茨城県つくば市吾妻二丁目に位置する国家公務員宿舎跡地(通称「70街区」)について、財務省関東財務局は国有地の売却に向けた二段階一般競争入札が実施されています。対象地はつくばエクスプレス「つくば」駅に近接する約5万3,866㎡規模の大街区で、つくば市中心市街地のまちづくりに大きな影響を与える土地として注目されています。
つくば市は「つくば中心市街地まちづくり戦略」に基づき、このエリアに住宅だけでなく商業、イノベーション機能などを導入した複合的な都市機能の形成を目指しています。国と市はこれまで市場調査や市民意見の募集などを実施しながら土地利用方針を検討してきました。今後は企画提案を審査したうえで価格競争を行い、事業者を決定する予定で、つくば駅周辺の新たな都市拠点形成が期待されています。
吾妻二丁目国家公務員宿舎跡地開発計画の概要
1.つくば駅近接の大規模跡地
つくば市吾妻二丁目に位置する国家公務員宿舎跡地「70街区」は、つくばエクスプレスつくば駅から約300mに位置する約5万㎡規模の大街区。
筑波研究学園都市の中心部に位置し、中心市街地の将来像に大きな影響を与える重要な都市開発用地。
2.国有地売却による土地活用
財務省関東財務局は、国有地約53,000㎡に市有地約2,900㎡を加えた街区を対象に土地売却を実施。
つくば市と連携しながら、都市再生や地域活性化につながる土地利用の実現を目的とした処分計画。
3.二段階一般競争入札による事業者選定
土地利用の企画提案を審査した後に価格競争を行う「二段階一般競争入札」により事業者を選定。
まちづくりの方針との適合性や開発コンセプトを重視した開発事業者選定方式。
4.長年にわたる検討と調整
国とつくば市は、市場調査や都市計画変更、市民説明会などを実施しながら土地活用方針を検討。
2021年のサウンディング調査を皮切りに、段階的に制度整備や開発条件の調整を進めてきた経緯。
5.複合的な都市機能の導入
住宅だけでなく、商業施設や生活支援施設、交流拠点など多様な都市機能の導入を想定。
駅近接という立地特性を活かした中心市街地にふさわしい複合型都市拠点の形成方針。
6.研究都市らしいイノベーション拠点形成
研究機関や大学が集積する筑波研究学園都市の特性を活かした新たなイノベーション拠点の整備。
スタートアップ支援や新モビリティ、デジタルサービスなど先端技術の社会実装の場の創出。
7.緑豊かな都市環境の継承
筑波研究学園都市が培ってきた豊かな緑地環境とゆとりある都市空間の継承を重視。
景観や歩行者空間、緑地帯の整備などによる研究都市の中心部にふさわしい都市景観の形成。

開発の対象となるのは、つくば市吾妻二丁目に所在する国家公務員宿舎跡地で、通称「70街区」と呼ばれています。対象となる国有地の面積は約53,854㎡で、これに隣接する市有地約2,908㎡を含めた街区全体での開発が検討されています。

この土地は、つくばエクスプレスのつくば駅に近接する中心市街地の一角に位置しており、筑波研究学園都市の中核エリアにあたります。周辺には研究機関や大学、公共施設などが集積しているほか、緑豊かな住宅地として整備されてきた歴史があります。
そのため、この跡地の活用は単なる土地売却ではなく、つくば市の都市再生や中心市街地の活性化に直結する重要なプロジェクトとして位置付けられています。

70街区の処分方法として採用されたのが「二段階一般競争入札」です。これは通常の価格競争入札とは異なり、まず土地利用計画などの企画提案を審査し、その審査を通過した事業者のみが価格競争に参加できる仕組みです。


この方式は、単に高値で売却するだけではなく、まちづくりの方針に沿った質の高い開発を実現することを目的としています。令和6年(2024年)3月に開催された国有財産関東地方審議会では、本街区を二段階一般競争入札により売却することが適当であるとの答申が示されました。
その後、令和7年(2025年)7月に関東財務局が入札を公示し、企画提案の審査と価格競争を経て落札者が決定される予定となっています。


この土地の活用に向けては、国とつくば市が連携しながら長年にわたり検討が進められてきました。
2021年には民間事業者の意見を把握するため、サウンディング型市場調査を実施し、住宅、商業施設、イノベーション施設などを組み合わせた複合開発の可能性について意見を収集しました。調査には建設業や不動産業など7社が参加しています。


その後、2022年には市民説明会や意見募集が行われ、2023年には都市計画の変更などの手続きも進められました。さらに2024年には国有財産地方審議会で売却方法が正式に承認され、現在の入札手続きに至っています。
このように、行政・民間・市民の意見を踏まえながら段階的に開発方針が整備されてきました。

つくば市が示している土地活用の方向性では、単なる住宅地開発ではなく、複合的な都市機能の導入が重要なテーマとなっています。
具体的には、住宅のほか商業施設や生活支援施設、交流拠点、スタートアップ支援施設などの導入が想定されています。また、研究学園都市としての強みを活かし、研究成果や人材の集積を活用したイノベーション拠点の形成も検討されています。
さらに、新モビリティサービスや住民サービスのデジタル化など、先端技術を社会実装する都市モデルとしての役割も期待されています。これにより、研究都市ならではの新しい都市生活を実現するエリアとして整備が進められる見込みです。

70街区では、筑波研究学園都市が培ってきた豊かな緑環境やゆとりある都市空間を維持することも重要な方針となっています。
地区計画では、中高層住宅を中心とした落ち着きのある住宅市街地の形成を基本としながら、幹線道路沿いや歩行者専用道路沿いに緑地帯を配置するなど、緑のネットワークを形成することが求められています。

また、既存樹木の保全や電線地中化、建物の景観デザインへの配慮などにより、研究学園地区の中心部にふさわしい品格ある都市景観の形成を目指します。これにより、居住環境と都市機能が調和した新たな都市拠点の整備が期待されています。
出典・引用元:つくば市 吾妻二丁目国家公務員宿舎跡地に関するこれまでの取組
最終更新日:2026年3月9日