昭和の近代建築として初の国指定重要文化財「明治生命館」が大規模リニューアルを終え、2025年11月22日に新たな文化発信拠点として生まれ変わりました。1、2階の展示エリアは模型や映像を取り入れて大幅に拡充され、未公開史料も公開。歴史的価値を多角的に体感できる空間が整えられています。また1階には「明治安田CAFE丸の内」がオープンし、重厚な古典主義建築の雰囲気を味わいながらくつろげる場が誕生しました。
加えて、2025年3月には1階の「ほけん相談窓口丸の内」が個室対応へ刷新され、来館者が落ち着いて相談できる環境へと進化しています。1934年竣工の明治生命館は古典主義様式の傑作であり、戦後の接収や度重なる改修を経て現在も現役のオフィスビルとして活用される稀有な存在です。今回のリニューアルは、文化財としての価値を未来へ継承するとともに、丸の内の街に新たな文化体験をもたらす取り組みとなっています。
→明治安田生命保険相互会社 昭和の建造物初 国指定重要文化財 明治生命館がリニューアルオープン2025年11月22日(土)より展示エリア拡充、カフェも併設
明治生命館リニューアルの概要
1. 昭和建築初の重要文化財としての価値
昭和建造物として初めて国の重要文化財に指定された歴史的建造物としての存在感。
古典主義様式の最高傑作として日本近代洋風建築の発展に寄与する象徴的建物。
2. リニューアルによる展示エリア拡充
1階・2階に模型や映像展示を新設し、建物の歴史的価値や物語に深く触れられる空間。
未公開史料を含む新たな展示構成による文化発信拠点としての再整備。
3. 重要文化財空間に併設されるカフェ
「明治安田CAFE 丸の内」を新設し、文化財の趣ある空間で過ごせる憩いの場。
ドリンクやスイーツ、アフタヌーンティーなど多彩なメニューを備えた60席のカフェスペース。
4. 来館者サービス向上のための相談環境改善
店頭カウンターで行っていた保険相談を個室スペースに移し、落ち着いた相談環境を整備。
契約者・非契約者を問わず利用できる窓口としての利便性向上。
5. 建物の歴史と保存への取り組み
戦後の接収や復元を経て現在も現役オフィスとして活用され続ける長寿建築としての歩み。
文化財の保存と活用を未来につなぐ企業の姿勢と持続可能な社会への貢献。
6. 一般公開・アクセス情報の充実
展示エリアを無料公開し、音声ガイドや謎解きイベントなど多角的な体験を提供する公開体制。
東京駅・二重橋前駅からアクセスできる利便性の高い都心立地。
7. 併設施設としての静嘉堂文庫美術館
東洋古美術を収蔵する静嘉堂文庫美術館の展示ギャラリーを1階に移設した文化融合空間。
国宝・重文を含む名品を近代洋風建築内で鑑賞できる特別な文化体験。

明治生命館は1934年の竣工以来、日本の近代洋風建築を代表する古典主義様式の建造物として高く評価されてきました。1997年には昭和建築として初めて国の重要文化財に指定され、文化的価値の保存が求められる一方、現役のオフィスビルとして人々が行き交う場でもあり続けています。


今回のリニューアルでは、文化財としての魅力をより多くの人が理解し体験できるよう展示機能の拡充を実施。歴史展示の内容を強化するだけでなく、模型や映像、未公開史料など多様なコンテンツに触れられる構成とされました。さらに、文化財の魅力を日常の中で気軽に体験できる場所としてカフェを併設し、丸の内の新たな文化拠点としての役割を強めています。

1、2階の展示エリアには、新たに明治生命館の大型模型、歴史を映像で辿るコンテンツ、建物のディテールや設計の魅力を解説するパネルなどが整備されました。昭和初期の古典主義建築として、コリント式列柱やアカンサス文様などの装飾が特徴である明治生命館の建築美を深く理解できるようになっています。


さらに、未公開の史料が新たに公開されたことにより、戦後のGHQ接収時代や、1956年以降の復旧・保存の歩みなど、建物が辿った長い歴史を具体的に知ることができます。また、スマートフォンで利用できる「アテンドツアー」も備え、来館者が自分のペースで音声ガイドを楽しめる仕組みも導入されました。

今回のリニューアルの大きな特徴の一つが、1階に新設された「明治安田CAFE丸の内」です。重厚な大理石の柱と天井の装飾が残る空間で、コーヒーや紅茶、スイーツ、軽食を楽しめる上質なカフェとして整備されました。

メニューはコーヒーや紅茶、ケーキやパフェ、サンドイッチ、ハヤシライスまで幅広く揃え、アフタヌーンティーの提供も行っています。60席を備え、観覧の合間の休憩はもちろん、周辺のビジネスパーソンや観光客の利用も見込まれています。歴史的建造物の内部で味わう特別なひとときは、従来の展示施設にはなかった新たな体験となっています。


2025年3月には、1階にある「ほけん相談窓口丸の内」が店頭カウンター形式から個室対応へ全面的に切り替えられました。これにより、生命保険や資産運用に関する相談がより落ち着いた環境で受けられるようになりました。
窓口では新規加入相談だけでなく、既存契約者の手続きや内容確認にも対応し、無料セミナーや税理士相談会なども実施しています。保険会社の本社機能を持つ建物としての役割と、文化財としての公開機能を両立させる運営が継続されています。


明治生命館は、東京美術学校教授の岡田信一郎・捷五郎兄弟による設計であり、構造は内藤多仲が担当しました。1930年に起工し、1934年に竣工。5階分を貫く巨大なコリント式列柱が象徴的で、昭和初期のオフィスビルとして最高水準の設備と意匠を備えていたとされています。
戦時中の金属類回収令による部材損失、1945年から1956年までのGHQ接収など大きな試練を経ましたが、返還後は装飾の復元に尽力し、建物の価値を守り抜いてきました。現役のオフィスビルでありながら重要文化財という希有な存在は、長年の保存努力の成果です。


明治生命館の一般公開エリアは無料で入館可能で、開館時間は9時30分〜19時(最終入館18時30分)。月曜日が休館日で、祝休日は開館、翌平日が休館日となる仕組みです。丸の内エリアの中心に位置し、東京駅・有楽町駅から徒歩5分、東京メトロ二重橋前駅からは直結という利便性の高さも魅力です。
また、「大人向け謎解きイベント」などの体験型企画も実施され、文化財への関心を広げる取り組みが行われています。展示企画運営は大日本印刷株式会社が担当し、文化財の魅力を現代的手法で伝える工夫も取り入れられています。

明治生命館は、隣接する明治安田生命本社ビル(丸の内マイプラザ)とともに「明治安田ヴィレッジ」の一部を構成し、丸の内の文化・ビジネスの拠点として機能しています。2000年代の再開発で容積率の移転により建物を保存し、周辺にアトリウムを整備することで、街の景観と歩行者空間にも寄与しています。

さらに2022年には「静嘉堂文庫美術館」の展示ギャラリーが館内に移転し、東洋古美術の名品を楽しめる場として文化的価値が一段と高まりました。今回のリニューアルを機に、展示・カフェ・美術館・相談窓口が一体となった複合的な文化体験拠点として、今後も来館者の増加が期待されます。
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最終更新日:2025年11月30日

