(仮称)品川駅西口地区A地区新築計画/京急品川開発プロジェクトは、東京都港区高輪三丁目で建設中の地上29階、地下4階、高さ152mの超高層ビルです。立地は、品川駅高輪口、東側を国道15号、南側を補助第14号線(柘榴坂)、北側をさくら坂に囲まれた場所に建っていた地上30階、地下3階、高さ112.5mの超高層ビル「SHINAGAWA GOOS(シナガワ グース)」の跡地に位置しています。また、一帯は独立行政法人都市再生機構により進められている「品川駅西口土地区画整理事業」の区域となっています。
京急電鉄は、品川の将来像を「こころと世界を動かすつながりの湊」と掲げ、人・文化・場所をつなぐまちづくりを進めています。その実現に向け、「五感に魅せる体験」「思いがけない出会い」「社会を良くする仕組みづくり」という三つの方針を定め、共感するパートナーと連携しながら品川の魅力を高めていく方針です。また、開発コンセプト「WEL-COME & GO!」には、訪れる人を温かく迎え、笑顔で送り出すという“おもてなし”の精神が込められており、縁起の良い八の字結びをモチーフに、無限のご縁と未来への広がりを象徴しています。
一方で、バス乗降場の分かりにくさや品川駅との歩行者ネットワークの脆弱さ、緑豊かな高輪森の公園などへのアクセス性・視認性の低さなど、交通と空間の面で課題が存在していました。これらを解決するため、交通結節機能の強化や歴史ある地形・緑を活かした都市環境の整備、さらに業務・商業・宿泊・MICEが融合する複合市街地の形成を目指し、品川を「明日への玄関口」として進化させるまちづくりが進められています。
施設構成は、地下に駐車場、MICE、低層部分にバス乗降場、商業施設、MICE、中層部分に事務所、高層部分にホテルとなっており、国際交流拠点・品川にふさわしい複合施設に国内外のグローバル企業や国際水準の会議・ホテル誘致も想定されています。
トヨタ自動車が新たなオフィス拠点として「新東京本社」を2029年度に開業し、最新のオフィス設備のほか、ソフトウェア開発機能の配置や、実証に必要な設備の導入、更にはオフィス内へのモビリティ実機の持ち込みを可能とするなど、多様な人材がクリエイティビリティを発揮できる環境づくりを目指すものとされています。
CASE技術革新により自動車産業が変革する中、移動価値の拡張やカーボンニュートラルを含む持続可能な共生、新たな価値創造に取り組み、新東京本社は、こうした新領域での取り組みをリードする重要な拠点と位置付けられています。
事業主体は京浜急行電鉄株式会社、トヨタ自動車株式会社、建築主は京浜急行電鉄株式会社、設計は基本設計が株式会社日本設計、実施設計が大成建設株式会社、施工は大成建設株式会社です。SHINAGAWA GOOS(シナガワ グース)が2021年3月31日に閉館し、既存建築物解体着手は2021年11月1日、着工は2025年5月31日、竣工は2029年1月下旬となっています。
出典・引用元
・京浜急行電鉄株式会社 「京急品川開発プロジェクト」本格始動(仮称)品川駅西口地区A地区新築計画着工
・トヨタ自動車株式会社 品川・新東京本社の2029年度開業に向け着工-モビリティカンパニーへの変革を推進する新たな拠点づくり-
・内閣府国家戦略特区 第21回 東京都都市再生分科会 配布資料 資料1 品川駅西口地区再開発等促進区を定める地区計画都市計画(素案)の概要
・港区議会 品川駅西口土地区画整理事業について
・京浜急行電鉄株式会社 品川駅西口地区におけるシナガワグース敷地を活用した当社開発 トヨタ自動車株式会社を共同事業者として迎え ともに豊かな環境を活かしたまちづくりを目指します
・京浜急行電鉄株式会社 (仮称)品川駅西口地区A地区新築計画の事業化決定について
・京浜急行電鉄株式会社 品川駅西口地区(高輪3丁目地区)における固定資産の譲渡および取得に関するお知らせ
・トヨタ自動車株式会社 トヨタは、2029年度東京・品川に、新東京本社を開業します
・独立行政法人都市再生機構 品川駅西口エリアのまちづくりが始動!品川駅西口土地区画整理事業(UR施行)の認可のお知らせ
過去の建設状況
→過去の建設状況
出典:京浜急行電鉄株式会社/トヨタ自動車株式会社
概要
名称 |
(仮称)品川駅西口地区A地区 新築計画/京急品川開発プロジェクト |
計画名 |
(仮称)品川駅西口地区A地区 新築計画/京急品川開発プロジェクト |
所在地 |
地名地番:東京都港区高輪三丁目417番31 住居表示:東京都港区高輪3丁目13番3 |
用途 |
事務所、物販店舗、飲食店、集会場、ホテル、自動車車庫 等 |
階数 |
地上29階、地下4階 |
高さ |
152m |
構造 |
鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造 |
基礎工法 |
直接基礎、一部杭基礎 |
客室数 |
ー |
敷地面積 |
23,584㎡ |
建築面積 |
20,800㎡ |
延床面積 |
311,802㎡ |
着工 |
2025年5月31日 解体着手:2021年11月1日 |
竣工 |
2029年1月下旬 |
建築主 |
京浜急行電鉄株式会社 事業主体:京浜急行電鉄株式会社、トヨタ自動車株式会社 |
