東武鉄道伊勢崎線(とうきょうスカイツリー駅付近)連続立体交差事業は、墨田区と東武鉄道が連携して進めている、約0.9km区間の鉄道高架化を中心とした大規模都市整備事業です。桜橋通りにある「伊勢崎線第2号踏切」の除却をはじめ、長年の課題であった交通渋滞の解消、安全性の向上、南北市街地の一体化を推進することを目的に実施されています。
2025年3月には上下線の高架化が完了し踏切が撤去され、さらに2025年12月7日の始発列車より新駅舎(新東口改札)および新下りホームの供用が開始されました。周辺では都市計画道路の整備も進められており、東京スカイツリーの玄関口にふさわしい、安全で快適な歩行者空間の形成が着実に進められています。
→墨田区 東武伊勢崎線(とうきょうスカイツリー駅付近)連続立体交差事業新駅舎及び新下りホーム使用開始のお知らせ(令和7年12月7日)
→墨田区 東武鉄道伊勢崎線(とうきょうスカイツリー駅付近)連続立体交差事業
東武鉄道伊勢崎線(とうきょうスカイツリー駅付近)連続立体交差事業の概要
1. 事業の概要
約0.9km区間の鉄道高架化を軸に進められる、交通安全性と都市機能改善を目的とした基盤整備事業。
踏切除却と南北市街地の一体化を図り、東京スカイツリー周辺の都市空間を再構築する事業。
2. 事業の経緯と進捗
平成23年の計画位置付けから段階的に進められ、2025年3月に上下線の高架化が完成した経緯。
2028年度の全体完了を見据え、留置線の高架化や周辺整備が続く進行状況。
3. 高架化区間と駅施設整備
嵩上式高架構造を採用した押上二丁目〜向島一丁目間の高架化と仮線方式による施工。
2025年12月7日に移設された新ホームと新東口改札の整備による駅利便性向上と旧施設の役割終焉。
4. 伊勢崎線第2号踏切の除却
桜橋通りに位置し交通課題の象徴であった踏切の撤去による交通渋滞解消。
自動車・歩行者双方の安全性向上と地域交通環境の大幅改善。
5. 鉄道と交差する都市計画道路整備
言問通りや桜橋通りなど主要道路との立体交差化と歩行者空間の拡充。
高架下歩行者専用道の新設による都市動線の強化と周辺環境の向上。
6. 周辺道路の連動整備
言問通り・桜橋通りの歩道拡幅や交通広場整備など来訪者増加に対応した道路再編。
押上駅北口線や南北通りの形成による広域的な回遊性と利便性向上。
7. 今後の展望とまちづくりの深化
地上線路撤去や留置線高架化を通じた南北一体の都市空間創出と交通機能の強化。
新駅舎供用を契機とした観光拠点価値の向上と地域の魅力向上に向けたまちづくり深化。

本事業は、東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー」駅付近の約0.9kmを高架化し、道路と鉄道が立体的に交差する構造へ転換するものです。これにより、従来から交通のボトルネックとなっていた「伊勢崎線第2号踏切」を除却し、自動車渋滞や歩行者・自転車の危険性が大幅に改善されました。


また、鉄道が街を分断していた状況が解消され、南北の往来が容易となることで、地域の回遊性や暮らしの利便性が向上し、東京スカイツリー周辺の都市空間がより一体的に機能するようになります。


本事業は平成23年の計画位置付けを皮切りに、平成26年の協議会設立、平成28年の都市計画決定を経て、平成29年に東京都知事から事業認可を受けました。平成30年より工事に着手し、2019年の仮線使用開始、2022年の上り線高架化など段階的に整備が進みました。

2025年3月2日には、ついに下り線高架区間の供用が始まり、伊勢崎線第2号踏切の除却が完了しました。これにより上下線の高架化が達成され、6月には記念式典も開催されています。今後は引き続き、留置線の高架化および周辺整備が進められ、事業完了は2028年度を予定しています。


高架化区間は墨田区押上二丁目から向島一丁目に至る約0.9kmで、構造形式は嵩上式高架構造が採用されています。工事は仮線方式により安全に進められ、運行を維持しながら段階的に切替が行われました。
駅施設としては、とうきょうスカイツリー駅のホームを約150m東側へ移設し、延長170〜210m、幅員2~8mの新ホームを整備しています。
2025年12月7日からは新東口改札と新下りホームが使用開始され、東口・西口いずれからも上下ホームへアクセス可能になります。今まで使用された旧下りホームと東口改札は、12月6日終列車をもって役割を終えました。

