大阪府吹田市の万博記念公園駅前において、「大規模アリーナを中核とした大阪・関西を代表する新たなスポーツ・文化の拠点づくり」を目指す大規模再開発プロジェクトが進められています。それが「(仮称)万博記念公園駅前周辺地区活性化事業」です。
(仮称)万博記念公園駅前周辺地区活性化事業は、三菱商事都市開発株式会社、Anschutz Entertainment Group(AEG)、関電不動産開発株式会社の3社による共同企業体が事業主体となり、アリーナをはじめ、商業施設、ホテル、オフィス、住宅などを段階的に整備する計画となっています。1970年大阪万博のレガシーを継承しつつ、スポーツ・文化・観光・暮らしが融合する次世代型の都市拠点を形成することを目的としています。
(仮称)万博記念公園駅前周辺地区活性化事業の概要
1.事業の位置づけと目的
万博記念公園駅前における大規模複合開発事業。
大規模アリーナを中核とした大阪・関西を代表するスポーツ・文化拠点の形成。
2.事業主体と官民連携の枠組み
三菱商事都市開発、AEG、関電不動産開発による共同企業体。
大阪府との基本協定に基づく公園活性化を目的とした官民連携事業。
3.開発エリアと計画規模
万博記念公園駅前約16.9ヘクタールを対象とする大規模開発。
アリーナ、商業、ホテル、オフィス、住宅を含む複合的土地利用計画。
4.中核施設となる大規模アリーナ
最大約18,000人収容を想定した多目的アリーナ。
国際大会やコンサート等に対応する関西有数の集客施設。
5.商業・宿泊・業務機能の導入
商業施設、ホテル、オフィスによる複合都市機能の集積。
来訪者の滞在促進とエリア全体の回遊性向上を図る施設構成。
6.住宅整備によるまちの持続性
約560戸超の共同住宅整備による居住機能の導入。
イベント時以外も賑わいを生み出す定住人口の確保。
7.段階的整備と万博記念公園との連携
2030年頃のアリーナ開業を起点とする段階的事業展開。
万博記念公園の価値を補完・強化する駅前拠点形成。

(仮称)万博記念公園駅前周辺地区活性化事業は、大阪府が策定した「日本万国博覧会記念公園の活性化に向けた将来ビジョン(2015年)」を具体化する取り組みの一環として位置づけられています。万博記念公園を「世界第一級の文化・観光拠点」として発展させていくため、民間事業者のノウハウや投資を積極的に導入し、国内外から人々を惹きつける新たな都市機能を駅前エリアに集積させることが狙いです。

基本コンセプトは、「大規模アリーナを中核とした大阪・関西を代表する新たなスポーツ・文化の拠点づくり」です。単体施設の整備にとどまらず、商業、宿泊、業務、居住といった多様な都市機能を複合的に導入することで、平日・休日を問わず人の流れを生み出し、エリア全体として持続的な賑わいを創出することを目的としています。

本事業に関しては、2019年10月に大阪府による事業提案の公募が実施されました。これを受け、2020年10月30日、三菱商事都市開発、AEG、関電不動産開発の3社からなる共同企業体が事業提案書を提出しています。


その後、2021年5月19日には、大阪府日本万国博覧会記念公園活性化事業者選定委員会による審査が行われ、当該共同企業体が最優秀提案者(契約交渉の相手方)として選定されました。さらに協議を重ねた結果、2023年7月26日、大阪府と共同企業体との間で「万博記念公園駅前周辺地区に関する基本協定書」が正式に締結され、事業実施に向けた枠組みが確定しています。


本事業では、万博記念公園駅前という立地特性を踏まえ、複数の建築物を段階的に整備する計画となっており、各建築物の規模は、景観や周辺環境への配慮を前提としながら、アリーナを中心とした複合的な都市機能を成立させる水準で設定されています。

中核となる大規模アリーナは、地上5階、地下1階建て、高さ約34m、延床面積約57,700㎡を想定しており、最大で約18,000人を収容可能な多機能施設として計画されています。また、商業機能と宿泊機能を一体的に配置する商業・カジュアルホテル複合棟は、地上11階、地下2階建て、高さ約45m、延床面積約30,600㎡規模とされ、来訪者の滞在や賑わい創出を担う建物となります。


