2025年9月25日、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)が進める「橋本駅南口地区土地区画整理事業」が、国土交通大臣より正式に事業計画の認可を受け、橋本駅南口エリアの大規模なまちづくりが本格的に始動しました。
本事業は、リニア中央新幹線の神奈川県駅(仮称)の設置を契機として、駅周辺の都市機能を高度に集積させることを目的としています。相模原市が策定した都市計画やリニア駅周辺まちづくりガイドラインに基づき、商業や業務、住宅など多様な都市機能をバランスよく配置し、首都圏南西部における広域交流拠点としての形成を目指すものです。事業期間は2025年度から2035年度まで、総事業費は約290億円、事業対象面積は約13.7ヘクタールに及びます。
→独立行政法人都市再生機構 橋本駅南口エリアのまちづくりが始動!橋本駅南口地区土地区画整理事業(UR施行)の事業計画認可のお知らせ
橋本駅南口地区土地区画整理事業の概要
1. 地理的優位性と都市計画上の意義
JR横浜線・JR相模線・京王線が交わる交通結節点と幹線道路との接続による広域交通拠点としての重要性。相模原市計画による商業・業務・文化機能の集積と土地高度利用による広域交流拠点形成。
2. 事業概要と施行スケジュール
施行面積13.7ヘクタール、事業費約290億円、期間2025年度から2035年度まで。県立相原高校跡地やリニア駅予定地を中心とした計画的土地利用転換と公共施設整備。
3. 駅まち一体のまちづくり
鉄道駅・交通広場と街区を一体的に整備する「駅まち一体」の都市空間形成。3駅をつなぐ都市軸による回遊性向上と複合的都市機能の集積による地域魅力向上。
4. 公共施設と道路ネットワーク整備
区画道路・交通広場・公園などの公共施設整備と歩行者空間の確保。駅周辺と広域地域を結ぶ都市計画道路整備による安全・快適な都市空間の創出。
5. まちづくりのコンセプトとゾーン形成
交流・賑わい軸を中心とした駅まち一体牽引ゾーン、広域交流ゾーン、複合都市機能ゾーン、ものづくり産業交流ゾーンの形成。各ゾーンによる賑わい創出、生活利便性向上、産業・研究機能の集積による地域活性化。
6. 将来像と都市魅力の向上
歩いて楽しいまちとする駅中心の利便性向上と都市機能集積。多様な世代が集う交流拠点形成と地域循環・発展を促す持続可能な都市環境。
7. 環境・技術・社会課題への対応
豊かな自然環境との調和による脱炭素型ライフスタイルの実現。ICT・ロボット・生活支援技術によるスマートシティ化とオープンイノベーション推進。

橋本駅南口地区は、JR横浜線、JR相模線、京王相模原線の3路線が交わる交通結節点に位置し、国道16号や国道129号、国道413号、津久井広域道路といった幹線道路とも接続しています。この地理的条件により、広域交通ネットワークの要衝としての重要性が高く、相模原市の「広域交流拠点整備計画」においては優先的な土地利用転換エリアに指定されています。
また、「リニア駅周辺まちづくりガイドライン」においては、商業・業務・文化機能などを集積させることで、にぎわいと魅力にあふれた広域交流の拠点を形成する地区として位置づけられています。リニア駅の整備効果や圏央道相模原インターチェンジとの近接性を活かし、都市の高度利用を図ることも本地区の大きな特徴です。

「橋本駅南口地区土地区画整理事業」は、UR都市機構が施行者となり、約13.7ヘクタールの区域で計画的な土地利用転換と公共施設整備を一体的に進めます。事業期間は2025年度から2035年度までを予定しており、事業費は約290億円です。
対象区域には県立相原高校跡地やリニア中央新幹線の駅予定地などが含まれ、まとまりのある土地単位での再開発が行われます。これにより、商業施設や住宅、交通基盤が整備されることで、周辺地域との一体的な都市形成が可能となります。公共施設の整備と土地利用転換を同時に進めることで、利便性と快適性を兼ね備えた都市空間の実現が期待されます。

本事業の大きな特徴は、「駅まち一体」のまちづくりを実現する点です。鉄道駅や交通広場と周辺街区を一体的に捉え、相互に調整しながら空間整備や都市機能の配置を進めます。京王線橋本駅の移設を含む再編により、3つの鉄道駅と南北をつなぐ都市軸が整備され、歩行者中心の回遊性が高まります。これにより、複合的な都市機能が集積し、多様な人々の交流や活動を誘導することで、まち全体の魅力向上につながります。駅を起点として、利便性と一体感を兼ね備えた都市空間の形成が図られ、地域全体への賑わいの波及効果も期待されています。


事業区域内では、区画道路や交通広場、公園などの公共施設が整備されます。都市計画道路としては「橋本駅東通り線」「橋本西通り線」「橋本駅南口駅前通り線」などが新設・変更され、駅周辺と広域地域を結ぶ道路ネットワークが整備されます。また、歩行者空間の一部にはオープンスペースを設け、安全で快適な歩行環境が確保されます。これにより、車中心の都市から人中心の都市空間へと転換され、歩いて楽しめるまちの実現が目指されます。道路や広場の整備により、公共交通の利用促進や駅周辺の回遊性向上にも寄与します。

橋本駅南口地区のまちづくりコンセプトは、「リニアでつながる、一歩先の未来を叶えるまち」です。交流と賑わいを生み出す「交流・賑わい軸」を中心に、駅まち一体牽引ゾーン、広域交流ゾーン、複合都市機能ゾーン、ものづくり産業交流ゾーンの4つのゾーンが形成されます。

駅まち一体牽引ゾーンでは、京王駅移設を契機に交通結節機能と歩行者空間を整備し、まちの顔となる賑わいを創出します。広域交流ゾーンでは、観光や物産、産業に関する情報発信拠点を整備し、多様な人々の交流や社会実装を促進します。複合都市機能ゾーンでは、居住、商業、福祉などが融合した生活拠点を形成し、誰もが快適に過ごせる都市空間を提供します。ものづくり産業交流ゾーンでは、研究や産業交流の機能を導入し、新技術の創造や地域経済の活性化を目指します。

本事業の完成により、橋本駅南口エリアは「歩いて楽しいまち」として生まれ変わります。公共交通を軸とした利便性の高い都市ネットワーク、先端技術や産業との連携によるイノベーション拠点、そして豊かな自然環境と調和した脱炭素型ライフスタイルの実現が期待されます。住む人、働く人、訪れる人が互いに出会い、交流し、連携することで、新しい価値や活動が生まれ、地域全体の循環と発展を促進します。首都圏南西部における広域交流拠点として、地域経済や産業の発展にも寄与することが見込まれ、持続可能で魅力ある都市空間の創出が期待されています。
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最終更新日:2025年10月7日

