国立大学法人琉球大学は、医学部・病院を西普天間キャンパスへ移転することに伴い、上原キャンパス跡地の有効活用に向けた計画策定を進めています。令和7年11月には「上原キャンパス跡地利用具体計画」策定業務に関する企画競争が公告され、跡地の利活用方針やゾーニングに基づいた事業提案が募集されました。
跡地利用推進計画は、将来ビジョン検討報告書を基盤とし、地域医療や福祉の継承、人材育成や研究開発の促進、生活利便性の向上、環境との調和、そして既存資産の合理的な活用の五つの基本方針に沿って策定されています。跡地は「ウェルネスゾーン」「人材育成・研究開発ゾーン」「文化と賑わいゾーン」の三つのゾーンに分け、複合的な利用を実現することを目指しています。
→国立大学法人琉球大学 上原キャンパス跡地利用推進計画
→国立大学法人琉球大学企画競争に関する公告
琉球大学上原キャンパス跡地利用推進計画の概要
1. 計画策定の背景
医学部・病院の西普天間キャンパス移転に伴う跡地活用の必要性。
地域との共生と持続的発展を目指す大学の方針。
2. 利活用の基本方針
地域医療の継承と発展の重視。
人材育成・研究開発・生活利便性向上・環境調和の五本柱。
3. 現状と土地条件
A地区・B地区に分かれる平坦地と既存建物の活用可能性。
周辺住宅地との調和と交通利便性の確認。
4. 市場調査とニーズ
サウンディング型調査による複合利用ニーズの確認。
教育・医療・住宅・研究開発の多用途需要の把握。
5. ゾーニングの方向性
ウェルネスゾーン、人材育成・研究開発ゾーン、文化と賑わいゾーンの設定。
各ゾーンに応じた機能配置と柔軟な事業活用。
6. 事業化の課題
既存建物改修、用途地域変更、道路整備などの課題整理。
権利関係や採算性を考慮した事業提案の必要性。
7. 推進体制と連携
大学・自治体・民間事業者の協働による推進。
地域医療・教育・環境保全に資する社会的意義の実現。

上原キャンパス跡地利用推進計画は、琉球大学上原地区キャンパス跡地利用将来ビジョン検討委員会が令和4年2月にまとめた「将来ビジョン検討報告書」を基に策定されました。この報告書では、跡地利用のコンセプトとして「地域との調和と地域発展への寄与」が掲げられています。
跡地利用の基本方針には、周辺地域や自然環境との調和を重視すること、地域における教育や研究の発展を支援すること、良質な雇用や生活環境を創出すること、そして道路や交通など周辺利便性との調和を図ることが示されています。さらに、跡地の市場性や保有資産の有効利用、持続可能な事業運営の観点も踏まえ、令和6年4月には実効性のある具体計画として整備されました。

跡地はA地区とB地区に分かれています。A地区は約13万9千平方メートルで平坦地は約9万7千平方メートル、B地区は約3万7千平方メートルで平坦地は約3万3千平方メートルとなっています。既存建物は45棟あり、多くは新耐震基準を満たしているため、用途変更を伴う場合でも改修コストを比較的低く抑えることが可能です。
これらの建物は病院や大学用途として設計されているため、医療・教育・研究関連の利用に適しています。また、土壌汚染については土地履歴調査により一部の土地で懸念があるものの、今後は詳細な土壌調査を実施する計画です。周辺地域は閑静な住宅地で、戸建て住宅や学生向け賃貸マンションが整備され、街区は区画整理事業により整然としています。
第一種中高層住居専用地域に位置するため、住宅系をメインとした利用が見込まれます。さらに、サウンディング型市場調査では、跡地利用に関心のある11者の事業者から意見が集まり、土地全体を単一用途で使用するよりも、複数用途を組み合わせた複合利用のニーズが高いことが明らかになりました。

上原キャンパス跡地利用推進計画では、地域医療の継承・発展を通じたウェルネス基盤の醸成、人材育成や研究開発の促進による知の集積、居住環境の充実と生活利便性の向上、環境との調和による脱炭素社会への貢献、既存資産の合理的活用の五つの基本方針を掲げています。
跡地はこれらの基本方針に沿って三つのゾーンに分けられています。ウェルネスゾーンには医療・福祉・健康関連施設を中心に配置し、既存建物を活用して地域のウェルネス基盤を形成します。人材育成・研究開発ゾーンでは、教育や研究開発機能を集積させることで、良質な雇用創出や産学連携の促進を目指します。
文化と賑わいゾーンでは住宅機能や公共施設を充実させ、文教エリアでの居住環境向上や地域活性化に寄与することを意図しています。各ゾーンの機能は市場ニーズに応じて柔軟に変更可能で、複合的な利用により土地の潜在的価値を最大化することが期待されています。
跡地利用を実現するための事業化プロセスでは、ゾーニングを活かした事業提案の募集や評価が重要なポイントとなります。既存建物や緑地については詳細な調査を行い、管理方針を明確化した上で事業者に情報提供を行うことが求められます。また、用途地域変更や道路整備などの課題を整理し、事業化スケジュールを明示することも必要です。
大規模案件であることから、権利関係や事業手法を複合化した提案が想定され、対話を通じて適切な事業者を選定することが求められます。さらに、国や自治体、地域住民と連携しながら事業採算性や社会的意義を考慮した計画を推進することが重要です。跡地利用は地域医療や教育、居住環境、環境保全など多面的な価値を創出することが期待されており、大学、行政、民間事業者の連携による実現が不可欠です。
最終更新日:2025年11月30日

