあり、市役所周辺地区だけでなく海老名駅周辺全体の集客力向上にもつながる施設として注目されています。
温浴施設は、近年の郊外型まちづくりにおいて滞在時間を延ばす重要な都市機能の一つとなっており、周辺に整備される住宅やオフィス、研究施設との相乗効果も期待されます。
⑦ 海老名メディカルサポートクリニック跡地

海老名市役所周辺地区では、既存施設の建て替えや土地利用転換も進んでいます。その代表例の一つが、海老名メディカルサポートクリニック跡地です。
現在は建物の解体が進められており、今後の土地利用が注目されています。住商複合ゾーンのエリアに位置していることから、住宅や医療関連施設、商業施設など、多様な用途への転換が期待されています。

海老名市が掲げる「公共公益施設・医療施設の機能集積・拡充」という基本方針とも親和性が高く、今後新たな計画が公表されれば、市役所周辺地区のまちづくりにおいて重要な役割を担う可能性があります。
⑧ ベルジェンド海老名センタープレイス

中央四丁目では、ベルフラッツによる「ベルジェンド海老名センタープレイス」の建設も進んでいます。
地上9階建て、総戸数71戸(隣接するミッドマークスと合わせ全120戸)の分譲マンションで、海老名駅から徒歩9分という利便性を活かした住宅プロジェクトです。2027年春頃の竣工を予定しています。


デザイン面では天然石や木目調素材を組み合わせた高級感あるエントランスを採用し、街並みに調和しながらも存在感のある外観デザインを実現。住戸は3LDK・4LDKを中心に、42タイプもの多彩なプランを用意し、ボタニカルガーデンやルーフテラス、コンサバトリーなど個性的な住空間も選択できます。
さらに、住戸ごとのカスタムオーダーにも対応しており、ライフスタイルに合わせた住まいづくりが可能となっています。近年のファミリー向け分譲マンションの中でも自由度の高い住宅として注目されています。
⑨ ベルジェンド海老名ミッドマークス

センタープレイス西側に建設されるのが、「ベルジェンド海老名ミッドマークス」です。
こちらは地上7階建て、総戸数49戸で、2026年末の竣工を予定しています。センタープレイスと一体的に街並みを形成しながら、それぞれ異なるデザインコンセプトが採用されています。
外観はツートーンカラーや透明・不透明素材を組み合わせた立体感のあるファサードとし、最上階は白を基調とした軽やかなデザインを採用。街並みに奥行きとリズムを生み出す意匠となっています。


共用部には中庭を望むエントランスラウンジやホテルライクな共用廊下を整備し、宅配ボックスや置き配スペースなど現代のライフスタイルに対応した設備も充実しています。
センタープレイスと合わせると120戸の住宅供給となり、市役所周辺地区に新たな住宅コミュニティを形成するプロジェクトとなります。大型マンションが相次いで建設されることで人口増加が進み、周辺の商業施設や公共施設との相乗効果によって、市役所周辺地区全体の都市機能向上にも大きく貢献することが期待されています。
⑩ リーフィアレジデンス海老名ブライトガーデン

海老名市役所周辺地区のB-2街区では、小田急不動産と相鉄不動産による分譲マンション「リーフィアレジデンス海老名ブライトガーデン」の建設が進められています。海老名駅徒歩10分の立地に、地上10階・総戸数145戸のレジデンスとして計画されており、駅前の利便性と周辺に広がる落ち着いた住環境を兼ね備えた新たな住宅街区の形成を担います。

建物は「駅前の都市風景にも、海老名らしい自然風景にも美しく調和する邸宅」をデザインコンセプトに掲げています。周辺景観との調和を重視し、ファサードはマリオンによる分節化デザインを採用することで、大規模マンションでありながら圧迫感を抑えた伸びやかな外観を実現。木目調の素材やアースカラーを取り入れた外観・共用部は、自然豊かな海老名らしさを感じさせる落ち着いた印象となっています。
ランドプランにも工夫が施され、駅側と市役所側の双方にエントランスを設けることで回遊性を高めるほか、車寄せやラウンジ、公園に面したサブエントランスなど、多彩な生活シーンに対応する構成となっています。歩車分離設計や並木道のアプローチ、豊かな植栽計画など、安全性と快適性を両立した住環境づくりも特徴です。