設計 |
基本設計:株式会社日本設計 実施設計:大成建設株式会社 外観デザイン:Kohn Pedersen Fox Associates ライティングデザイン:有限会社シリウスライティングオフィス ランドスケープデザイン:株式会社プレイスメディア |
施工 |
大成建設株式会社 |
最寄駅 |
JR、京急本線「品川」駅 |
備考 |
▼施設構成 地下:駐車場、MICE 低層部分:バス乗降場、商業施設、MICE 中層部分:事務所 高層部分:ホテル |
位置図
標識
▼解体工事のお知らせ
区域図
出典:内閣府
配置図
出典:京浜急行電鉄株式会社/トヨタ自動車株式会社
断面図
出典:港区
イメージパース
出典:京浜急行電鉄株式会社/トヨタ自動車株式会社
▼当初計画(2022年3月時点)
出典:内閣府
▼当初計画(2020年4月時点)
出典:京浜急行電鉄株式会社
施設構成・イメージ
出典:京浜急行電鉄株式会社/トヨタ自動車株式会社
外観デザインは、米国の建築設計事務所KPFが担当し、「Flow(流れ)」をコンセプトに環境に配慮した形状が採用されています。風の通り道を意識し、建物は台形で角に曲線を取り入れ、立面も流れを感じさせるデザインとしています。低層部はスカートのように広がるフレア形状とし、高輪の自然を取り込むとともに、品川駅との接続性を高めています。また、庇(ひさし)は雨風を防ぎつつ人々を迎え入れる役割を果たし、快適な空間を形成。さらに、建物周囲には積極的に緑化を施し、屋内からも緑が感じられる設計となっています。
ライティングデザインはシリウスライティングオフィスが担当し、エリアごとの特性に応じた光の演出が行われています。品川駅側(南東)は、空へ上昇するような光で先進的な都市のイメージを表現し、高輪森の公園側(北西)は、光が下降し広がることで自然豊かな大地のイメージを体現しています。さらに、広場や歩行者通路では樹木のライトアップなどにより、訪れる人が自然と歩きたくなるような照明計画が施されています。
出典:京浜急行電鉄株式会社/トヨタ自動車株式会社
ランドスケープデザインはプレイスメディアが担当し、自然とにぎわいが調和する開かれた屋外空間の整備が計画されています。豊かな緑に囲まれたベンチを設置して来訪者に憩いの場を提供する一方、大規模イベントにも対応できる広場を設け、駅前のにぎわいを敷地内へと誘導します。また、在来種を中心とした植栽や生物の生息環境の整備を通じて地域の生物多様性に貢献し、桜や石垣の風景を守るために周辺樹木の保存・再移植も行われます。
出典:京浜急行電鉄株式会社/トヨタ自動車株式会社
日本の玄関口である品川駅前という立地にふさわしく、環境への配慮と防災性を重視した取り組みが推進されます。オフィス部分では、国際的に信頼される環境認証制度「LEED®」の新築部門において、GOLDランクの取得を目指しています。また、大規模災害時に備えた事業継続計画(BCP)も策定しており、非常用発電機により電力の途絶時は168時間、電力とガスの途絶時は72時間、建物全体の通常使用電力の約60%の電力供給を可能にするほか、滞在施設や防災備蓄倉庫を整備し、在館者や地域住民の安全・安心を支える体制を構築しています。
トヨタ自動車 新東京本社
出典:トヨタ自動車株式会社
出典:トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車 新東京本社は、「カーボンニュートラル」と「移動価値の拡張」を掲げるモビリティカンパニーへの変革を牽引する重要拠点として位置づけられています。多様な人材が集い協創を促す場として、ソフトウェアやAI開発に対応したエンジニアファーストな環境を整備し、モビリティの現物を活用できる空間やオープンなコミュニケーションのためのレイアウトを導入します。また、心身の健康を支える「Genki空間®」の実装など、働きやすさを追求した職場づくりも進めています。トヨタはこの本社を通じて、地域社会と連携しながら品川駅周辺エリアの発展にも貢献していく考えです。
出典:トヨタ自動車株式会社
「トヨタ自動車 新東京本社」の完成予想パースです。
出典:トヨタ自動車株式会社
「Genki空間®」の完成予想パースです。
出典:京浜急行電鉄株式会社/トヨタ自動車株式会社
「オフィスロビー」の完成予想パースです。
出典:内閣府
「広場」の完成予想パースです。
出典:内閣府
「広場」の完成予想パースです。
出典:内閣府
低層部分の完成予想パースです。
出典:内閣府
「公園と連続したまとまりある緑地イメージ」の完成予想パースです。
2024年11月建設状況
南東側から見た建設中の(仮称)品川駅西口地区A地区新築計画の様子です。
北東側から見た建設中の(仮称)品川駅西口地区A地区新築計画の様子です。
北西側から見た建設中の(仮称)品川駅西口地区A地区新築計画の様子です。
南西側から見た建設中の(仮称)品川駅西口地区A地区新築計画の様子です。
(仮称)品川駅西口地区A地区新築計画の建設地です。撮影時は、地下の既存躯体解体が進められていました。
仮設の乗入れ構台が迫力あります。
元々、シナガワ グースだった名残は、敷地南東側に残る低層棟しか残っていない状態となりました。
最終更新日:2025年5月26日