横須賀市久里浜地区では、京急久里浜駅とJR久里浜駅という2つの鉄道拠点を中心に、市街地の再編と都市機能の高度化を目指したまちづくりが進められています。2022年7月19日には「京急久里浜駅周辺地区市街地総合再生計画」が策定され、老朽化した建物の更新や土地の有効活用、にぎわい創出、防災性の向上などを一体的に進める方向性が明確になりました。
さらにJR久里浜駅周辺では、低未利用地の活用を見据えた土地利用方針が示され、スポーツや自然、交流を核とした新たな都市拠点形成が構想されています。両駅周辺を連携させた総合的な再生により、久里浜地区全体の魅力と利便性を高める取り組みが本格化しています。
→横須賀市 京急久里浜駅周辺地区市街地総合再生計画を策定しました
→横須賀市 JR久里浜駅周辺地域の土地利用方針を策定しました
京急久里浜駅周辺地区・JR久里浜駅周辺地域の概要
1.計画策定の背景
建物老朽化や低未利用地が残る久里浜駅周辺市街地の課題。
都市機能更新と安全性向上を目的とした再生の必要性。
2.京急久里浜駅周辺の再生方針
駅周辺を中心とした市街地の集約化と高度利用。
住宅・商業・業務機能を備えた複合的な都市拠点形成。
3.市街地総合再生計画の位置づけ
再開発事業を制度面から支援する国の計画制度。
民間主導の建替えや共同化を促す枠組み。
4.対象区域と計画スケール
久里浜一丁目・四丁目の一部、約9.0ヘクタールの計画区域。
4エリア16街区に区分した段階的な市街地更新。
5.都市機能と居住環境の充実
都市型住宅と生活利便施設の集積によるコンパクトシティ化。
子育て・福祉・商業が共存する生活拠点形成。
6.公共空間・交通環境の再編
広場や歩行者空間の整備によるにぎわい創出。
防災性・回遊性を高める駅前・道路空間の再構築。
7.JR久里浜駅周辺との連携
JR駅周辺の土地利用方針と一体となった地区再生。
スポーツ・自然・交流を核とした広域的な拠点形成。

京急久里浜駅周辺地区では、建物の老朽化や木造建築物の集中、土地利用効率の低さなどが課題となっていました。こうした状況を踏まえ、駅周辺のまちづくりと一体となった建物更新を進め、都市機能の強化・再編、利便性の向上、安全・安心な市街地形成を図ることを目的として、市街地総合再生計画が策定されました。人口減少・高齢社会を見据え、歩いて暮らせるコンパクトな都市構造への転換も重要な狙いとされています。

市街地総合再生計画は、国土交通省所管の社会資本整備総合交付金制度に基づき策定される計画で、老朽化や低未利用が進む市街地において、再開発事業などによる整備方針を示すものです。土地・建物の現況調査を行ったうえで、地区全体として望ましい更新の方向性を明らかにし、民間主体による再開発や共同建替えを後押しする役割を担っています。
計画区域内では、市街地再開発事業や優良建築物等整備事業を実施する際、交付金の採択要件が緩和されるなどの制度的メリットがあります。これにより事業化のハードルが下がり、地権者間の合意形成が進みやすくなることが期待されています。結果として、地区特性に応じた段階的な再生が可能となり、無秩序な建替えを防ぎながら、計画的な市街地更新が促進されます。

計画対象地区は、久里浜一丁目および久里浜四丁目の各一部で、面積は約9.0ヘクタールです。地区内は特性に応じて4エリア・16街区に区分され、街区ごとに最適な整備手法が検討されています。計画期間は平成29年4月から平成39年3月までとされ、長期的な視点で段階的な再生を進める枠組みが整えられています。

地区整備の基本方針として掲げられているのは、「歩いて暮らせるコンパクトな都市づくり」「にぎわいの創出」「耐震化・不燃化の促進」「多目的に利用できる広場と歩行者空間の充実」の4点です。都市型住宅や商業・業務機能、福祉・子育て支援施設などを集約し、日常生活に必要な機能を徒歩圏内に配置することで、快適で持続可能な都市環境の形成を目指します。

地区内では、市街地再開発事業、優良建築物等整備事業、共同建替え、個別更新といった複数の手法が想定されています。特に駅周辺の一部街区では第一種市街地再開発事業が検討され、住宅、商業・業務、駐車場などを複合した施設整備が構想されています。共同化を通じた効率的な土地利用と、多様な都市機能の導入が重視されています。


再開発とあわせて、広場や公開空地、駅前デッキの再整備、立体的な遊歩道の整備などが計画されています。狭あい道路の拡幅や歩道整備により、防災性と歩行者の安全性を高めるとともに、旧浦賀・三崎道の歴史的な道筋を継承する配慮も盛り込まれています。京急久里浜駅とJR久里浜駅の連携強化も重要なテーマとなっています。

JR久里浜駅周辺地域では、約9.3ヘクタールを対象に、低未利用地の活用を見据えた土地利用方針が策定されています。国やJR東日本など主要地権者の意向を踏まえ、「スポーツ交流ゾーン」「自然交流ゾーン」「複合ゾーン」「歩行者にぎわいゾーン」といったエリア構成が示されました。

サッカーを核とした運動公園の整備や、自然環境を生かした交流拠点の形成、JR・京急両駅を結ぶ歩行者動線の確保などを通じて、交流人口の拡大と地域活性化を目指しています。これらの方針は、京急久里浜駅周辺の市街地再生と連動し、久里浜地区全体を「来たいまち・住みたいまち」へと進化させる重要な役割を担っています。
最終更新日:2026年1月6日