また、専用庭付き住戸やペット足洗い場、ラウンジなど、ファミリー層を中心とした幅広いライフスタイルに対応した共用施設も充実しています。市役所周辺地区が目指す「歩きたくなるまちなか」や「緑豊かな新市街地」の考え方を体現する住宅として、地区全体の街並み形成にも大きく貢献するプロジェクトとなりそうです。
⑪ プレシス海老名グランサウス

B-1街区では、一建設による総戸数203戸の大規模分譲マンション「プレシス海老名グランサウス」の建設が進められています。計画では地上10階建て、敷地面積約7,500㎡という市役所周辺地区でも有数の規模を誇るマンションとして建設されています。

海老名駅と厚木駅の双方を徒歩圏に収める交通利便性を活かし、ファミリー層を中心とした住宅供給を担う計画となっています。駐車場151台、駐輪場411台を備えるほか、2LDKから4LDKまで幅広い住戸プランを用意するなど、多様な世帯構成に対応する内容となっています。

一方で、公式サイトでは「事業計画の見直しにより一般分譲販売を中止する」と発表されており、販売スケジュールは当初計画から変更されています。建設自体は進められているものの、今後の販売方法や事業形態については注目が集まっています。
大規模住宅街区としてのポテンシャルは高く、市役所周辺地区の住宅供給を担う重要なプロジェクトであることに変わりはありません。今後どのような形で事業が展開されるのか、引き続き動向が注目されます。
中新田丸田地区土地区画整理事業

海老名市役所周辺地区の開発と並行して、厚木駅東側では約6.7haを対象とする「中新田丸田地区土地区画整理事業」も本格的に進んでいます。
この地区は、海老名市都市マスタープランにおいて「地域交流拠点」と位置付けられており、住宅・商業・公園・防災機能を一体的に整備する新市街地として計画されています。令和6年7月から造成工事が始まり、道路や上下水道、公園、宅地造成など都市基盤整備が段階的に進められています。

地区内には約1ha規模の近隣公園や地下式調整池を整備し、防災性と居住環境を両立。幅員13mの幹線道路や歩道付き道路の整備によって、安全で快適な歩行空間も形成されます。
また、小田急不動産や相鉄グループなど沿線開発の実績を持つ民間事業者が参画しており、住宅供給だけでなく商業施設や地域交流機能も含めた魅力的な街づくりが期待されています。海老名駅周辺の都市交流拠点と厚木駅周辺の地域交流拠点をつなぐ役割を担うプロジェクトとして、市役所周辺地区と一体となった発展が進められています。

現在、海老名市役所周辺地区では大規模マンションや物流・研究施設、温浴施設、商業施設などの開発事業計画標識が次々と設置され、これまで広がっていた農地や低未利用地は、新たな都市へと姿を変え始めています。
地区全体では、市が掲げる「都市交流拠点と地域交流拠点をつなぐコンパクトシティ」の実現に向け、住宅、商業、産業、医療、公共公益、防災、緑地といった多様な都市機能がバランスよく配置される計画です。単なる住宅地開発ではなく、産業創造拠点や研究施設、公園、防災機能まで含めた総合的なまちづくりが進められている点が、この地区最大の特徴といえるでしょう。


さらに、各街区ではそれぞれ異なるデベロッパーによる個性豊かなプロジェクトが同時進行しており、街全体として統一感を持ちながらも、多様な景観や都市機能が形成されていくことになります。
今後はナイスと大和ハウス工業による357戸の大型マンション計画をはじめ、新たな住宅や商業施設の建設も本格化する見込みで、海老名市役所周辺地区は今後数年間にわたり県央エリア有数の建設ラッシュの舞台となりそうです。海老名駅周辺の発展に続く「第2ステージ」ともいえる新たな都市形成が、いよいよ本格的に動き出しています。
最終更新日:2026年7月19日