東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー」駅では、東京スカイツリーのデザイン監修者であり彫刻家の故・澄川喜一氏が手がけた陶板レリーフ作品「TO THE SKY」が、旧駅舎から新駅舎の新東口改札内へ移設され、2025年12月7日の駅供用開始に合わせて一般公開されています。

本作品は2012年、東京スカイツリー開業に合わせて駅1階コンコースに設置されたもので、空へ伸びるスカイツリーの姿と業平の地に息づく日本の伝統的イメージを重ね合わせたデザインが特徴です。今回の鉄道高架化に伴う駅舎移設により、製作を担ったクレアーレ熱海ゆがわら工房が取り外し・修復を行い、新駅舎へ丁寧に再設置しました。縦3メートル・横4メートルの2面からなる大型陶板レリーフは、長く親しまれてきた公共財として次世代へ継承されます。

本事業の象徴ともいえる「伊勢崎線第2号踏切」は、桜橋通りに位置し、幅員15mの主要道路と交差する踏切でした。自動車・歩行者ともに混雑が激しく、踏切道改良促進法に基づき“改良すべき踏切”として指定されていた箇所です。
2025年3月2日の下り線高架化開始と同時に踏切が除却され、地域の長年の課題であった交通渋滞と安全性の問題が一挙に解消されました。踏切の撤去は周辺の道路環境にも大きな効果をもたらし、歩行者ネットワークの強化につながっています。


鉄道の高架化に伴い、周辺では複数の都市計画道路が鉄道と交差する形で再整備されており、それぞれの道路で安全性と快適性の向上を図る取り組みが進められています。まず、補助線街路第114号線(言問通り)では、現況の幅員22メートルを26メートルへと拡幅し、左折車線の新設や歩道の拡張を行うことで、自動車交通の円滑化と歩行者空間の充実を同時に実現します。

さらに、墨田区画街路第10号線(桜橋通り)では、踏切の除却に合わせて歩道を広げ、安全性を高めた歩行者動線が確保されます。また、墨田歩行者専用道第1号線(南北通り)では、高架下空間を生かした幅8メートルの新たな歩行者専用道路が整備され、南北方向の移動がよりスムーズで快適になります。これら一連の整備によって鉄道を横断する各方向の動線が強化され、地域全体として安全で快適な歩行者空間が形成されることが期待されています。

本事業では、駅周辺の交通利便性を高め、歩行者動線をより円滑にすることを目的として、複数の都市計画道路が連動して整備されています。まず、言問通りでは、東京スカイツリーを訪れる来訪者の増加に対応するため、歩道幅を従来の2.5メートルから4.0メートルへ拡張するとともに、交通処理能力を向上させる左折車線の整備が進められています。また、桜橋通りでは踏切の撤去を契機に歩道を3.0メートルから4.0メートルへ広げ、安全性と快適性の向上が図られています。

さらに、(仮称)押上駅北口線と約2,600平方メートルの押上駅北口交通広場の整備により、駅周辺における地域交通の拠点形成が進み、利便性の高い交通結節点としての機能を強化します。加えて、(仮称)南北通りでは高架下空間を利用した歩行者ネットワークが構築され、駅周辺の回遊性が大幅に向上する見込みです。
これらの道路整備は、単に駅利用者の利便性を高めるだけでなく、東京スカイツリーを訪れる国内外の観光客に対しても、安全で歩きやすい都市空間を提供する重要な取り組みとなっています。

上下線が高架化され、踏切が除却されたことで、本事業は大きな節目を迎えました。今後は、不要となった地上線路の撤去、留置線の高架化工事、周辺の交通広場の整備などを進め、南北市街地をつなぐ都市空間の一体化をさらに推進します。

また、とうきょうスカイツリー駅の新駅舎供用により、駅を中心としたまちづくりが新たなフェーズへ進みます。歩行者が安全に移動できるネットワークが形成され、押上・向島エリアの魅力向上、観光拠点としての価値強化、さらには地域住民の生活利便性の向上に寄与することが期待されます。
最終更新日:2025年12月7日

