2026年2月17日の市長定例記者会見において、「JR清水駅東口地域づくりエリアの土地利活用方針(第2部~まちづくりの方向性~)」が公表されました。静岡市は、ENEOS株式会社と2025年8月に「静岡市清水区袖師地区を中心とした地域づくりの推進に係る合意書」を締結し、清水製油所跡地のうち「地域づくりエリア」における具体的なまちづくりの検討を進めてきました。その結果、市が約7.9haの土地を取得し、地権者として土地区画整理事業に参画することを決定しました。
新たなまちづくりは、富士山や駿河湾を望む絶景、JR清水駅至近という交通利便性、約14haに及ぶ広大な敷地という強みを最大限に活かし、「超スマートガーデンシティ」の実現を目指すものです。その中核施設としては、多目的スタジアムが最も有力と判断されました。今後は、官民共創による事業手法や経済波及効果などを検証する実現可能性調査(フィージビリティスタディ)を実施し、2026年度中に最終結論を取りまとめる方針です。
JR清水駅東口地域づくりエリアの概要
1.土地利活用方針の公表と市の参画決定
2026年2月17日の市長定例記者会見でJR清水駅東口地域づくりエリアの土地利活用方針を公表。
ENEOS株式会社との合意を踏まえ、市が約7.9haを取得し土地区画整理事業へ参画する方針の決定。
2.地域が有する立地ポテンシャル
富士山や駿河湾を望む景観、JR清水駅至近の交通利便性、約14haの広大な敷地という希少な都市資源。
白地から自由度高く計画できる条件を活かした大規模拠点形成の可能性。
3.人口減少と防災課題への対応
人口減少や雇用縮小が続く清水区における新たな交流人口創出の必要性。
レベル2津波を想定した標高約6mへの盛土など防災性確保を前提とする基盤整備方針。
4.超スマートガーデンシティ構想の提示
先端技術と自然共生を融合する「超スマートガーデンシティ」という将来像の提示。
スマートシティ、スーパーシティ、ガーデンシティの理念を統合した次世代都市モデルの構築。
5.GX・次世代モビリティとの連携
脱炭素先行地域の取り組みと連動した再生可能エネルギーや水素活用によるGX推進。
自動運転やeVTOLなど次世代モビリティ実装を視野に入れた先進的都市基盤の形成。
6.中核施設としての多目的スタジアム選定
多目的スタジアム、大規模MICE、スポーツパーク、教育研究拠点の4案を比較検討。
集客力、収益性、経済波及効果、防災機能など総合評価に基づく多目的スタジアム案の最有力判断。
7.スタジアムを核とした複合市街地形成
商業、ホテル、オフィス、住宅、文化・教育機能を組み合わせた複合的都市機能の導入構想。
駅直結動線と緑豊かな空間整備により回遊性と滞在性を高める新たな都市拠点の創出。

地域づくりエリアは、①富士山・駿河湾・三保半島を一望できる景観、②JR清水駅至近の交通利便性、③約14haの広大な敷地、④白地から自由度高くまちづくりができる点という、類稀なる強みを有しています。
一方で、清水区は1975年をピークに人口減少が続き、産業構造の変化に伴う雇用減少などにより社会減が進行しています。こうした状況を打開するには、新たな雇用創出と交流人口拡大につながる土地活用が不可欠です。
また、本エリアは南海トラフ地震による津波浸水想定区域でもあります。レベル2津波にも対応できるよう、標高6m程度までの盛土など、防災性を確保した基盤整備が求められています。安全・安心を前提に、次世代へ誇れる拠点形成を目指す姿勢が明確に示されました。

市は、進化する科学技術(流行)と、時代を超えて価値を持つ美や癒し(不易)を融合させる「不易流行」の理念を掲げ、まちづくりを進めるとしています。
具体的には、AIやビッグデータを活用するスマートシティの発想、分野横断型の都市OSを基盤とするスーパーシティの考え方、そして自然と共生するガーデンシティの理念を組み合わせた「超スマートガーデンシティ」を構想しています。
近隣では脱炭素先行地域として次世代型エネルギー供給プラットフォームの構築が進み、水素ステーションや再生可能エネルギー活用などが展開されています。これらと連携し、新エネルギーを活かしたGX(グリーントランスフォーメーション)型の都市モデルを志向します。
さらに、次世代モビリティの導入も視野に入れています。自動運転やeVTOL(空飛ぶクルマ)などの実装拠点としての可能性も検討されており、海に開かれ駅に近い立地特性を最大限に活かす構想です。

まちづくりの中核施設として、①多目的スタジアム、②大規模MICE施設、③スポーツ・レクリエーションパーク、④教育・研究・インキュベーション拠点の4案が比較検討されました。
評価項目は、土地の強みを活かせるか、集客力・収益力、周辺への経済波及効果、防災拠点としての機能、実現可能性の5点です。その結果、すべての項目で高評価を得たのが「多目的スタジアム」でした。
スタジアムは、数万人規模の集客が可能であり、試合やイベント開催による飲食・宿泊・観光需要の創出が期待されます。また、大規模避難施設や物資輸送拠点としての機能も担うことができ、防災面でも優位性があります。これらを総合的に判断し、スタジアムが中核施設として最も望ましいと結論づけられました。

多目的スタジアムと相乗効果を発揮する都市機能として、オフィス、商業施設、ホテル、マンション、学校、レジャー施設、子育て支援施設、文化施設、研究機関などが抽出されました。
これらは、駅近という利便性と景観価値を活かし、広域からの集客や新たな雇用創出につながるものです。特にウォーターフロント型商業施設や景観を活かしたホテルは、滞在時間を延ばし、清水全体への回遊性を高める役割が期待されます。
将来イメージでは、エリア中央にスタジアムを配置し、西側に商業施設を整備、駅からはペデストリアンデッキで接続する構想が示されました。全体を花と緑あふれる空間とし、「公園の中にまちをつくる」発想を取り入れています。

今回示された土地利活用方針は、単なる跡地開発ではなく、清水の将来を左右する戦略的プロジェクトです。多目的スタジアムを核とした「超スマートガーデンシティ」が実現すれば、清水駅周辺のみならず、静岡市全体へと経済・社会効果が波及する可能性があります。今後の実現可能性調査と最終判断の行方が注目されます。
出典・引用元:静岡市 JR清水駅東口地域づくりエリアの土地利活用方針
最終更新日:2026年3月4日