JR東日本は、東京駅の利便性向上および回遊性の強化を目的とした大規模な整備プロジェクトを進めています。その一環として、2022年に着手した「東京駅南部東西自由通路」の新設工事に加え、2024年5月より「南通路周辺整備」に着手しています。自由通路及び周辺整備の工事では、東京駅をより快適に利用できるよう、駅構内の主要動線の拡充やバリアフリー機能の強化を図るものとされています。また、待合スペースの拡大や商業エリアの充実を通じて、駅構内での利便性と快適性を向上させることを目指しています。
南通路は、東京駅の丸の内南口と八重洲南口を結ぶ主要な動線であり、この南通路の拡幅や天井高の拡大により、混雑を緩和し、より開放的で歩きやすい空間を実現するものとされています。さらに、地下1階に新たな吹抜空間や待合広場を設置し、利用者が快適に過ごせる環境を整えます。また、改札内のトイレや手荷物預かり所の新設、商業エリアの拡張など、さまざまな駅サービスの向上を図ります。
本プロジェクトは段階的に進められ、南部東西自由通路の暫定開業は2029年頃を予定しています。最終的な完成は2031年度冬を目指しており、東京駅のさらなる機能向上が期待されます。
→東日本旅客鉄道株式会社 東京駅南部東西自由通路の本体工事着手について
→東日本旅客鉄道株式会社 東京駅南通路周辺整備に着手します
東京駅南通路周辺整備と南部東西自由通路の概要
- 南通路周辺整備の目的
東京駅の利便性向上と歩行者ネットワークの強化を目的に、南通路の改良やバリアフリー機能の強化、商業施設の拡充を実施。 - 南通路の拡幅と改善
丸の内南口~八重洲南口を結ぶ南通路の幅を約15mから約20mに拡張し、天井を最大約3mに引き上げて開放感のある空間を整備。 - 地下1階の待合広場と吹抜空間の新設
約300㎡の待合広場を整備し、座席の増設やイベント・情報発信スペースを設置。駅利用者の快適性を向上。 - バリアフリー機能の強化
エレベーターの新設・大型化、段差対応スロープの設置により、車いす・ベビーカー・大きな荷物を持つ利用者の利便性向上。 - 地下1階 南部東西自由通路の整備
丸の内エリアと八重洲エリアをつなぐ幅8m・延長約290mの地下通路を新設し、2029年頃に暫定供用開始予定。 - 商業施設の拡充
既存店舗の拡張・リニューアルに加え、地下1階の新空間に飲食店・物販店舗を展開し、駅利用者の満足度向上。 - 全体完成時期と今後の展望
工事の全体完成は2031年度冬を予定。「TOKYO STATION CITY」としての東京駅の価値向上を目指す。

現在の南通路コンコースは、東京駅構内でも特に利用者の多いエリアの一つであり、ピーク時には混雑が激しくなります。今回の整備では、通路の幅を現状の約15mから約20mに拡張し、よりゆとりのある空間を確保します。また、天井の高さを最大約3mに引き上げることで、圧迫感を軽減し、開放感のある構造に変更します。
さらに、通路のレイアウトをより直線的にすることで視認性を向上させ、利用者が目的地までスムーズに移動できるようにします。これにより、乗り換え時間の短縮や、より快適な歩行空間の確保が可能になります。また、照明設備の強化やデザインの一新を行い、モダンで洗練された雰囲気を持つコンコースへと生まれ変わります。

地下1階には、新たにシンボリックな吹抜空間と約300㎡の待合広場を設け、利用者が快適に過ごせる環境を提供します。この広場では、長距離列車の発車待ちや、駅での待ち合わせに便利な座席を多数設置するほか、観光情報を発信するスペースも設けられます。日本各地の観光名所やイベント情報を紹介することで、東京駅を訪れる国内外の旅行者にとって役立つ場となることを目指します。
また、吹抜空間の設置によって、地下1階と1階を視覚的につなげ、開放感のある空間を演出します。これにより、地下エリアにいても圧迫感を感じにくくなり、より快適な空間となります。加えて、待合広場の周辺には改札内トイレや手荷物預かり所を新設し、駅構内の利便性を一層向上させます。

地下1階に新設される南部東西自由通路の周辺には、新たな商業エリアを設け、2029年頃の暫定開業を予定しています。ここでは、待合広場周辺に飲食店やカフェを配置し、利用者が快適に過ごせる空間を整備します。また、全国各地の特産品を扱うショップや観光情報センターを併設し、東京駅ならではの魅力を提供します。
この商業エリアでは、訪日観光客向けのサービスを充実させ、外国語対応スタッフの配置や、多言語対応のデジタル案内板を設置することも検討されています。これにより、日本を訪れる観光客にとっても、より快適で便利な駅空間となることを目指しています。

南通路周辺整備では、東京駅の利便性向上を目的に、南通路の拡幅と天井の高架化を行い、混雑の緩和と開放的な空間を実現します。また、エレベーターの新設・大型化やスロープの設置により、バリアフリー機能を強化し、すべての利用者が快適に移動できる環境を整備します。
さらに、約300㎡の待合広場を設置し、座席の充実に加え、日本各地の観光情報を発信するスペースを設けます。また、改札内外の商業施設を拡張し、飲食店や土産物店を充実させることで、利用者の利便性と駅の魅力を向上させます。これらの施策を通じ、東京駅はより快適で便利な空間へと進化します。

南部東西自由通路は、丸の内エリアと八重洲エリアを結ぶ歩行者ネットワークの要となる施設です。この通路は地下1階に設置され、幅8m、延長約290mの規模で整備されます。これにより、駅の東西間の移動がスムーズになり、混雑の軽減にもつながります。
また、八重洲地下街とも接続されることで、商業エリアのさらなる活性化が期待されます。さらに、エレベーターやエスカレーターの設置により、すべての利用者にとって快適な環境が提供されます。南部東西自由通路は2029年頃の供用開始を予定しており、完成後は東京駅の利便性が飛躍的に向上することが期待されます。

2025年3月にJR東海道線から撮影した東京駅南側の様子です。東京駅南部東西自由通路の工事が進められており、東西に延びた空間が姿を現していました。幅は約8メートル、延長は約290メートルとなり、使用開始は2029年頃の予定です。

丸の内駅舎側から見た整備が進む東京駅南部東西自由通路の様子です。途中に階段とエレベーターが設けられますが、丸の内側、八重洲側ともに地下レベルで接続されます。丸の内側は、JPタワーの目の前に広がる地下広場、八重洲側は、東京駅一番街の南端部に位置するトイレ付近に接続されます。
最終更新日:2025年3月27日