さらに、業務機能と宿泊機能を担う「オフィス・ホテル棟」は、地上10階、地下1階建て、高さ約45m、延床面積約26,000㎡を想定した比較的大規模な複合棟として計画されており、エリア全体の都市機能を支える役割を果たします。これに加え、次世代型の業務空間を想定した「オフィス棟A」は、地上9階、地下1階建て、高さ約45m、延床面積約31,500㎡規模で整備される計画です。

住宅機能については、用地②・③において板状の「大規模マンション」が整備され、地上10〜14階建て、高さ約31〜45m、延床面積の合計は約52,500㎡となり、用地②に327戸、用地③に236戸の総戸数563戸の住戸が供給される見込みです。これらすべての建築物は、全体で約16.9ヘクタールに及ぶ敷地内に配置され、万博記念公園の豊かな緑地や大阪モノレール駅との連続性を強く意識した、開放的で一体感のある空間構成が図られています。

本事業の中核を成す施設が、最大収容人数約18,000人を想定した大規模アリーナです。国際的なスポーツ大会をはじめ、音楽コンサート、エンターテインメントイベント、企業主催の式典や展示会など、多様な用途に対応可能な多機能施設として整備されます。
年間のイベント開催回数は約165回、年間来場者数は約175万人を見込んでおり、大阪・関西圏における新たな集客拠点としての役割が期待されています。アリーナは単なる集客施設にとどまらず、周辺の商業施設や公園への回遊を促すエリア全体の「核」として機能する計画です。


アリーナ周辺には、商業施設とカジュアルホテルを組み合わせた複合棟、さらにオフィスやホテルを中心とした業務機能棟などが整備される予定です。商業施設は、日常利用者からイベント来場者、観光客まで幅広い層を対象とし、飲食・物販・サービス機能をバランスよく配置する計画となっています。
ホテルについては、アリーナ利用者や万博記念公園を訪れる観光客の宿泊需要を取り込み、滞在型利用を促進します。オフィスについても、公園の緑を身近に感じられる環境を活かし、多様な働き方に対応した先進的な業務空間の創出が想定されています。


用地②および用地③には大規模マンションが整備され、用地②に327戸、用地③に236戸の合計で563戸の住戸供給が計画されています。アリーナや公園に近接した立地特性を活かし、スポーツや文化活動を日常的に楽しめるライフスタイルを志向する人々を主な居住者として想定したものとなっています。
住宅機能を組み込むことで、イベント開催日以外においても人の気配が感じられるエリアとなり、まちとしての持続性や安全性の向上にも寄与することが期待されています。

(仮称)万博記念公園駅前周辺地区活性化事業は、全体を4期に分けて段階的に整備が進められる計画です。2026年4月末までに事業計画を策定し、同年10月末までに造成工事へ着手する予定となっています。
第1期事業としては、アリーナを中心とした中核施設を2030年3月末までに開業する計画です。その後、住宅棟やオフィス棟などを順次整備し、2038年5月末までの全面開業を目指しています。長期的な視点で事業を進めることで、社会環境の変化にも柔軟に対応できる開発スキームが採用されています。

万博記念公園は、1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)の跡地を整備して誕生した、日本を代表する大規模都市公園です。「自然と文化・スポーツを通じて、人類の創造力の源泉である生命力と感性が磨かれる公園」を理念に掲げ、半世紀以上にわたり大阪の都市生活を支えてきました。
(仮称)万博記念公園駅前周辺地区活性化事業は、万博記念公園の価値を補完・強化する役割を担うものであり、駅前に都市機能を集約することで、公園本体の自然環境や文化的価値をより一層引き立てることが期待されています。緑地保全や景観への配慮、回遊性の向上を通じて、公園と都市が共存する新たなモデルケースとなることが見込まれています。
出典・引用元∶三菱商事都市開発株式会社 (仮称)万博記念公園駅前周辺地区活性化事業
最終更新日:2026年2月11日